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追悼・立川談志

投稿日:2011,11,22

英語でTPPの危険性を発信しました。是非、英語圏の方々(特にアメリカの一般国民)にこの声が届くよう…、拡散に御力添えください♪》 
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【追悼・立川談志】

立川談志が逝った。
また世の中が少々淋しくなった。
個人的に面識があったわけでもないので、敢えて敬称は略させてもらう。

立川談志は勿論、優れた落語家であったが、それ以前に、彼は世界一の落語好きであった。

私の趣味から言うと、談志の話芸はあまり好きな方ではない。
落語は確かに上手かったけれど、私に最も印象的だったのは、この人が本当に落語が好きな「世界一の落語ファン」であったという事だ。

私には、彼の落語よりも、落語について語っている時の彼の方がはるかに魅力的であった。
かつての名人について語り、落語の凄さや素晴らしさについて語る時の談志は、実に生き生きとしており、落語を演じている時よりもむしろ輝いて見えたものである。

以前、こんなテレビ番組があった。
スタジオに大きく引き伸ばした落語家3人の顔写真が飾られている。
3人とは、圓生・志ん生・文楽の3人である。
立川談志が、この3人の大きなパネルに一人ずつ語りかけながら、落語の芸談をやるのである。
「ねぇ、志ん生師匠、あぁー火焔太鼓は良かったですねー・・・」
「圓生師匠、昭和の大名人でしたなぁー・・・」
といったような調子で、既に他界していた3人の名人に談志が語りかけるのである。

これが何とも素晴らしい番組だった。

この人が落語をどんなに愛しているか、という事がヒシヒシと感じられた。
同じ落語ファンとして、実に嬉しかった。

立川談志の名言に「落語は人間の業の肯定である」というのがある。
けだし名言ではあるが、付け加えれば、人間の哀しく卑しい業を肯定するばかりでなく、それをユーモアで軽く包んで笑い飛ばし、更に明日へ向けて前向きに生きてゆく勇気を与えてくれるのが落語である。
上質の宗教家の御説教や説法とは、そんなものであるが、落語は立派にそれと同じような役割を果たしている。


落語はシェイクスピアやモリエールの演劇に勝るとも劣らない日本人が世界に誇るべき立派な文学であり、演劇である。
(落語は一人芝居である)
日本人は凄い文芸を育て上げて来たものである。

アメリカやヨーロッパに、「スタンドアップ・コメディアン」というのがいる。
一人で出て来て、単発のジョークを繰り出し、謂わば日本の漫談のようなことをやる芸人である。
面白い事は面白いが、ストーリーのある話があるわけではないし、ようは「小話」の連続である。

しかも、スタンドアップ・コメディアンは、二度と同じ話はできない。
同じ話を聴いては、観客がしらけてしまう。
アメリカでは、ジョークを作る人と語る人は既に分業になっているようである。
スタンドアップ・コメディアンは、謂わば、江戸時代における落語家の原点のようなものである。

これに比べると、日本の落語が如何に凄いかがよく分かる。
古典落語のストーリーを、観客はよく知っているし、どこで笑わせ、どんなオチがあるかまで熟知しているが、その知っている話を上手に語るのが聴きたくて人は寄席に足を運ぶのである。
謂わば、シェイクスピアの古典劇や近松の古典劇を見るような具合である。

ストーリーテラーがその話芸だけで、プロフェッショナルとして飯を食ってゆくというのが落語の世界である。
こんなに多くのプロのストーリーテラーを抱えている国は、世界広しと言えども日本しか存在しない。

ドイツには、グリム童話を語る、プロの女性のストーリーテラーがただ一人存在するそうであるが、これはドイツにおいて落語家に匹敵する唯一の存在であろう。
日本には、古典落語というものが何百もあり、しかもそれを語るプロが真打ち以外を含めれば、何百人も存在しているのだから、日本は凄い国である。
「講談師」や「浪曲師」という語り芸の芸人さんたちを含めれば、もっとの数にのぼるであろう。

また、古典を語り続けるだけでなく、新作落語というものもあり、50年後100年後200年後には古典になるかもしれない新しい落語が今日も作られている。
これもまた素晴らしい事である。

一人何役もこなす落語家は、まさに超一流の俳優でもある。
自ら演出し、自ら演ずる一人芝居である。
しかも、使う小道具といえば、手ぬぐいと扇子だけで、これで人間生活の全ての場面を表現してしまうというのだから、恐ろしい程の芸である。
それだけに、下手な落語くらい聴いていられないものはない。
下手な芝居は見られても、下手な落語は聴けないものである。

ともかくも、そんな凄い落語の世界に惚れて惚れて惚れぬいたのが、談志というひとであったと思う。

落語の世界から、何かの間違いでこの世に生まれて来てしまった人が、また落語の世界に帰っていったというような感じがしている。

心からの御冥福を祈る次第である。





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【藤井厳喜: Gemki Art Talk】シリーズ《日本における"放浪の芸術家"の系譜》動画付

投稿日:2011,08,02

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【Gemki Art Talk♪詩・俳句・芸術】日本における"放浪の芸術家"の系譜[H23/8/2]

 YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=iPeC5SuJLwA 
 ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15196024 


 私は詩人であり、俳人であり、種田山頭火の句が大好きです。

山頭火は放浪の詩人として有名です。

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しかし、よく考えてみれば、俳句の元祖といってもよい、芭蕉自身が又、放浪の詩人であったわけです。
更に幅を広げて考えてみると、円空仏の円空や、山下清も放浪の芸術家であったことが分かります。

 芭蕉が尊敬していた先行者は西行ですが、西行もまた、放浪の詩人でした。

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日本には確かに、放浪の芸術家の系譜というものが存在します。

 「日本文化」というと人は直ぐに、コメ作りを中心とする農村共同体の事を思い浮かべます。
村落に定住した人の、コメ作りを中心とする文化は、確かに日本文化の基底を成すものです。
しかし、日本文化はそれだけではないはずです。


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 西行、芭蕉、山頭火と連なる、「放浪の芸術家」、西洋風にいえば、吟遊詩人の伝統というものも存在します。
単に詩人にとどまりません。

「自由民」として、都市や村落共同体を自由に行き交っていた多くの人々も又、日本の文化の一部です。
西洋におけるジプシーのような伝統から日本の能・狂言や歌舞伎という芸術も生まれてきました。
このような「自由民」の伝統もまた、日本文化の伝統の一部です。

 定住民と自由民にはそれぞれ果たすべき役割があって、お互いに、相手なくしては、十全の存在とは成り得ませんでした。
このような交流の中から、自由闊達な日本の文化が生まれてきたのです。

 そもそも「商人」というものも、元来は、自由民的な存在でした。
モノを流通させる人々は、必然的に移動しなければならなかったからです。
商業経済、通貨経済の発達にとって「移動の自由」は不可欠の要素でした。

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 それはともかく、こういった自由民、そして「放浪の芸術家」の系譜から日本文化を見直してみる事も必要であると思います。

固定したステレオタイプの認識にとどまるのではなく、自由な新しい発想で、日本文化を捉えなおしてみる事が必要でしょう。

そうすれば日本文化は意外に世界に向かって開かれた国際性と世界性のあるユニークな文化である事が分かると思います。

 今後も、不定期でこのような形のカルチャー・フリー・トークを続けたいと思います♪

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 ※ 映像の中でも御話ししました「黒門町句会」については、こちらのページをご参考下さい。
http://www.gemki-fujii.com/blog/2009/000432.html



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↑ 6月24日・いよいよ新刊発売決定!!

↑ 話の後編で取り上げました、ハンガリーの音楽家・バルトークさんのアルバムです。


↑ 今週6日から発売の私の最新刊です♪

↑ 久しぶりに『岡潔論』を語りました。



谷中、猫町、坂の町 ― 猫に優しい町と猫ART

投稿日:2010,09,29

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 「谷中、猫町、坂の町」と書きましたが、実は本当はこれは、「谷中、寺町、坂の町」なんですね。

最近は、「谷根千(やねせん)」とか呼ばれて、谷中・根津・千駄木の辺りは、気楽な下町の観光地、もしくは散歩コースとして人気があります。
東京の中でも、明治から昭和初期の戦前の東京のにおいを残している町です。

 「谷根千」などと呼ばれて人気が出る前から、私は、ここら辺をぶらぶらするのが好きでした。
如何にも東京の下町の雰囲気が残っていて、細い路地が縦横に発達している。

 そして、そういった路地には、多くの猫が生息しています。
勿論、飼いネコもいるのですが、地域共同体が何となく一緒に面倒を見ているというような猫達も多いようです。

「谷中・猫マップ」なる周到な取材に基いた猫地図本もシリーズで発行されているくらいです。

 美しい絵で実に詳細に、路地路地の猫の生態が描かれています。




 こういった地域を歩いてみると、実際、猫にとって住みやすい町は、人間にとっても住みやすい町である事が分かります。

猫に優しい町は、人間にやさしい町であるし、逆もまた真なり。

人間にやさしい町は、自然に猫に優しい町にもなるようです。

如何にも近代的な都市計画で出来た町とは、正反対の極にあるのが、谷中あたりで、関東大震災にも、大東亜戦争の戦災にも生き残ったような、旧い道筋と街並みが残っています。

そこに、「野良猫」ではない「地域猫」(地域の共同体の人達が一緒に面倒を見ている猫)が、悠々と暮らしています。

 近代主義的な防災の概念から言うと、こういった木造住宅の細い路地が、入り組んだ町並みは、地震や火災に大変弱く、近代的な都市計画が必要である、というような事がよく言われるのですが、住みやすさというものは、またそれとは全く別の事のようです。

 この地域の住民は、お年寄りも多いのですが、意外に若い人、又、欧米系の若い外国人が多く、住んでいます。
以前、日暮里の夕焼けだんだんのところで、まさに夕焼けを見ていたのですが、仕事帰りの白人の若者が多いのに、大変、驚きました。

 谷中辺りのごくごく日本的なアパートや貸家を好んで住む人達が多いようです。
六本木の高級マンションは、パリやニューヨークのそれと、大して違わないのでしょうが、本当に日本的な暮らしを味わいたいと思えば、谷根千の地域は、大変魅力的な居住空間を提供してくれます。

 この地域には、外国人を主にお客さんとしている昔風の日本旅館が何軒もあります。

世界的に見ても、猫が住みやすい町は、人間も住みやすい ― というのが、私の「都市理論」なのですが、これを最も実証してくれているのが、身近なところでは、谷中の地域だと思います。


 実は最近、「ネコウヨについて話を聴きたい」という海外の人からの問合せが結構、あります。

今回は、たまたま、東京在住のアラブ系のジャーナリストの方が、私の英語での発信を見て、「是非、ネコウヨについてインタビューして欲しい」と申しこんでこられました。

ネコウヨについて語るのは勿論、やぶさかではありませんが、どうせなら、日本の猫文化についても、より深く理解してほしいと思い、猫町である谷中の地域を案内したいと思いたちました。


 イスラム教の創始者・モハメッドが大変、猫を可愛がった、とかで、アラブの世界にも猫好きは多いようです。
イスラム教の寺院(モスク)には、猫は出入り自由ですが、犬は出入りが禁止されているようです。

猫は、ネズミを取り、食料を守り、伝染病を防ぐ等、人間に大変、役立つということも高く評価されているのは勿論、犬には狂犬病という恐ろしい病気があります。
特に、アラブ世界のような熱帯地方では発生しやすい病気で、今日と言えども、未だに根絶された訳ではありません。

どうやら、そんな事も有り、猫はモスクに入れても、犬はモスクに入れてもらえないようです。

外国人を案内したい、という事もあり、谷中地域でも、猫のいる上品なレストラン・喫茶店である、「猫町カフェ29」に行ってきました。

実は、カフェ29は、以前、本や雑誌で読んだ事があり、是非とも行ってみたい場所だったのです。

色々、取材の準備の打合せなどもしながら、食事とお酒を頂いて、大変、楽しい夕刻のひと時を過ごしました。

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 先ず、酒好きの私から言わせると、この店には、熊本の熊焼酎の美味しい銘柄が何種類も揃っています。
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加えて、食事が大変、美味しいのです。

それも、この御店でしか味わえない、熊本の食材を使った独自のお料理やお菓子が、我々の舌を魅了します。

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 お店の猫ちゃんは、室内に3匹、外に1匹ですが、皆んな、個性的で可愛いのは勿論、オーナー・ファミリーの家族の一員として、我々、御客さんを楽しませてくれます。

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 更に、この店に置いてある猫グッズが、誠にユニークで、質が高く、また種類も多い事に驚きました。
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店長兼、シェフは、上村賢士さん、店のマネージャー役とお見受けしたのが、そのお姉さんの上村美鈴さんです。
美鈴さんは、絵本の編集者・プロデューサーでもあります。

お店には、美鈴さんのプロデュースされた絵本が(猫以外のものも含め)何冊も置いてあります。

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猫を売り物にするというのではなく、美味しいレストランに自然に家族の一員として猫もいる、というスタイルの素敵な空間です。

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 人が、猫の頭をなでる事は多いと思いますが、この晩、私ははじめて、猫に頭をなでられました。

 私の頭を撫でてくれたのは、ダイちゃんという1歳の雄猫です。


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↓↓↓

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私の髪の毛のふわふわした感じが気に入ったらしく、何度も撫でたり、じゃれたり、カブッチョまでしてくれました。


 こういった場所に行っても、私は猫にはあまり媚びないで、自然体でお付き合いする事にしています。

大体、呼んでも直ぐ寄ってこない、というのが猫の本性で、
呼んで直ぐにやってくるのは犬です。

猫はそもそも、貴族的で気まぐれで、向こうが気にいった時にしか寄ってくれません。

こちらが自然体でいれば、猫の方は、ちゃんと猫族の人間を見定めて、向こうの方からやってきてくれます。

この信頼関係が、また、猫的で、実に楽しいのですね。

そんな事を、また実感できた夜でもありました。

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俳句と詩 ― 早朝のメキシコより「熟れ落ちて小庭を満たすライムかな」

投稿日:2010,09,06

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 秋冷や 薪裂く音の 響きけり


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 熟れ落ちて 小庭を満たす ライムかな

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 黄と熟れて 木より落ちたる ライムの実
   庭は満ちけり その色と香に 

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 森の秋 奥より聴こゆる 梟の
    声なつかしや  吾呼ぶが如 

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 背の高き僧 薪割れば禅院に
    音響きけりなほ深き秋

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漢俳・かんぱい〉

 漢文を五七五に並べて、俳句風の詩としたもの。
漢詩風の俳句とも言えよう。
わたしの場合は、平仄(ひょうそく)・韻律にこだわらずに作詞している。

  秋冷迫山頂
  白雲隠四方萬山
  客思馳千里

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「夜来風雨声 花落知多少(やらいふううのこえ はなおつることしるたしょう)」― メキシコより

投稿日:2010,09,02

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「夜来風雨声(やらいふううのこえ) 花落知多少(はなおつることしるたしょう)」


   春暁(しゅんぎょう) 

   春眠不覺暁 
   處處聞啼鳥 
   夜來風雨聲 
   花落知多少 

 
 丁度、『唐詩選』を繙いており、孟浩然の有名な「春暁」を読み終わったばかりの時に、似たような風情に遭遇した。

季節は初秋であり、場所はメキシコである。
しかし、この風情と「春暁」の詩の趣きは、極めて類似している。
漢詩の普遍性ということにも、思いを馳せた。

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 小さな庭だが、ブーゲンビリアが美しく咲き誇っている。
昨日は夕方から雷雨となって、風も随分、吹いた。
朝、目覚めると、花がどれほど散ったものか気にかかる。

 ブーゲンビリアの咲いている庭は、パティオ(中庭)を抜けた所にある。
母家からは直接見えないので、パティオのアーチ型の門を潜(くぐ)って自らの目で確かめに行った。

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 芝生の上一面に、ブーゲンビリアの花片(はなびら)が、目も鮮やかに散っている。
さ緑の絨緞の上に、真紅の花片が、ゆたかに散り敷かれている。

 惜しみなく、強(したた)かに散っている。

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 ブーゲンビリアの紅は、躑躅(つつじ)の赤をなお戦列にしたような色合いである。

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 【 朝芝や ブーゲンビリア一面に 散りて二色の 絨緞となる 】
                         厳喜 


 ブーゲンビリアはメキシコでは、四季咲いている花である。

七月・八月はメキシコでは雨期で、九月上旬にもよく雨は降る。
ただの雨ではない。
日本の夕立を数倍激しくしたような雷雨であり、豪雨である。
雷雨には時に雹が混じる。

以前、親指の頭ほどもある雹に降られて往生したことがある。


 扨、これ程、異なった環境でも、孟浩然の詩は感動を呼び起こす。
日本人なら「春暁」の詩が一番切々と感じられるのは、櫻が散る時期であろう。

散る花に、林檎や梨の花を連想する民族もあろう。

 鳥といい花というが、種類が特定されている訳ではない。
それ故、この詩は、春という季節から離れてすら、鑑賞が可能なのである。
(雨がほとんど降らないアフリカ・中東や中央アジアの乾燥地帯等を除けば、この詩は地球上多くの地域で観賞可能なのであろう。)

つまり、この詩には普遍性が備わっているという事である。
漢詩にはこのようにグローバルな「汎用性」があるものが結構、多い。

しかしここに、素晴らしさと同時に、問題も存在する。


 それは、自然描写が余りに抽象化されていることである。
それは唐代の孟浩然の詩において、そして李白や杜甫の詩においても、自然が既に抽象化された「モノ」として捉えられているという欠点である。

山といい、川といい、島といい、花といい、これらの言葉が、既にパターン化された記号としてしか機能していないのではないか。

つまり、自らの皮膚感覚で自然が捉えられていないという弱点なのである。


 さて、短所は短所として、しかし「春暁」が古今東西の名吟であることは認めなければなるまい。
この詩は五言絶句という形式で、五つの漢字が四行、つまり二十字の漢字だけで成り立っている。
題字を数えたとしても、たった二十二字である。
それで、これだけの内容が伝えられるのだから大したものである。

  これにはやはり、漢字の力の凄さを感じない訳にはいかない。
漢字の力の中でも、特にイメージを喚起する力の強さである。


 日本の俳句は十七文字で成り立っていて、世界最短の定型詩であると言われている。
五言絶句の二十文字は、恐らくこれに継ぐものであろう。


 この詩の意味は単純なようだが、最後の一行には少々解説が必要である。

「花落知多少」は、「花はどれ程散っただろうか(分からない)」であり、「花は多少は散っただろう」ではない。

大体、日本語の多少は少ない方に重点が置かれている。
漢語の多少とは意味が違う。


『唐詩選・上』(新訂中国古典選・朝日新聞社・高木正一解説)によれば、

――― 「知」の字、その下に疑問詞をともなう時は、ほとんどこれを反語によみ、結局は「不知」の意味になること、詩にはしばしば見うけられる誤報である。

――― 多少は、どれほどという意の疑問詞。

 だそうである。


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 「花落知多少」の訓読は、「花落つることの多少なるを知らんや」と反語風に読み下すのが適当なのであろう。
漢語は所詮外国語、漢字に引かれていい加減に解釈することは、厳に慎まねばならない。


「春暁」を俗な日本語に訳してみた。


  春の眠りは朝知らず
  鳥の啼く声ここあそこ
  ゆうべ聞こえた風と雨
  花はどれほど散ったやら


 君莫(レ)笑。

 君笑うこと莫(な)かれ。


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絵本プロジェクト: 打合せ (2)

投稿日:2010,08,10

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 昨日に引き続き、砂澤さんと絵本の打合せ。

夕刻、私がよく散歩する上小岩新水緑道を案内させてもらいました。
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 北海道のスケールの大きい自然を見慣れた砂澤さんの目には、東京の下町の散歩道は、ユニークで興味を引くものだったようです。
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  新水緑道を歩くと今は、百日紅(サルスベリ)の花の盛りですが、百日紅は北海道では見かけない花だそうです。
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百日紅はインド原産で、元来、暑いところを好む樹木なので、北海道にないのは当然なのでしょうが、そんな話も私には小さな発見でした。
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   下町の地域猫も、砂澤さんには珍しい存在(光景)だったようです。
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北海道は元来、寒冷地である上に、保健所による野良猫の処分が厳しいそうです。
下町の地域猫の話しも、大いに盛り上がりました。

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 砂澤さんに贈った一句。

【 積乱雲 越えて北より 来たる人 】   厳喜 

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絵本プロジェクト: 打合せ (1)

投稿日:2010,08,09

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 北海道の自然をテーマにした絵本をただいま企画中です。

   北海道の自然を守り、特に北海道の水源地の買い占めを防ぐ為に考えられた絵本です。

人間と自然の関係(特に水源の問題などについて)、土地・国土問題、動物たちとの関係について根本的に問い直す為の絵本です。

絵は、私の友人であり札幌在住の工芸家であり画家の砂澤陣さんにお願いしています。
(※ 砂澤陣さんHP http://www.bikky-sunazawa.com/2009/top.html )

今日9日と10日は、本の基本的コンセプト(世界観等)について、様々な角度からゆっくりと話し合う予定です。

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 砂澤さんの動物の絵は、優しさと同時に厳しい自然を見る確かな目に支えられています。

 (※参考: 砂澤さんのデッサンのページ http://www.bikky-sunazawa.com/2009/products/dessin/dessin.html )


 彼の絵と、私の詩がどんな新しい世界を創りだすか、私自身が多いに楽しみにしています。

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俳句 ― ロバにまたがり (大岡山の夏祭りをロバと散歩)

投稿日:2010,08,06

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 大岡山で友人がお花屋さんをやっています。
ロバと一緒に、夏祭りの夜、このお花屋さんにお邪魔しました。

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 夏祭り ロバと歩めば 和やかに 

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 メキシコに行くと、幹線道路の脇道を、ロバがトボトボと荷物を運んでいる風景に出会う。
メキシコの田舎では未だにロバは重要な家畜である。

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夏の夜や ついにはロバに 笑わるる

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横浜で音楽ティーパーティー「クラシックとシャンソンと日本の未来を語る会」

投稿日:2010,06,11

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私が今日・どこで何に参加しているか?今、何を考えているか?、ご興味の方は是非、御気軽にご参加「フォロー」ください。)


 私の友人である松田学さんと、かねてから計画していた音楽ティーパーティーを、本日、午後6時から岩崎学園ゲーテ座ホールで、開催させて頂きました。



 音楽の演奏を交えながら、日本の明るい未来について語りあいました。


当日のプログラムは以下。
【クラシックとシャンソンと日本の未来を語る会・プログラム】

18:00   オープニング挨拶

18:05から 藤井げんき&渡辺めぐみ(弾き語り)
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     1. しゃぼん玉にのって 
     2. 汚れてしまった悲しみは 
     3. 黒猫 
     4. ゴロンドリーナ・風燕 

18:25から 松田まなぶ&ゆみこ(チェロ&ピアノ)Part1 
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     1. ショパン/ノクターン遺作・シューマン/トロイメライ 
     2. サン・サーンス/白鳥
     3. エルガー/愛の挨拶 

18:45から (休憩) ティータイム 

19:15から  松田まなぶ&ゆみこ(チェロ&ピアノ)Part2
     1. ベートーヴェン / チェロ・ソナタ1番1楽章
     2. クライスラー/ロンディーノ 

19:35から  藤井げんき&星野SHOKO(シャンソン/ピアノ:中村豊)
     1. 桜んぼの実る頃 
     2. アモーレ 
     3. 君触れし
     4. 愛の讃歌 

19:55から   日本の将来について語り合うトーク・ディスカッション 

20:25から  クロージング挨拶 



 今回、演奏されたのは、全て、私が作詞ないし訳詞した作品です。
オリジナル曲の作曲は、第一部に登場された渡辺めぐみさんによるものです。
皆、私のお気に入りの曲ばかりです。

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 今日、私が一番聴いて欲しかったのが、「愛の讃歌」でした。

大変、好評の内に終わる事が出来ました。

また、休憩時間(1部と2部の間のティータイム)では、多くの方々と親しくお話しをする事が出来て、大変楽しいひと時でした。

ティータイムがもう少し、時間が取れればよかったのですが…。
ゲーテ座ホールの閉館時間という制約がある為、残念な事でした。


松田さん夫妻の音楽(奥さまがピアニストで、松田さんがチェロ奏者)のハーモニーの素晴らしさには感動しました。
また、お嬢様が譜面めくりを担当されていて、家族揃って和気あいあいの羨ましいムードでした。








1部の松田学さんご夫妻のチェロ&ピアノPart1 







第2部 松田学&ゆみこ(チェロ&ソナタ)Part2
1.ベートーヴェン / チェロ・ソナタ 1番1楽章 





藤井厳喜&星野SHOKO(シャンソン / ピアノ:中村豊)
 さくらんぼの実る頃 (藤井厳喜:訳詞)
 アモール(藤井厳喜:訳詞)


「君触れし」 オリジナル曲(藤井厳喜:作詞、渡辺めぐみ作曲)


(語り部分途中から) 藤井厳喜・訳詞「愛の讃歌」



【藤井厳喜&松田学】トーク・ディスカッション「日本の未来を語る」




 トーク・ディスカッション・タイムでの松田さんとの対談では、子供手当や、民主党の事業仕分けが如何にナンセンスであり、国民経済の観点から無意味な事であるかを、指摘しました。

(質疑応答タイム)



 松田さんとは、引き続き、こういったテーマについて対談をしたいと思っています。





【イベントのお知らせ】

(1)  6月16日「藤井げんきと語り、励ます会」お知らせ

日時: 6月16日 午後7時開演 (午後6時受付開始)
会費:1万円 (当日受付可)
場所:青山ベルコモンズ9F
   クレイドル・ホール (03-3475-8123)
http://www.bellcommons.co.jp/rentalhall/access/index.html 

 〒107‐0061 東京都港区北青山2-14-6 
行き方: 東京メトロ・銀座線外苑前下車3番出口徒歩2分

※ ゲスト多数予定

問合せ先:藤井厳喜事務所 (事務局担当:石蔵)
mail: info.cfg.future@gmail.com 
Fax: 03-3650-7873 

※ この催しは、政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティーです。

 従来の「政治家を励ます会」ではない、全く新しいスタイルのパーティーを企画しています。
若い人達が気軽に集えるような場所と雰囲気で、日本の明るい未来を語りたいと思います。

ゲスト多数の中には、日本大好きなラップ・グループ、英霊来図も来てくれます。
私が、作詞した曲をこの日、御披露目できる予定です。
また、私の作詞、訳詩したシャンソンやオリジナル曲も、プロの歌手の方に歌って頂く予定になっています。

 どうぞお楽しみに。また猫ファンにも喜んで頂けるようなサプライズ企画も準備中です。
一人でも多くの方に御集り頂きたく願っております。

 どうぞ、このイベント情報を多くの方にお知らせください。

(2) 6月13日 そよ風緊急講演会・藤井厳喜先生「口蹄疫蔓延から見えてくるもの」

日時: 6月13日(日曜日) 18時30分(18時開場) ? 21時00分
※先着80名まで。

場所: 池袋芸術劇場 5F 中会議室

資料代: 1,000円

懇親会: 3,000円程度

連絡先 si-suzuki@nifty.com
   080-3704-6088 涼風 由喜子


(3) 呉竹会 藤井厳喜 講演会 (6/17) 

日時: 平成22年6月17日(木) 18時から
場所: 憲政記念館 
 地下鉄「国会議事堂前」駅 2番出口 徒歩7分、「永田町」駅 2番出口 徒歩5分
 都バス 橋63系統「国会議事堂前」下車 徒歩3分

講師:藤井厳喜(国際問題アナリスト)たちあがれ日本 参議院比例(全国区) 第7支部長
特別ゲスト:平沼赳夫(たちあがれ日本 代表)

参加費: 3,000円 

お問合せ: 呉竹会アジア・フォーラム  TEL 03-3556-3880 



※ 私への御連絡については、以下のアドレスにご連絡を頂ければ、チェックが遅れる事もございますが、必ず情報は全て拝読しておりますので、宜しくお願い申し上げます。
(いつも色々なご意見や応援を有難うございます。メールの量が連日、倍々増状態となり、更に外での活動が増え続けている為、全てのメールに個別返信が厳しい場合があります。しかし、色々なご感想を受け止め、大変参考にさせて頂いております。状況、ご理解頂ければと願います。← それでも全て拝読は必ずさせて頂いております。)


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 荒らし防止の為にも、映像をご覧になった後の、「★印での評価のご協力」を願えますと助かります。


★ 【ニコニコ動画「藤井げんきチャンネル」誕生! このチャンネルより、27日・北海道での口蹄疫問題講演会を実況中継!御登録を!】

5月27日北海道での口蹄疫に関する緊急講演の会場からの放送を第1弾の中継に致します。是非、御覧ください!
アイコンは、GemkiChannel-niko.icon ← 此方が目印!
 今後も、此方のチャンネルでは、私が気が向いた時に、皆さんに直接、話させて頂くような生放送チャンネルになる予定です。
是非、此方も合わせて、ご登録・御紹介ください。

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6月11日、日本で初めての本格的、音楽TeaParty♪♪ゲーテ座で開催!

投稿日:2010,06,05

★ MPJ - 『藤井厳喜の連載コラム』掲載中! 

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【作戦名『鳩撃ち猟』続報2 猟師募集と実行手順について・応募署名PDF付
【★お願い! DLした用紙は、両面印刷では法律文書として不可扱いとなってしまいます。 必ず、一枚一枚の印刷を宜しくお願い致します。
※ 鳩撃ち告発状 DLページ
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 既に、ブログやメルマガで御知らせさせて頂いております通り、6月11日、日本では初めて?の本格的な音楽ティーパーティーを開催します。

松田学さんのクラシックと、私が作詞したシャンソンやポピュラーをコラボレーションさせての、楽しいティーパーティーになります。

音楽を通じて、政治も語るというのが、趣旨ですが、会場も本格的なコンサート・ホールのゲーテ座という事で、全く新しい雰囲気でのティーパーティーとなります。

世相は暗い話題が多いのですが、科学や芸術においても、日本を超一流の世界のリーダーにするには、何が必要なのか。
明るい?前向きな話題を、松田学さんと、また出演者の皆様としてみたいと思います。

 民主党の仕分け作業などを見ていると、国民の精神が委縮し、こんな事ではとても一流の芸術家や科学者が生まれてくる環境が出来るとは思えません。

芸術や科学をないがしろにして、皆で額に青筋立てて、「我慢だ、我慢だ」と唸って一体、何になるのでしょうか?

より豊かな国とは、究極的には、より精神的に豊かな国でなければならないはずで、科学や芸術が栄える国であってこそ、強い国であり、また豊かな国とも言えるのです。
明るい展望を拓くような、楽しいティーパーティーにしようと一生懸命、企画を練っています。

私の方の出しものでは、特に、聴いて頂きたいのが、私が訳詞したエディット・ピアフの「愛の讃歌」です。



「愛の讃歌」については、岩谷時子さん訳詞の歌詞が有名ですが、これは、原曲の意味から全くかけ離れた内容です。
(日本語の詩それ自体としては、大変素晴らしいのですが…。)

私はこの曲に、長いナレーションを付けました。

それは、「愛の讃歌」がどのようにして生まれたかという劇的な物語です。

実はこの歌は、エディット・ピアフが、自分の恋人の死に捧げたレクイエムなのです。
(異説もあります。)

ピアフと彼の飛行機事故で死んだ恋人(マルセル・セルダン)の物語を歌の前の「語り」で表現しました。



2年ほど前に公開されたピアフの自伝的映画「愛の讃歌」は、この間の事情を実に見事に描ききっていました。


 私は、若い頃からシャンソンを聴くのが好きでした。

フランス語は、私の専門ではありませんが、日本語に訳されたシャンソンでも、かなり面白いものがいくつも有ります。
昔は越路吹雪さんがシャンソンを大分、日本化して歌い、大いに人気がありました。
私も彼女の「ろくでなし」や「愛の讃歌」は結構、好きだったのです。

やはりシャンソンには、演歌にない「救い」がある。
演歌は演歌で悪くはないけれども、悲しい時に演歌を歌うと、自分をドンドンみじめな境地に追い込んでいってしまうところがあります。
例えば、「枯れすすき」という歌など、その典型的なものでしょう。

これに対して、シャンソンには、自分の喜怒哀楽をどこか第三者の目から見ているという余裕があります。
哀しくても、ドンづまりにはいかないで、ドン底から空に向けてゆく空間があり、そこから青空が見える様な実感があります。

それが私が、シャンソンを好きな理由の一つです。

シャンソンでは、何よりも詩が重視されます。

詩を朗読しているうちに、音楽がついてきたというのが、シャンソンの本質でしょう。

つまり、最近の音楽と違い、メロディー主体ではない訳です。
これは、詩人にとっては大いに嬉しい事です。

不思議な事ですが、フランス人のほかに、古いシャンソンをこんなに一生懸命、歌い、大事にしているのは、日本人しかいません。

フランス以外でシャンソニエ(シャンソンを聴く酒場)が存在するのは日本だけです。
「愛の讃歌」につけた訳詞は、私の訳詞の中でも、恐らく最高の出来のものだと思います。

先日、武蔵中原での講演会の後に、この歌を披露してもらいましたが、大変好評でした。

是非、その歌詞で歌いたいと申し出てきたアマチュアの方もいらっしゃいました。

この歌を歌ってくれている星野SHOKOさんは、各地のシャンソニエで、この歌を歌ってくれていますが、多くの方の絶賛を得ているそうです。
間もなくこの曲のCDを発売するそうです。

星野さんは、フランスのシャンソン協会が発行するシャンソン歌手のディプロマ(資格)を持っている折紙つきの歌唱力をもった方です。
是非、11日には、「愛の讃歌」を聴いてみて下さい。



ニコ動: http://www.nicovideo.jp/watch/nm10475275 

【イベントのお知らせ】

(1) 音楽ティーパーティーSpecial 「クラシックとシャンソンと日本の未来を語る会」
 藤井げんき&松田学のコラボレーションによるコンサートとトーク・ライブ

 日時: 6月11日(金) 6時開演(5時半受付開始)
 会場: 岩崎学園ゲーテ座ホール 神奈川県横浜市中区山手町254(045-623-2111)
 交通: みなとみらい線-元町・中華街駅(5番)改札口(6番)アメリカ山公園口より徒歩3分

 会費: 5000円(予定) 詳細は近日発表。

 松田さんはチェロの演奏者で、奥様はクラシック専門のピアニストです。
御二人の演奏と、私(藤井げんき)作詞・訳詩のシャンソンを、お聴き頂きながら、二人で夢ある日本の未来を語ります。
 松田学(たちあがれ日本・神奈川県参議院選挙区第1支部 支部長)
 藤井げんき(たちあがれ日本・参議院比例(全国区) 第7支部長)

  問合せ先:藤井厳喜事務所 
 mail: info.cfg.future@gmail.com
 Fax: 03-3650-7873
※ この催しは、政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティーです。


(2)  6月16日「藤井げんきと語り、励ます会」お知らせ

日時: 6月16日 午後7時開演 (午後6時受付開始)
会費:1万円 (当日受付可)
場所:青山ベルコモンズ9F
   クレイドル・ホール (03-3475-8123)
http://www.bellcommons.co.jp/rentalhall/access/index.html 

 〒107‐0061 東京都港区北青山2-14-6 
行き方: 東京メトロ・銀座線外苑前下車3番出口徒歩2分

※ ゲスト多数予定

問合せ先:藤井厳喜事務所 (事務局担当:石蔵)
mail: info.cfg.future@gmail.com 
Fax: 03-3650-7873 

※ この催しは、政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティーです。

 従来の「政治家を励ます会」ではない、全く新しいスタイルのパーティーを企画しています。
若い人達が気軽に集えるような場所と雰囲気で、日本の明るい未来を語りたいと思います。

ゲスト多数の中には、日本大好きなラップ・グループ、英霊来図も来てくれます。
私が、作詞した曲をこの日、御披露目できる予定です。
また、私の作詞、訳詩したシャンソンやオリジナル曲も、プロの歌手の方に歌って頂く予定になっています。

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画家・平山郁夫の偽善と欺瞞

投稿日:2009,12,14

12月12日(土)午前中、NHKテレビ第1放送は、画家・平山郁夫の追悼番組を放送した。

題して「シルクロード・祈りの旅人」。

平山は、広島原爆の被爆者だそうである。
その被爆体験から、平山の「反戦平和」の祈りが生まれ、それが彼の画業の思想的基盤となった、というような話である。

平山郁夫と言えば、親中派の代表的芸術家であり、シナ共産党政権の御用画家といってもよいほどの存在である。
平山は、被爆者であるにも関わらず、シルクロードの地、東トルキスタンで被爆した多くのウイグル人の事は完全に無視した。

その偽善と欺瞞を許す事は出来ない。

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シルクロードは、平山の得意の画題であり、何度も彼は、シルクロードの地を訪れている。
彼が被ばく者であり、平和を祈るものであるならば、最も強烈にシナ共産党政権に抗議の声をあげなければならなかったはずである。
それどころか、平山は、ウイグル人被爆者に背を向け、「シナ共産党政権との友好」に精を出した。

シルクロードを題材としたテレビ番組で、NHKはシナ共産党政権と大きく癒着したわけだが、平山も同様の体験をしたのであろう。
また、NHKは、この為に、平山を生前から度々称賛し、ヨイショし、平山の宣伝係を買って出てきた。
謂わば、【シナ・NHK・平山】は、腐敗と堕落の蜜月関係を築いていたのである。

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平山の絵を、高価なものにしたのは、彼の竹下登元首相との関係であった。
田中角栄の後を継ぎ、日本政界の対中利権を一手に仕切っていた竹下登は、政治資金のやりとりに、平山の絵画を度々利用した。

平山のビジネス上の成功は、竹下に負うところが大きいと言われている。

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おそらく、平山をシナ共産党幹部に紹介したのは、竹下登なのであろう。

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【平山―竹下―シナ】というのも、1つの利権構造を構成していたわけである。

平山郁夫の絵を見ると、彼が大した画家でない事は歴然としている。
彼の絵は、本の挿絵やイラスト程度の底の浅いものである。
これを、「祈りの旅人」などと称し、彼の芸術に何か深いものがあるように持ち上げて見せたNHKの審美眼も噴飯ものである。

芸術家というものは、元来、人権や自由の侵害に最も敏感でなければならない人たちである。
平山はまさにその逆であった。

シナ共産党の独裁政治に平伏し、それによって弾圧され、虐殺された人々を一切、無視したのである。
悪しき独裁権力に跪き、その恩恵を被った最悪の芸術家である。
芸術家というよりは、「美術品ゴロ(“美術”ブローカー)」であったのだ。

平山は、シルクロードの美化に大いに貢献したが、彼のせいでかの地に赴き、それと知らず、原爆実験地跡を歩きまわり、被ばくした日本人旅行者も多数いるに違いない。
被爆者である平山が、新たな日本人被爆者を造り出していたのである。
それは被爆者がやってはならない事であったはずだ。

独裁政権の走狗となった平山郁夫は、【被爆被害拡大の死の案内人】ともなったのであった。








【緊急告知!】 12.15 習近平シナ副主席 訪日反対!天皇陛下会見強行反対!緊急街宣行動

12月14日(月)に来日が予定されている 習近平 シナ国家副主席 は、今年7月5日のウイグル大弾圧・虐殺の指揮者であり、将来、シナ共産党のトップになるだろうと噂されている人物です。
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シナ共産党という血塗られた一党独裁の政党の序列第6位という人物であるにもかかわらず、民主党売国政権は、「格」の大きく違う我が国の天皇陛下との会見を、要望されるまま、強引に決定してしまいました。
それも、小沢「朝貢」訪中団の北京訪問に合わせる形でのことです。

これは、単にシナへの隷属外交と言うだけでなく、我が国の皇室の尊厳を貶め、天皇陛下に対する許し難い「不敬」「無礼」であり、私達は日本国民として、この売国行為や皇室不敬行為を見過ごすわけにはいきません。

そこで、緊急行動になりますが、天皇陛下との会見が予定されている 12月15日(火)朝 より、緊急街宣行動 に立ち上がることとなりました!

これは今、何としても立ち上がらなければならない事です。

血塗られた共産主義者と天皇陛下の会見強行に断固として抗議し、国民の怒りと意志を、売国政治家とシナ共産党に知らしめるべく、多くの草莽の皆様のご参集をお願いいたします!



12.15 習近平シナ副主席 訪日反対!天皇陛下会見強行反対!緊急街宣行動
日時: 平成21年12月15日(火) 9時00分から12時30分

場所: 東京駅 丸の内北口 前 日本生命丸の内ビル 付近 に集合

 ※ 旗やプラカード等の持参大歓迎!
 ※ チラシは こちら からダウンロード出来ます!

主催 草莽全国地方議員の会  TEL 03-3311-7810  
 チャンネル桜二千人委員会有志の会  TEL 03-6419-3900

私も、朝から必ず駆けつけたいと思いますので、是非、皆様のお力添え、そして一人でも多くのご参加を宜しくお願いいたします。
(緊急告知となりますので、これをご覧になられました方は、ブログやメルマガなどで、一人でも多くの方にお伝え頂けますよう、ご協力、宜しくお願いいたします)







【お知らせ2】藤井厳喜のトークが『NHK情報戦争.COM』の読者専用ページでポッド・キャスト形式で一部聴けるようになりました。

例: 









『古代ローマ帝国の遺産』展に想う

投稿日:2009,10,09


今日は、午後から上野の国立西洋美術館で催されている『古代ローマ帝国の遺産―栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ』を観に行ってきた。
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個々の美術品の感想はさておくとして、何よりも感じたのは、ローマが偉大な俗物の帝国であるという事であった。
美術や学問の独創性においては、遠く古典ギリシアには及ばなかったが、彼らは巨大な土木工事を行ない、壮麗な都市を建設し、普遍性のある法令による壮大な帝国統治システムを創り上げた。

当時のポンペイの住居がコンピュータ・グラフィックで再現されていたが、今日の我々の水準から見ても、実に羨むべき物質的快適さが保障された家屋である事に感嘆せざるを得なかった。
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VR映像はここのページでも見られます⇒ http://roma2009.jp/highlight/chapter6.html
(ここで寝椅子に横になって、葡萄酒でも呑みたかったなぁ…。)

私は酒好きなので特に酒器の精巧なものに目を奪われた。
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当時のローマ市民は極めて高いレベルの物質的生活を享受し、それは恐らくは20世紀におけるアメリカ文明の物質的繁栄にも匹敵するものだったのではないだろうか?


現在、この時点で古代ローマ帝国の遺産を見ると、どうしてもローマ帝国とアメリカの間のアナロジーに想いを致さざるを得ない。
アメリカは間違いなく現代のローマ帝国なのであろう。
そして、そのアメリカ帝国が現在、衰退に向かいつつある事は確かである。

ローマ帝国の衰退、そしてかつての大英帝国の崩壊と比較する事により、今日のアメリカ帝国がどのように衰退してゆくかは、ほぼ想像する事が出来ると思う。
今日のアメリカにおいては、生産力の衰退にも関わらず、過度の消費が続き、これが帝国衰退の最大の原因となっている。
経済の衰退は当然、軍事力の弱小化をももたらす。
アメリカは最早、世界の警察官たる事に耐えきれなくなっている。
また、経済と軍事の衰退の更に根本的な原因となっているのは何よりも、アメリカ人の精神的価値の崩壊であろう。
アメリカを創り上げた強烈なピューリタン的精神は物質主義とあまりにも多様な移民の流入によって失われつつある、としか言いようがない。

ローマ帝国の崩壊と比較しつつ、今日のアメリカの衰退現象を見ると、オバマ大統領の位置づけもおのずと世情言われているのとは変ったものに見えてくる。
アメリカの上流階級がその指導性を失い、いわばどこの馬の骨ともしれない人間が大統領になったわけである。
これは黒人解放という点では前向きに評価される事であるが、多面からすればアメリカをリードすべきエスタブリッシュメントの衰退をも意味するのであろう。


 ローマは栄華を誇り、やがて衰退し、崩壊していった。
東ローマ帝国は長く持続はしたが、その文明は停滞したままだった。
滅んだ西ローマ帝国からはやがてヨーロッパの近代国家が産まれてゆくが、それには何百年もの長いプロセスが必要であった。

ローマは滅びても、その周辺にローマに匹敵するような、あるいはそれを凌駕するような大帝国が存在していた訳ではない。
ローマ帝国は崩壊はしたが、そこから中世のヨーロッパがスタートし、長い目で見ればヨーロッパ発展の基礎を築いた事になる。

しかし、アメリカの衰退はこれとは全く異なる国際的文脈の中で起ころうとしている。
アメリカに対抗する勢力には、EUのみならず、ロシアやシナといった、全く異質の帝国も存在する。
特にシナの帝国主義は最も野蛮な性質を備えており、これが拡大するならば、ヨーロッパ近代の人権や自由やデモクラシーといった政治的価値は全て否定されてしまうであろう。
つまり、アメリカ帝国の崩壊の後に来るのは、異なる文明圏の群雄割拠的な混乱の時代であり、特にシナ帝国の膨張主義はアジアにとって極めて危険な要素である。

  日本は、1つの独立した文明圏としての自覚を持ち、この現代のローマ帝国とも言うべきアメリカ帝国の衰退に如何に対処してゆくべきなのか?

単に国家戦略的なレベルのみならず、文明論的な視野からこれを考え、実行しなければならないだろう。


 本日観た彫刻の中で一番面白かったのは、『豹を抱くディオニュソス』であった。 これは、この展覧会のポスターにも使われている秀逸な作品である。
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豹の子供を抱いているというが、これがイタチかテンを抱いているように見える。
何やら不思議な彫像であり、怪しげな美しさを感じさせる。



今日の一句

何を抱く 上野の秋の ディオニソス 
            厳喜 






パウル・クレーと縄文的感性

投稿日:2009,10,05

 私の好きな画科の一人に、パウル・クレー(Paul Klee(1879-1940))がいる。
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クレーの抽象画を見ていると、私の中の縄文的感性が揺り動かされて、何か不思議な、また優しい気持ちになる。

 クレーの絵画は、ヨーロッパ的伝統の中では、謂わば絵画自体の崩壊した最後の到達点のような存在であると思う。
ヨーロッパのあらゆる絵画的技法が試され、その後に到達した極北の地点のような芸術である。
ヨーロッパの中の美的感性と論理が自己展開し、完成され、最後に自己崩壊してしまったようなその崩壊の形であるような、芸術とも言える。

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(※私の好きな絵 『子供の半身像』(1933))

恐らくは、クレーに与えた影響ということであれば、ヨーロッパから見えた近代以前のもの、すなわちアルタミラの洞窟の壁画やアフリカ黒人の原初的な芸術のようなものが考えられる。
しかし、私にはクレーの中にある根源的なもの、それは別の言葉でいえば「キリスト教以前のもの」更に言えば、「古典ギリシャ以前のもの」は、日本の縄文時代の感性に極めて近いもののように思われる。
縄文時代の巨石文化と極めて類似したものが、ヨーロッパのストーン・サークルのようなものに発見されるのは誰もが容易に気がつく事だ。
我々は、ヨーロッパの近代の華やかさに幻惑されて、キリスト教以前のようなあるいは、古典ギリシャ以前のようなヨーロッパの土着文化の香りに想いを致す事があまりに少ない。


しかし、例えばクレーの、『死と炎』『インスラ・ドュルカマラ』を見ると、私にはそれが縄文以外のものにはとても見えないのである。
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 (『死と炎』Tod und Feuer (1940) )

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 (『インスラ・ドュルカマラ』Insula Dulcamra (1938) )

また、クレーの「天使の絵」シリーズなどは、江戸中期の福岡の仙崖和尚の一筆書きの絵『お月さまいくつ』『猫の恋図』の世界観にも極めて似ているように感じられる。
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 (『お月さまいくつ、十八、七つ』 ※ 仙厓義梵(せんがいぎぼん)江戸時代後期の臨済宗妙心寺派の禅僧の作)
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 (『猫の恋図』) 


 萩散るや クレー、仙厓 呑むあたり   厳喜

 私の好きな二人の画家が、萩の散る野辺で酒を酌み交わしているという風景である。
クレーが酒をたしなんだかどうかは知らないが、仙厓は随分といけそうな口である。
どんなに楽しい会話が交わされることだろうか?

いや、そこに画帳の一冊も置いておけば、どんなにか面白い絵画の対話が成立していただろうか。
こんなことを考えるのが、私の楽園である。


日本で人気のあるクレーの数ある「天使の絵」にしても、私には縄文的感性の表現のように思われる。
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恐らくクレーの絵が非常に日本で人気のある理由はここにあるのであろう。

クレーは恐らくはあらゆる近代的絵画の思想と哲学と手法を吟味し、子猫のようにスルリと通り抜け、人間の「描く」という衝動の最も原初的な体験に出会ったのであろう。
それは意外に普遍的で所謂、民族の固有の文化や、文明圏の違いさえも超越しうる程に深い行為だったのではないか。

歴史家トインビーは、伊勢神宮をおとずれた時に、あらゆる宗教の底に存在する普遍性を私はここで感じる、と述べたが、クレーの絵を見ていると、あらゆる絵画の根底に存在するであろう描くという衝動の普遍性を私は感じるように思う。

パウル・クレーは、縄文土器を見た事があったのだろうか?
観た事があったとしても、なかったとしても、それは大した問題ではない。
本当の国際的な文化交流とは、単に外国のもの珍しいものに驚くのではないのは勿論、日本人の多くの様に外国文化の優越にひれ伏す事でも勿論ない。
また、いたずらに国粋的に独自の文化を外国に押し付けものであってもよいはずではない。
国際交流とは、お互いの文化や文明の根源を掘り下げる事により、その底辺に存在する共通の地下水脈的なもの、あるいは共通項を探し出し、そこから相互理解を進めるという事であろう。

またそれは、時に、ついには相互に理解できない要素を認識するという事でもあろう。

私が国際関係の研究をする時に常に心がけている事の一つは、そのようなことでもある。







「クラウド・ゲイト・ダンスシアター『WHITE ホワイト』」 を観て

投稿日:2009,03,05

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3月5日夜、ある機会があり、「クラウド・ゲイト・ダンスシアター『WHITE ホワイト』」 を観劇した。
はっきり言って、京劇の孫悟空をコンテンポラリーダンスに移し変えたような奇妙な舞台だった。

これは「アジア的」ではなく、「シナ的」である。
シナ的ケレンに満ちた舞踊である。

シナ武術的であり、シナ雑技団的であり、宦官的であり、超技巧的ではあるが、人為的見世物である。

霊性(スピリチュアリティ)が欠如しているが故に、これを芸術と呼ぶことは出来ない。
しかし娯楽(エンターテイメント)性にも欠ける、何とも中途半端な身体表現である。