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私は有料制の会員制情報誌を1982年以来、発行し続けている。
以下に紹介する記事は、昨年、有料情報誌ケンブリッジ・フォーキャスト・レポートに発表した論文からのものである。
現在、最も注目されているエコノミストであるヌリエル・ルービニ教授のバック・グラウンドを紹介したものである。
ルービニ教授は今後、益々、注目されてゆくエコノミストである。

しかし彼の発言の真意を読み説くには、彼のバックグラウンドを理解する事が不可欠であろう。
既に発表から半年の時間が経過したので、有料情報誌の論文から一部を敢えて公開する事も、購読者に対する背信行為にならないであろうと信じて、そうさせて頂く。
(別の観点から、拙著『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』末章でも解説したので、そちらも参考にして頂きたい。)
ルービニ教授は未だに日本では、一般的な有名人とは言い難い。
しかし彼の発言は世界的に大きな影響力を持っている。
イラン生まれのユダヤ系であるルービニ教授は自らが称するように、「グローバル・ノーマッド(地球的遊牧民)」である。
ルービニ教授の特異性は、そのバックグラウンドを知って始めて理解できるものである。
以下を参考にして頂ければ幸いである。
注目される経済学者、ヌリエル・ルービニ教授のバック・グラウンド
要旨: ルービニ教授は「グローバル・ノーマッド(地球的遊牧民)」としてのユダヤ人である。
彼のアイデンティティーの基本はここにある。
● 彼のTwitterのアドレス; Nouriel Roubini http://twitter.com/Nouriel
1) リーマン・ショックを2年前に予測した人物
最近、ヌリエル・ルービニNY大学教授が、アメリカを中心に世界的に注目されている。
ルービニ教授が有名になったのは、2006年9月にアメリカの住宅価格下落を引き金とする大規模な金融危機が到来する事をIMFに対して警告し、この予測がズバリ的中したからである。
アメリカの住宅市場がバブル化しており、それが崩壊するという予測は、既に2005年に表していた。
2008年9月のリーマン・ショック以降、「世界的金融危機をいち早く予測したエコノミスト」として、同教授は多くの注目を集めるようになった。
今や、欧米のメディアでは、ルービニ教授は経済予測の第一人者と見なされており、今日、同教授は世界で最も影響力のあるエコノミストである、と言っても決して過言ではないであろう。
アメリカの外交政策専門誌『フォーリン・ポリシー』は、ルービニ教授を世界で最も影響力のある100人の知識人の第4位に上げている。
ルービニ氏は純然たる学究肌の人物ではなく、現実の経済政策運用にも関係を持っており、多くの国の中央銀行や財務省にも広範な人脈を有している。
同氏の著作が昨年、日本でも刊行された。
『大いなる不安定
(CRISIS ECONOMICS)』ヌリエル・ルービニ、スティーブン・ミーム・共著、ダイヤモンド社・刊 2100円
※ 共著者のミーム氏は歴史学者である。
2) ミズラヒ・ユダヤ人としてのグローバルな視野
ルービニ氏の発言や行動をどのように評価するかは、今後の日本企業や日本政府にとっても重要なファクターになってくる。
同氏の思考経路を理解する為に、彼のバック・グラウンドを明らかにしてみよう。
ルービニ氏は自らを「グローバル・ノーマッド(地球的な遊牧民)」と称している。
彼は、確かにその履歴からして、グローバル・ノーマッドと呼ばれるにふさわしい人物であるが、最も注目すべきは、彼がミズラヒ・ユダヤ人であるという点である。
▲世界中のユダヤ人は、その出身地から主に、3系統に分類されている。
1.セファルディ、2.アシュケナジ、3.ミズラヒ、の3系統である。
1.セファルディは、西暦紀元前1世紀、スペインに移り住んだユダヤ人達の子孫である。
彼らは、コロンブスがアメリカ大陸に到達した1492年発令されたにスペインからの追放令により、地中海全域に離散し、その多くはトルコ帝国に移住する事となった。
コロンブスの第1回航海に参加した乗組員の約3分の1は、新大陸に新天地を求めようとしていたセファルディであったと言われている。
スペインを追放され、アジアに向かった一群のセファルディが存在した。
このセファルディの中には、後に大財閥となったサスーン家やカドゥーリ家がある。
彼らは、イギリス帝国の東洋進出と共に、インドを経てシンガポール、上海、香港に拠点を築いて財を成した。
セファルディの語源は、ヘブライ語で「スペイン」の事を「セファラド」と呼んだ事に発している。
2.アシュケナジとは、西暦9から10世紀にパレスチナからヨーロッパ、主にドイツを中心とする中央ヨーロッパへ移住したユダヤ人の末裔である。
彼らは14世紀以降、主に東ヨーロッパへ移住し、19世紀の半ば以降、北アメリカにも進出する事になる。
今日、アメリカに在住するユダヤ人の多くはアシュケナジである。
ちなみにアシュケナジとは、ヘブライ語で「ドイツ」を意味する。
また彼らの間で日常語として広汎に話されているイディッシュ語は、ドイツ語圏のユダヤ人が造り出した言語であろう。
3.ミズラヒは単純化していえば、イスラム教圏に拡散したユダヤ人である。
ヘブライ語で「東」を意味する言葉である。
彼らは原住地のパレスチナ地方から、東は現在のチリやイラク、イラン、アフガニスタンに渡る地域に拡散した。
名前に反して、西に向かったグループもあり、彼らは現在のモロッコ、アルジェリア、リビアなどの地中海南部地方に展開した。
一部はイエメンや南インドにも移住している。
ミズラヒは11世紀以前には、世界のユダヤ人人口の半分を占める程の多数派であったが、それ以降、勢力が衰退し、今日では3系統のうち、最も小さな集団となっている。
ミズラヒの居住地域は今日、その大部分がイスラム教圏となっている。
1948年のイスラエル建国以降、これらイスラム諸国では、ユダヤ人迫害が激しくなり、その大部分がイスラエルへ亡命している。
今日、この地域におけるミズラヒ共同体は極めて衰退しており、その中の最大のものが意外な事にイランに存在する約3000人のグループである。
ちなみに、イランの国会には、1名のミズラヒ・ユダヤ人の国会議員が存在する。
1979年のホメイニ革命以前、即ち、パーレビ国王時代に、イスラエルとイランは極めて友好的な関係にあった事は忘れてはならない。
▲ルービニ教授は、この珍しい、ミズラヒ・ユダヤ人の1人である。
彼は、1959年にトルコのイスタンブールでイラン系ユダヤ人の両親から生まれている。
2歳の時、家族はイランのテヘランに移住し、その後、同氏は大学を出るまでの教育を主にイタリアで受けている。
彼はイタリアのミラノにあるボッコーニ大学を1982年に卒業し、その後、ハーバード大学で経済学博士号を取得しており、現在はアメリカ市民である。
しかし、彼はその間、1年間、エルサレムのヘブライ大学でも勉学をしている。
彼はヘブライ語、英語、イタリア語の他に、ペルシャ語(イランの国語)にも堪能である。
その経歴からすれば当然のことであろう。
▲そもそもルービニ氏は、発展途上国の経済の専門家である。
彼がリーマン・ショックに始まるアメリカ金融危機を予測できたのは、それ以前における発展途上国経済のバブル発生と崩壊のパターンをよく研究していたからである。
つまり、「過剰な外国からの借り入れによる経済のバブルが発生し、そして崩壊する」という発展途上国の失敗を、より巨大な形で繰り返そうとしているのがアメリカ経済である。
ルービニ教授はそのような単純なアナロジーを直感して、アメリカ経済の破綻を予測したのであった。
▲先進国経済のみに偏らない、途上国経済をも見渡す広い視野が、同氏の予測の根底を支えている。
これは正に、ミズラヒ・ユダヤ人としてのグローバル・ノーマッド的な視野が彼の長所となっている事を物語っている。
3)米・民主党系エコノミストとしての強み
ルービニ氏の強みの1つは、氏がアメリカ民主党に広い人的ネットワークを持っているところである。
彼はIMFからFRB、世界銀行、更にイスラエル中央銀行等で幅広く経済政策の実践的な研究を行なってきた。
また、米・ビル・クリントン政権の時代に、シニア・エコノミストとして大統領経済諮問委員会に加わり、後に米財務省に移っている。
この時に、国際問題担当財務次官であったティモシー・ガイトナーのアドバイザーとなっている。
ガイトナーが現財務長官である事は言うまでもない。
彼と民主党クリントン政権を繋いだのは、ハーバード大学のラリー・サマーズ教授とジェフリー・サックス教授の2人である。
共に、ユダヤ系で民主党支持のエコノミストであり、現実の経済政策とも深い関わりを持っている。
ルービニ氏自身、この2人が自分のロール・モデルであると公言している。
▲ルービニ氏がマスコミの注目を集めている理由の1つには、明らかに、氏が米民主党系のエコノミストであり、現ガイトナー財務長官と親しい事があげられる。
そればかりでなく、彼は自らコンサルティング会社も経営しており、(http://www.roubini.com/)
先進国は元より、発展途上国の中央銀行や財務省関係者にも幅広い人脈を有している。
理論家であると同時に極めてジャーナリスティックなセンスを持ち、極めて行動的な人物である。
統計数字で全てを判断するのではなく、当該国に赴き、その国の雰囲気や現場の感覚を十分に重視しながら判断を下すというのが彼のスタイルである。
加えて、彼はニューヨークでも有名な社交家であり、ジャーナリズムやマスコミとの関係も極めて巧みにマネージメントしている。
これが彼のマスコミ露出度が急上昇してきた陰の理由でもあろう。
▲ルービニ氏は、ユダヤ系ではあるが、ネオコンのような視野の狭いタカ派ではない。
自ら言うように、グローバル・ノーマッド(地球的な遊牧民)として、極めて広い視野を持ち、発想も柔軟である。
イスラエルに居住した事もあり、イスラエルへの忠誠心はあるが、極端なタカ派ではない。
エコノミストとして、コンサルタントとして、アラブ諸国やイスラム教国とのリーダーとも、話し合いの出来る人物である。
そして、発展途上国の現実にも精通している。
今日、グローバルな経済の予測を行なう為には、途上国の経済的現実を熟知している事が不可欠である。
また、米民主党に深い人的ネットワークを持ち、オバマ政権やFRB中枢とも良好な関係にある。
以上のような点を総合的に考えれば、彼がアメリカのマスコミの寵児となった事には容易に納得がゆく。
彼の発言は上記のようなファクターを全て統合した形から生まれて来る。
▲彼がイラン系ユダヤ人を両親に持っており、ペルシャ語に堪能であるというのは極めて注目すべき点である。
イスラエルもアメリカも、今後、長い間、イスラム教諸国とは、好き嫌いに関わらず、関係していかなければならない。
経済面においても、国防面においても、アラブと一線を画しているイラン(ペルシャ民族)とトルコの動向は、極めて重要である。
謂わば、両国に土地勘を持っているルービニ氏の予測や見解は、その意味で今後とも極めて重要になって来るであろう。
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丹羽春喜先生の経済勉強会の直前に、先生に短い時間ですがインタビューさせて頂きました。(会場の廊下でのインタビューでしたので、少々暗いのですがお許しください。)
現在の世界経済情勢を展望すると、日米欧の先進国の三極が揃ってデフレ推進政策を実行しようとしています。
ヨーロッパは緊急経済への対応策としてIMF流の緊縮政策を取っています。
アメリカでは昨年11月の中間選挙における共和党の勝利で、オバマ政権は政府支出削減を決断せざるを得なくなりました。
日本では、財政再建派の与謝野氏の蔵相就任で、菅政権の増税策が実現されようとしています。
日米欧、それぞれの理由は異なりますが、三極とも揃って更にデフレを推進させる政策をとりつつあります。
つまり、このままでは世界経済は更なる大不況に突入してゆく事になります。まさに1920年のアメリカ大恐慌から引き起こされた1930年代の世界大不況の再現を見るような想いです。
今こそ日本は、丹羽春喜先生が主唱されているような正統なマクロ経済学に基く需要拡大策を取るべきです。
経済危機が深まるに従って、これ以外の選択肢は無くなって来たといってもよいでしょう。
国家の通貨発行権を用いたデフレ退治の有効需要喚起策を取る以外に、日本の不況脱出の道は存在しません。
現在の政策枠組みを維持してゆけば、後3年ぐらいで、予算を組む事自体が不可能になってくるでしょう。
経済政策の根幹は、需要と供給のバランスを実現する事にあります。
通貨はモノやサービスの交換の手段(媒体)にすぎません。
この2点さえ理解できるならば、丹羽理論による総需要喚起策が極めて正統的な経済政策である事が理解できるはずです。
世の中には「政府の通貨発行権」と聞いただけでこの中身を考えもせずにタブー視する人達が大部分です。残念ながら、官僚や政治家にもそういった人達が多くいます。
言い換えれば、マクロ経済学をまともに勉強していない人があまりにも多過ぎるというのが現状です。
虚心坦懐に丹羽先生のおっしゃる事に耳を傾け、その著作を読んで頂きたいと思います。
実は、「国家の通貨発行権を利用した総需要喚起政策」(丹羽理論)に対しては、ノーベル経済学賞のサミュエルソン教授やクルーグマン教授も賛意を表しているのです。
丹羽理論は一見、反常識的な奇策のように思われがちですが、まともな経済学者から見れば極めて当然の政策提案に過ぎません。
私も微力ながら、昨年の参議院選挙において、一候補者として丹羽理論の実践を訴えさせて頂きました。
政治家や官僚には早くこの事実に目覚めて頂きたいと思います。
※ 関係動画については、2010年1月31日公開のNET版CFGシンポジウムの【第二部・ケインズ革命の歴史的意義と丹羽春喜理論】の動画&ブログページ(http://www.gemki-fujii.com/blog/2010/000548.html)をご参照ください。
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TPPに私は大反対である。
一言でいえば、TPP加盟は日本の国益に反するからである。
少々詳しく言えば、第一に、日本の製造業の輸出促進には全く役に立たない(期待に反して)。
第二に、日本の農林業を更に荒廃する事は目に見えている。(花粉症ももっと酷くなるw)
第三に、加盟国間では人的移動が大幅に自由化されるので、知的労働者(医師等)を含む移民労働者一般の日本に対する流入が日本人の雇用を奪い、社会的問題を引き起こす事は目に見えている。
TPP交渉中の国家が9カ国と言っても、最大の相手はアメリカである。
TPPの名に隠れて日米市場を例外なく完全に経済統合しようというのがアメリカ側の隠された意図であろう。
日米間では製造業の貿易では既に自由化が進んでおり、TPPを締結しても、日本からアメリカへの輸出は増大しない。
アメリカ以外のTPP交渉国は皆、小国ばかりで、日本からこれらの国への輸出が急増する可能性も全くない。
既に貿易取引をしている国々ばかりである。
アメリカとの交渉でいえば、FTA(自由貿易協定)の締結に向けてジックリと国益を踏まえた交渉を続けていけばよい。FTAでは、例外措置等も許されるのである。
菅首相は突如、極端な対米依存を始めている。鳩山前首相が親中反米路線を取り、東アジア共同体推進等に走り、更に沖縄の米軍基地問題を散々に悪化させてしまった事への反動であろう。
しかし、アメリカからの圧力で闇雲にTPPを推進する事は、日本の製造業にも農業にも社会全体の安全の為にも全くならない。
「開国か、鎖国か」というのは全く誤まった問題提起である。
日本は貿易国家として既に相当の開国政策を取って来た。
現状維持でも鎖国をしているとは、とても言える状況ではない。
日本の国益を増進する為にどの部分を開国し、どの部分を鎖国して日本の国民の安全を守らなければいけないかを具体的に個々の産業分野ごとに厳密に考えていかなければならない。
既にWTO主導による貿易自由化一辺倒の流れは挫折しており、貿易の自由化が常に国益の増進に結び付くという1980年代までの過去の法則は最早、存在しない。
ここにきて前原外相が対北朝鮮交渉で怪しい動きを見せている。
又、アメリカ・サイドでも、菅首相や前原外相をおだててTPPを推進させようというような戦術的な動きがみられる。
ワシントンの日本専門家たちが次期首相候補としての前原外相に興味を示す事が多くなってきている。
これは明らかに前原氏を利用して、元来、反米親中の民主党政権に揺さぶりをかけようという動きであろう。
前原外相の側も、こういったアメリカの底意が分かっているのか、妙に最近、はしゃぎ過ぎの体である。
前原外相は、「北朝鮮との個人的なパイプがある」とアメリカ側にも明言しているようである。
日朝関係は、小泉首相の訪朝直前のような妖しげな雰囲気となってきた。
前原氏以外にも、拉致問題を一挙に解決しようなどという妄想に踊らされて動いている輩(政界ブローカー)が暗躍しているようだ。北朝鮮は前原外相のような単純な頭脳の持ち主が相手に出来るような存在ではない。
余計な火遊びは事態を益々悪化させるだけである。
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2010年年末から1月10日まで、アメリカの南西部からメキシコの経済状況を取材してきた。

そのレポートを2本の動画に収録しましたので、お届けします。
先ず、第一部は、アメリカについて。
YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=r8-bu0W8rvU
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm13318119
ロサンジェルス郊外と、ダラス郊外を取材したが、中産階級の住む新興住宅街に差押さえ物件の看板が乱立している。
この地域の友人を訪ね、経済状況をインタビューしたが、予想以上にアメリカ経済の実体は疲弊している。
実際に家を差し押さえられた人の声も聞く事は出来たが、現オバマ政権に対する絶望と批判の声は日々、アメリカ中に拡大している。
国民の疲弊は即、州や自治体の財政破綻に繋がっている。
自立財政が原則のアメリカでは、不況で税収が上がらなくなると、それが即、自治体の財政危機に繋がり、それが直ぐに公務員の首切りに結果する。
学校の先生や、警察官の数も減らされて、地域社会全体の荒廃が益々進む事になる。
このダメージが、アメリカ社会をボディーブローのように、益々消耗させている。
(デトロイト市では、既に長く町が荒廃し、切り詰められていたにも関わらず、財政難の為に、今年更に、公立の学校が半分に減らされる等、公共サービスのカットが目立つ。)
丁度、私が帰国の準備に取り掛かった1月8日にアリゾナ州のトゥーソンで、民主党の女性下院議員をターゲットにした銃乱射事件が勃発した。
一般の印象とは逆に、民主党のリベラル派で銃規制を強化すると思われていたオバマ大統領は、実は2009年に銃規制を緩和していた。
また、地元アリゾナ州でも2010年に更に銃の携帯に関する規制が緩和され、これが今回の銃乱射事件の伏線になっている。
銃を使った犯罪の蔓延は確かにアメリカ社会の宿痾である。
しかし、銃規制は日本人が考える程、単純な問題ではない。
個人の武装権を基礎に独立を勝ち取ったアメリカでは、個人の自衛権は国家秩序の根底を成す自明の権利であると考えられている。
銃を国民から取上げる事は、アメリカ社会では不可能である。
また、貧困層やマイノリティーの立場からすれば、犯罪から身を守る為に彼ら自身が自己防衛しなければならないという側面も存在する。
犯罪社会になればなるほど、弱者が自ら武装しなければならない必然性も存在するのである。
アメリカの経済社会の衰退の大きな原因が、企業の多国籍化である。
より賃金の安いところで製造を行なおうとすれば、先進国の産業はドンドン空洞化してしまう。
アメリカで起きた現象が、今後、日本を襲う事になるかもしれない。
多国籍化の1つの事例がGMである。
GMの多国籍化を知るよい資料として、マイケル・ムーア監督の「ロジャー&ミー 特別版 [DVD]
」という映画がある。ムーア監督はアメリカの左派、単純な社会主義者であり、私とは基本的な考え方が大きく異なるが、彼のGM批判にはうなずけるところが大いにある。
日本人の観点からすれば、トヨタがGM化しない事を望むが、そうならないという保証はどこにもないのである。
第2弾《メキシコ篇》
YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=cYuurGQrX00
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm13320860
メキシコの経済は全般的にはかなり好調である。
インドやブラジルなどと同様に、経済成長が順調に進展している発展途上国の1つがメキシコである。
かつてはドルに対して、常に弱い通貨であったメキシコ・ペソも、最近は対ドル相場では強含みである。
ラテン・アメリカ全体をカバーする工業基地として、メキシコ経済は浮上しつつある。
この為、先進国からメキシコへの投資も順調に増大している。
これを典型的に物語るのがメキシコにおける自動車生産である。

2010年全体では、メキシコの自動車生産台数は対前年度比で50%も増加している。
12月には、対前月比で17%の増加であった。
生産台数の8割以上が輸出にあてられ、メキシコにとっての貴重な外貨を稼ぎだしている。
アメリカでは落ち目のウォールマートもメキシコでは急速に成長している。
新しく誕生しつつある中産階級をターゲットにしたウォールマートの市場戦略はメキシコの国情にあった適切な成長戦略となっている。
順調に発展するメキシコ経済だが、残念な事にメキシコ市場における日本の製造業、特に電器、電子産業の比率は低下している。
日本メーカーに代わって、一番元気があるのが三星電子やLGなどの韓国メーカーである。
例えば、メキシコシティーの国際空港では、無料のインターネット・ステーションは全て三星電子の提供であり、三星の広告サインが林立している。
また、空港各所の液晶ディスプレイではLG製のモノが圧倒的に目立つ。
またデパートや量販店に足を向けても、日本メーカーの製品は片隅にあり、大きな売り場面積を占めているのが韓国メーカーの製品である。
1月6日からアメリカのラスベガスでは恒例のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーが開かれていた。
アメリカ最大の電機・電子の見本市であり、バイヤーはアメリカのみならず、中南米マーケットからも参加して来る。
この見本市に参加した日系メーカーの現地営業部員の意見を聞いてみたが、やはり韓国メーカーの勢いが日本勢を大きく凌駕していた。
恐らくメキシコ市場のみならず、中南米諸国や東南アジア等でも、同様の現象が起きているのである。
グローバル・マーケットを見た時、新しい中産階級として登場して来る、所謂、「ボリューム・ゾーン」の約20億人程の人口を考えれば、日系メーカーの韓国メーカーに対する劣勢は今後の日本経済にとって、大きな不安要因である。
メキシコ経済は順調ではあるが、メキシコを蝕んでいるものに2つの大きな問題がある。
第一は多発する犯罪組織による残虐犯罪であり、第二はメキシコ人の健康を犯している肥満の問題である。
多くの発展途上国においては、貧困こそが犯罪の原因となっているが、この図式は現在のメキシコに関する限り当てはまらない。
経済は順調に成長しているが、この順調な経済が寧ろ、犯罪組織を活性化してしまった感すらある。
メキシコの犯罪組織の主体は、麻薬カルテルである。
アメリカという麻薬や覚せい剤等の違法薬物の大消費地を北の国境にもつメキシコでは、アメリカへの違法薬物の密輸でダーティー・マネーを稼ぐ麻薬カルテルが複数存在し、彼らの組織間抗争が異常に残酷な犯罪を多発させている。
また一般人がこれに巻き込まれたり、また誘拐事件で一般国民が被害者となるケースも多い。
1月7日、8日には国際的観光地として有名なアカプルコ、その他で、数十人もの麻薬カルテル間による死者が発見され、なんとこの内、14体では頭部が胴体から切断されていた。
残念な事に、このような犯罪はメキシコでは稀ではない。
警察組織が麻薬カルテルに浸透されているので、メキシコのカルデロン大統領自身が軍隊を直接率いて、対麻薬戦争を宣言しているが、その実行はあまり上がっているとは言い難い。寧ろ残虐犯罪の増加が目に付くというのが現実である。
メキシコを蝕んでいるもう一つの病が国民の肥満である。
あるニュースで「メキシコがアメリカを追い抜いて世界一」というタイトルのニュースを読んでみたら、何と、国民の肥満度でメキシコがアメリカを追い抜いたという記事であった。
アメリカ人の肥満も大問題だが、メキシコがこれを上回っているというのが驚きである。
確かにメキシコに行って、周りを見渡してみると、肥った人が多い。
日本では太めの私でも、メキシコに行くと中肉中背くらいである。
メキシコは豊かな国ではないが、食料は安くて豊富に供給されている。
最貧層でも、飢えに苦しんでいないというのは、よい事だが、食料品の安さが肥満の一因にもなっているのは皮肉な事である。
発展途上国でありながら、肥満が国民病であるというのは、メキシコ独特の現象ではなかろうか。
これにはアメリカ的食生活の悪影響という事もあるだろう。
アメリカのフォースト・フード・チェーンがメキシコ全土を席巻しているといっても過言ではない。
また、コカ・コーラ―やペプシ・コーラ―などのソフト・ドリンクの飲みすぎもアメリカの悪影響の一つであろう。
順調に成長しているメキシコ経済ではあるが、今後この成長を阻む者があるとすれば、それは何よりも社会全体に蔓延する犯罪である。
あまりに犯罪が多発すれば外国企業もメキシコへの投資を躊躇するようになるだろう。
メキシコでもそうだが、昨年以来、異常気象が世界各地を襲っている。これが各地で食料生産に甚大な損害を与えている。
現在、分かっているだけでも、オーストラリア、ブラジル等の大穀物生産国で、大雨による洪水被害の為、食糧生産が大きく阻害されている。
今年以降、世界的に食料価格は更に上昇してゆくだろう。
TPPへの参加などによって、日本農業の基盤を破壊するのは正に日本国民にとっての自殺行為である。
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★ 藤井げんき・政治活動専用のアドレスが出来ました【 gemki.fujii7@gmail.com 】
【藤井厳喜Twitterサイト】(日夜、Twitterならではの活動のリアルタイム実況中継や裏話等もしています。)
https://twitter.com/GemkiFujii
★ Twitterと連動させる形で、Mixiと、その中で「藤井厳喜アカデミー」のコミュニティーを始めてみました。
皆様、新年、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
長い長いフライト、移動を経て、私は現在、メキシコにいます。
無事、メキシコシティーにて、元旦を元気に過ごしております。
(日本では、1月2日ですが、此方では現在、元旦の夜です。)
出国前に、YouTube映像用に、新年の御挨拶を収録させて頂きました。
是非、ご覧頂ければと思います。
【2011年、藤井厳喜より新年の御挨拶 ― 後半、地域猫の映像付き】
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=GOPIs1AB1jw
ニコニコ動画 : http://nico.ms/sm13196315
(※ どうぞ拡散ください )
日米欧の先進国経済は2011年、本格的な二番底に落ち込む事になるでしょう。
国際関係は、益々、群雄割拠の不安定な多極化に向かってゆくようです。
その中で、日本は他の民主国家と手を結びながら、よりよい世界秩序を構築するように努力していかなければならないと思います。
平成23年、日本をよりよい国にする為に、皆さんと力を合わせて頑張っていきたいと思います。
後半は、私が親しい、地元の地域猫さん達の様子を御紹介させて頂きたいと思います。
どうぞごゆるりと、彼らの愛らしい姿をご覧ください。
彼らはみんな、地元で愛されている地域猫さん達です。
猫さん達と共に、新年の御挨拶をさせて頂きたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。
※ 1月10日頃、帰国予定ですが、それまで今回も様々な都市を多く移動する為、連絡がつきにくい事があるかと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
↑ 好評発売中!是非、御感想をお寄せ下さい♪
「日本はニッポン!」特設ページ( http://www.sowa.ne.jp/nippon/ )も出来ました。
↑ 「無制限戦争(超限戦)」をまとめたこの著作は、情報戦争とアジア情勢の教科書として長く使える形を想定して書いたものです。通常の単行本3冊分のボリュームですが、是非、ご参照ください。
↑ 口蹄疫問題について、私もコラムを寄稿させて頂きました。
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