本日ブログの終わりに岡潔先生著『日本民族の危機―葦牙よ萌えあがれ!』復刻・出版記念会のご案内を載せさせて頂きました。(Twitter拡散用パンフデータは此方→ http://twitpic.com/894g26 )是非、ご覧ください。
《英語でTPPの危険性を発信しました。是非、英語圏の方々(特にアメリカの一般国民)にこの声が届くよう…、拡散に御力添えください♪》
※ 藤井厳喜・新作『日本人が知らないアメリカの本音』(PHP研究所・1470円 8/6発売)、『超大恐慌の時代
』(日本文芸社・1680円 6/24発売)好評発売中。
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← こちらもUPの都度、随時更新してゆきます。是非、合わせてご活用ください。
岡潔先生著『日本民族の危機』2月18日・復刻記念講演会告知【藤井厳喜】
YouTube : http://youtu.be/QobdH9eEcLg
【岡潔先生著『日本民族の危機』復刻・出版記念会のお知らせ】
※ お問合せ、お申し込みは、(株)日新報道さま宛にお願いいたします。
Fax : 03-3431-9564 Tel : 03-3431-9561
E-mail : info@nisshin-p.co.jp
岡潔先生著『日本民族の危機―葦牙よ萌えあがれ!』の復刻・出版記念会を開催します。
日本が生んだ世界的数学者・岡潔先生(1901-1978)が他界されてから既に33年の光陰が流れました。
この間、日本はひたすらに亡国への道を疾走して来たように思われてなりません。
しかし希望の光もなしとはしません。
岡潔先生の著作が、数年前から再び人々の関心を呼び始めました。
岡潔先生の小林秀雄との名対談『人間の建設 (新潮文庫)』は数年に亘り、確実に版を重ねています。
岡先生の憂国の言葉は、今一度、暗夜をさ迷う日本人を導く強い光となって輝き始めました。
この度、岡家の御承諾を賜り、岡先生の代表的著作の一つ『葦(あし)牙(かび)よ萌(も)えあがれ』が、
『日本民族の危機:葦(あし)牙(かび)よ萌(も)えあがれ!』の新タイトルの下に、日新報道より再刊されました。
誠に時宜を得た出版と申せましょう。今こそ、岡先生の言葉にしっかりと耳を傾け、日本民族再興の指針と仰ぐべき時であります。
名著の復刻を祝い、以下の要領で出版記念会を催したいと存じます。
この出版記念会をして、岡潔先生復活の大きな機縁とすることが、私共発起人の願いであります。
この思いに賛同される一人でも多くの方々に、この催しに御参集賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
(発起人) 岩田温 遠藤留治 片山文彦 澤 龍 菅沼光弘 冨家友道 西尾幹二 西村眞悟
藤井厳喜 南丘喜八郎 宮崎正弘 横山賢二(アイウエオ順)
日時 : 平成24年2月18日(土)
講演会 午後3時から5時
懇親会 午後5時から6時半
会費 : 6,000円 (復刻本 1冊を含む)
場所 : 東京都新宿区新宿5-17-3 花園神社・社務所ホール

【申込み先】 (株)日新報道 東京都港区芝公園3-6-23
Fax : 03-3431-9564 Tel : 03-3431-9561
E-mail : info@nisshin-p.co.jp まで。
申込・必要事項
申込者氏名 (御家族でのご参加等、複数参加の場合は、人数も)
Tel
Fax
住所
e-mail
(早めに申込予約をお願い申し上げます。会場定員が100名の為、定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。)
← お知らせ: 『月刊日本(公式TOPにリンク)』10月号で、特別企画で竹田先生と脱原発対談を行わせて頂きました。又、『月刊 日本 2011年 11月号』
より、アメリカ大統領選ウォッチングについて、連載を開始する事になり、『月刊 日本 2011年 12月号 [雑誌]
』のTPP反対特集号では、ISD条項の危険性について詳細に解説しました。是非、ご参考ください。(私のパブリシティ・ページで寄稿記事の一部が読めます)
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【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846 ← 2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講まで全講座をまとめました。
■再生リスト2 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail :info.cfg.future@gmail.com
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世界経済は、いよいよビッグデータの時代に突入します。
「ビッグデータ」とは何かについては、既に、日本ではいち早く拙著『日本人が知らないアメリカの本音』等で紹介してきました。(アメリカの第二次ITバブルの政治的な仕掛けについては『超大恐慌の時代
』で述べています。)
また、AJERチャンネル等でも、度々、解説をしております。
単純に言えば、消費者のデータを大量に蓄積し、これを分析することによって、マーケティングに生かして活用してゆくというのが、ビッグデータの基本です。
このビッグデータ時代の覇権をめぐって、Googleとfacebookが激しく対立しています。

これは単に、一業界におけるライバル関係ということにとどまらず、明日の世界の在り方そのものを変えるような、企業間戦争なのです。
そして、その根底には、根本的に相容れない企業文化(コーポレート・カルチャー)の違いがあるようです。
(※ このカルチャーの違いについても『日本人が知らないアメリカの本音』4章に詳しいので、こちらを参照ください。)
ビック・データ覇権:グーグル対フェイスブック戦争【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/a6pTz7XjCPw
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16857559
具体的に言うと、インターネット業界に君臨しているグーグルに対して、様々な側面で、フェイスブックがその牙城を侵しつつあります。

第1は単純に広告費の面で、オンライン広告の市場310億ドルのうち、グーグルが約41%を占めていますが、これをフェイスブックが激しく追い上げています。
第2に、これはグーグルからの反撃として、2011年からフェイスブックに対抗する「Google+」というSNSが開始されました。
3番目に、フェイスブックが、広告代理店を使って、反グーグルキャンペーンの糸を裏で引いていたという事件が暴露されました。
4番目には、人材の引き抜きです。フェイスブックの最高幹部11人のうち、4人が元グーグル社員です。
企業内の各レベルに、グーグル出身の社員が、多数存在します。
フェイスブックとしては有能な人材を、グーグルから次々に引き抜いているわけです。
ちなみに、フェイスブックは1月25日頃、タイムライン機能の強制加入化を発表し、これに対しては賛否両論が飛び交っています。
さて、噂のフェイスブック社ですが、2月1日にIPOを申請しました。
いまのところ、4月から6月までに、ナスダックかニューヨーク証券取引所かのいずれかに上場される予定です。

IT企業としては、企業価値は、750億から1000億ドル(現在の為替相場で、5兆7000億円から7兆6000億円)になる可能性があり、米IT企業のIPOでは、過去最大規模の上場になるでしょう。
上場の主幹事が、最後の段階で、ゴールドマンサックスからモルガンスタンレーに変わったのも、1つの大きな話題でした。
モルガンスタンレーは、ネット関連企業のIPOでは、近年その調達額でトップの地位を占めています。
今回の事件は、最近におけるゴールドマンサックスの凋落ぶりを象徴するような事件でもありました。
主幹事が、ゴールドマンからモルガンスタンレーに変わった理由はいくつか推測されています。
第一に、COOを務めるシェリル・サンドバーグが、グーグル在籍時にモルガンスタンレー関係者と人脈を築いており、今回それが役立ったと言われています。
グーグルの上場は2004年で、当時は企業価値が230億ドルで、IT関係では史上最高の上場でした。
モルガンスタンレーは、サンドバーグ女史との人間関係をうまく使って、主幹事の地位を勝ち取ったのではないかと言われています。
又、ゴールドマンサックス社は、最近、様々な法律訴訟などを抱え、そういった面でも、イメージダウンを恐れるフェイスブック側から嫌われたのかもしれません。
更に、IPOがこの時期になった背景には、昨年末の時点で既に、フェイスブックの株主が、500人を超えていたという事実が存在します。
株主が500人を超えると、上場していなくても、財務情報の公開が義務付けられます。
どうせ、財務情報を公開するならば、IPOで財務的なメリットをも享受する方が得であると、ザッカーバーグCEOは決断したのでしょう。
今後、フェイスブックの収入源として最も注目されるのは、広告代金や、ジンガなどのフェイスブック上のゲームなどから得られる収入などではなく、寧ろ、「フェイスブック・クレジット」からあがる収入そのものであると専門家筋は指摘しています。
フェイスブック上場、そして最先端のテクノロジー関連株で賑わうアメリカの株式市場ですが、一方で、アメリカ経済は崩壊し、「第三世界化」しつつあります。
これもアメリカ経済の否定しがたい一面です。
崩壊するアメリカ:貧富格差と腐食するインフラ【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/WMJrnwpnIJw
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16857909
「第三世界化しつつある」とは、どういう意味でしょうか?
それには2つの意味があります。
第1は、貧富の差が拡大し、しかも、貧困層がさらに貧困化しつつあること。
第2は、教育を含む社会インフラが劣化していることです。
「第三世界」、つまり発展途上国経済の特徴とは、貧富の格差が大きく、また、教育を含む社会インフラが整っていないことです。

インフラとは、英語の「インフラストラクチャー」の略であり、公共的な基盤施設や設備のことを言います。
これが意味するのは一般に、
鉄道、道路、港湾、通信網、電力設備、上下水道、公演、病院、教育機関、公共集会施設、研究機関などのことです。
アメリカでは間違いなく、社会的インフラが劣化しつつあります。
かつてアメリカは、世界一のインフラを誇った国でしたが、修復・改善の為に、予算を投じてこなかったため、インフラがどんどん劣化してしまいました。

いくつか例をあげましょう。
1) アメリカ土木学会によれば、各分野のアメリカのインフラの評価の総合展は「A,B,C,D」の「D」ランクです。
2) アメリカの一部では、南北戦争時代の水道管を未だに使っている。
3) アメリカ東部では、エジソン時代に企画された送電網がいまだに使われている。
4) 輸送建設連合の交通事故調査によれば、年間に発生する交通事故による死者のうち、その53%、おそまつな道路状態が原因となっている。(年間約2万2260人と推定)
5) アメリカンの鉄道は、80年前よりもスピードダウンしている。現在、アメリカ国内で「高速列車」と呼べるのは、ワシントン、ニューヨーク、ボストンを繋ぐアムトラックの列車だけであるが、この平均時速は115キロでしかない。日本では普通の特急並みの速度であり「高速鉄道」とはとても呼べない。
6) アメリカに存在する橋のうち、4つに1つ以上が欠陥があるか、もしくは劣化しているとされている。
7) ブロードバンドのダウンロード速度では、2009年には、世界の第15位に落ちてしまった。
などなどであり、
これらのインフラの劣化が、アメリカ国内の雇用を更に脅かすものとなっているのです。
これは完全な悪循環です。
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本日は、いつもより少し早い目の時間にAJERチャンネルの収録に行ってきました。
時事問題解説として、2012年のオバマ大統領の一般教書演説について。そして2本目は、日本の復興計画についてです。
この収録を終え、大急ぎで、新橋駅頭で行われました、
たちあがれ日本の街頭演説会に行き、本日はその司会進行も手伝わせて頂きました。
![]()
こちらの街頭演説の様子は、また後日、ご報告させて頂きます。(↑写真は、当日、応援に来て下さった@hekian様のブログよりお借り致しました。)
是非、2本の動画を御覧ください。
オバマ米大統領一般教書演説【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/6M0jC23fs8E
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16795518
200兆日本復活大計画【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/uoAiP1HCzL8
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16795690
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《米大統領選:ロン・ポール候補の挑戦》
藤井厳喜(政治学者) 2012年1月19日出演1本目
先週に引き続いて、アメリカ大統領選挙で旋風を巻き起こしているロン・ポール共和党下院議員について解説したいと思います。
ロン・ポール候補の基本は「小さな政府」ですが、この「小さな政府」という主張は、アメリカ憲法から発しています。
そもそも、ロン・ポール議員は、リバタリアンと呼ばれる人々の1人ですが、そのリバタリアンの主張は、合衆国憲法に忠実な政治を行なうというところにあります。

その文脈から、議会の重視と州権限の尊重という主張が生まれてきます。
現代では、大統領権限が議会に対して大きくなりすぎているというのが、リバタリアンの批判です。
元来、連邦議会には、宣戦布告する権限や、通商法案を含む国際条約を批准する権限が与えられています。
ところが、ベトナム戦争以来の対外戦争において、これらの議会の権限は、無視されることが多かったのです。
議会の議決を経ないで、アメリカが戦争行動を行なう事に対して、ロン・ポール議員は強硬に反対しています。
又、自由貿易協定についても、議会が本来の機能を果たさずに、大統領府に過剰な権限を付与していることを批判しています。
また「連邦政府に対する州権限も、尊重せよ」というのがリバタリアンの主張です。
例えば、人工妊娠中絶についても、現在は連邦最高裁がこれを合憲・合法であると判断しています。
ところが、ロン・ポール議員によれば、そもそも連邦最高裁には、このような事に関して判断を下す権限が与えられていないのです。
ですから、ポール議員は、妊娠中絶には反対ですが、彼が主張しているのは連邦最高裁に違憲判決を出させることではなく、州レベルで中絶を非合法化することなのです。
マリファナの自由化などについても、ロン・ポール議員はこれを支持していますが、州に判断の権限をゆだねるべきである、というのが彼の主張でもあります。
ポール議員の非常に特色ある経済政策について、若干述べましょう。
彼は、現在のFRB(連邦準備制度理事会)の廃止を主張しています。
そしてFRBが行なっている管理通貨制度そのものを廃止して、金本位制に戻るべきであると主張しています。
中央銀行が、大銀行家と結託して、デモクラシーの大きな妨げになるのではないか、という危惧は、アメリカ合衆国が誕生した時から存在しました。

初代国務長官で、第三代大統領になったトマス・ジェファーソンは、当時の中央銀行である第一合衆国銀行の創設に反対しました。
彼は、フランス滞在が長かったのですが、ヨーロッパにおいて、銀行家たちが強大な経済権力をふるう現実を見て、それに対する警戒感を強めていたのでした。
また、第7代のアンドリュー・ジャクソン大統領も、中央銀行とつるんだ大銀行家たちの権力に強い警戒感を抱いていました。
第一合衆国銀行は、時限立法によって設立されていたため、一度、廃止されることが決定していました。
アンドリュー・ジャクソン大統領の時に、第二合衆国銀行を創設すべきであるという法案が出されましたが、ジャクソン大統領はこれを大統領権限で葬り去っています。
この後、1913年までアメリカには中央銀行というものが存在しなかったのです。
通貨上、若干の混乱は見られましたが、この間もアメリカ経済は順調に拡大・成長してゆきました。

大銀行家たちが、度重なる金融恐慌の再来を防ぐ為に、「最後の貸し手」として作ったのが、FRBでした。
このFRBが現代では、金本位制からも解放されて、自由に通貨を管理しているというのがアメリカの現実です。
ポール議員に言わせれば、金本位制でない通貨は、贋金であるということになります。
金本位性を復活させて、健全な通貨(サウンド・マネー)を復活させることが、健全な経済を復活させる第一歩であるとポール議員は訴えています。
ちなみに、金本位制を廃止したのは、ニクソン大統領で、1971年のことでした。
当時、医師であったロン・ポール氏は、この金本位制離脱のニュースに大きな衝撃を受け、これが彼が政界に入る大きなキッカケであったと本人は語っています。
現在、チャイナの経済バブルは間違いなく崩壊しつつあります。
その理由とプロセスについて基本的なことを解説したいと思います。
YouTube : http://youtu.be/nTcvuUEsqlE
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16738136
元々、チャイナ経済をけん引してきたのは、2つの成長のエンジンでした。
第一は、先進国への輸出であり、第二は国内の建設不動産投資です。

2008年のリーマンショック以降、先進国への輸出は著しく落ち込みました。
これで、2つのエンジンのうちの1つが、止まってしまったわけです。
そこで、リーマンショック直後に、共産党政権は4兆元(約57兆円)の巨大な不況対策資金を国内でばら撒きました。
この内、半分以上が、株式投機と不動産投機に向かいました。
2つのエンジンの1つである輸出がつぶれてしまった為に、もう1つのエンジンである不動産・建設(固定資本)投資のエンジンを、フルにふかそうとしたわけです。
これは、ある意味で、功を奏して、チャイナ経済は、大きく失速せずに、ある程度の成長率を維持することが出来ました。
ところが、需要以上の過剰な固定資本投資が行なわれた為に、不動産が著しく投機化し、バブル経済を生み出しました。
その結果、テナントが殆ど入っていない巨大なショッピングセンターや、入居者が1人もいない高層マンションがチャイナ中に林立する状態となりました。
又、一方で、バブル経済は必然的にインフレを生み出しました。
インフレによって生活が苦しくなった庶民は、チャイナ各地で抗議活動を行ない、この抗議が大衆暴動という結果となって表れています。
共産党政権は、インフレを抑止しようと一昨年来、引き続き、金融引き締め策を取ってきました。
金融引き締め策をとれば、物価上昇率は下がりますが、同時に不動産バブルの崩壊を早めてしまいます。
不動産バブルが崩壊すれば、チャイナ経済を引っ張ってきた唯一のエンジンがストップしてしまうことになります。
つまり、大不況と大失業の時代が到来します。
かといって、インフレを終息させなければ、各地で勃発する大衆暴動を防ぐことは出来ません。
今や、チャイナ経済は、進むに進めず、引くに引けない苦境に立っているのです。
つまり、どちらに転がるにしろ、現在まで膨らみに膨らんできた不動産建設投資を中心とするチャイナ・バブルが崩壊するのを、防ぐことはできません。

こういった状況を見据えて、欧米の対チャイナ投資は大幅に減少しています。
ところが、日本の経営者にだけは、この現実が見えないためか、日本のみが今、対チャイナ投資を増やしているのです。
共産党政権は、微笑外交で日本に誘いをかけ、日本経済から資本と技術をこのピンチの時に、出来るだけ多く、搾取・吸収しようとしています。
この現実に、日本の財界が気が付かないのが悲しいところです。
チャイナには、外国企業を自由に収奪する法的な枠組みが既に完成されています。
その中心になるのが、次の3つの法律です。
(1) 中国労働契約法 : 2008年1月1日施行
(2) 中国民事訴訟法231条 : 2008年4月1日施行
(3) 中国国防動員法(国家総動員法) : 2010年7月1日施行
これらの3つの法律を使えば、日本企業をいくらでも合法的に収奪することが可能です。
最終的には、企業そのものを国家が接収することも可能なのです。
残念なことですが、今後、チャイナ経済のバブルが崩壊し、不況が深まるにつれて、共産党政権による日本企業の接収や略奪が益々激しくなることでしょう。
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欧州版QE2で最悪の危機は去った(1)【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/K7e59E2UvRY
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16616049
ヨーロッパ中央銀行は、2011年12月21日、4890億ユーロの買いオペレーションを行ない、域内の銀行に大量の現金を供給した。

当日の為替レートでは、日本円にして約50兆円の資金が金融機関に供給されたのである。
これは、ユーロ圏の民間銀行が2012年に必要としている支払いの約3分の2に相当すると言われている。
この謂わば「ヨーロッパ版QE2(量的緩和第2弾)」によって、銀行の連鎖倒産という最悪の事態は避けることが出来た。
これをQE2と呼ぶのは、欧州中央銀行が2009年6月に、4420億ユーロの銀行への資金供給を行なったが、これを「QE1」と呼んでいるからである。

QE1の期間は、1年間に限定されており、銀行は既にその返済を全額終わっている。
この為、ECBは、過去のしがらみから自由にQE2を断行することが出来た。
市場に大量のユーロが供給されるので、当然、ユーロ安・ドル高・円高のトレンドが進行する事になる。
最悪の事態が避けられはしたものの、ヨーロッパの実体経済が冷え込むことは避けられない。
財政規律実現の為に、支出削減と増税が行なわれるからで、おそらく数年間はヨーロッパ経済は冷え込むであろう。
一方、ヨーロッパ各国の消化についても明るい見通しが生まれてきた。
ECBは、銀行に対して、期間3年と限定はしているが、必要なだけ無制限の資金供給を行なうと発表している。
又、政策金利を1.25%から1.00%に下げたばかりではなく、預金準備率を2%から1%へ引き下げている。
銀行は、ECBから大量の資金供給を受け、その資金で政府発行の国債を買うことが出来る。
ドラギECB総裁自身、民間銀行が国債を買うことの是非を問われた際に、「国債の購入は、本来の目的ではないが、それを禁止することは出来ない。潤沢な資金は、中小企業への貸し出しに向けてほしい」と述べている。
恐らく、本音はその逆で、大量の資金供給によって、民間金融機関が各国の国債を買い支える事をECBは期待しているのであろう。
つまり、ECBは直接、各国の国債をこれ以上は購入しないと冷たく突き放した形になっている。
ところが、民間銀行にECBは大量の資金を供給し、この資金で銀行が国債を買う事は黙認しているのである。これは単純に言えば「迂回融資」と言ってもよい。
ECBが民間銀行を利用して、各国の国債を買い支えていると言ってもよい。
しかも、イタリアやスペインなどに限って言えば、民間銀行がECBから借りる資金の金利は年率1%であり、国債の金利は年4から5%である。
つまり、民間銀行はこの金利差で十分に儲けることが出来るのである。
これによって銀行の経営を改善することが可能になる。
ドラギ総裁は、かのマキャベリの末裔だそうであるが、本音と建前を巧みに使い分けている。
ダブル・スタンダードを巧みに操っているともいえる。
何故、こんなことをするかと言えば、イタリアやスペインのような国の財政再建を促す為に、国民に心理的圧迫を加える必要があるからだ。
ECBが国債の直接購入をしないということで、イタリア国民、スペイン国民等にショックを与え、逃げ道を封じたうえで、コンセンサスを創りだしてゆこうという政治的術策である。
ヨーロッパ流のショック・ドクトリンと言ってもよいかもしれない。
一方、裏では、民間金融機関に潤沢な資金を提供し、最悪の事態を避ける手回しは怠りがない。
しかも、その資金で国債を買い支える事もできる仕組みになっている。
最も、財政再建が強行されるので、借換債はともかくとして、各国が新規に発行する国債の額は著しく減少せざるを得ない。
そこで、ECBが供給する資金に余裕ができるはずであり、それは民間企業への貸しはがし防止に利用されるという筋書きである。
最悪の事態である銀行の連鎖倒産は避けられたものの、ヨーロッパの実体経済が冷え込むのはこれからであり、ユーロ高という要因もあり、日本の対ヨーロッパ輸出は激減せざるを得ないだろう。
米大統領予備選予測(2)【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/uFOVhEQhVSQ
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16616242
2012年米大統領選の台風の目は、リバタリアンのロン・ポール下院議員である。

1月3日の共和党党員集会(予備選挙)の結果は、第1位ロムニー前マサチューセッツ州知事(得票率25%)、第2位サントラム上院議員(25%)、第3位ポール下院議員(21%)であった。
ロムニー氏とサントラム氏の差はたった8票であった。
この選挙結果には、少々の解説が必要である。
12月にアイオワ州で行われた各種の世論調査では、ほぼポール下院議員がトップに立っていた。
ポール議員の勝利を阻みたい共和党エスタブリッシュメント(党幹部)は、サントラム候補に投票を集中するように工作した。
サントラム氏は大きく出遅れていたが、妊娠中絶反対などで、宗教右派の受けのよい人物である。
ロムニー氏は、モルモン教徒という特殊なキリスト教の一派の為に、宗教右派からは嫌われている。
又、その主張には保守色が弱く、著しく中道的な色彩の強い候補である。
このロムニー氏も、はじめはアイオワ州での勝利を諦め、2番目のニューハンプシャー州に努力を集中していた。
ところが、ロン・ポール旋風で吹き飛ばされそうな形勢となり、12月に急遽、アイオワ州での活動に力を入れ始めた。
ロムニー候補は、12月にアイオワ州だけでテレビ広告に400万ドルを投じている。(ロン・ポール候補は173万ドル)
こういった複雑な選挙事情の結果が、1位ロムニー、2位サントラム、3位ポールとなって表れたのである。
サントラム候補は他の州での活動が遅れをとっており、よほどのビック・サプライズがない限り、予備選の過程で後退してゆくものと思われる。
ロン・ポール陣営は大いに勢いがついており、まるで勝利したかのようなポール下院議員の記者会見が行われた。
次のニューハンプシャー州の結果が楽しみである。

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新年あけましておめでとうございます。
本年も、宜しくご支援のほど、お願い申し上げます。
藤井厳喜
昨年は、東日本大震災が起きるなど、大変な年でしたが、今年も又、多事多難の年となりそうです。
国際関係では、「不安定な多極化」が益々進んでゆくでしょう。
その中で、米中対決構造が益々、エスカレートするものと予測できます。
経済的には、世界的に二番底となりそうです。
ヨーロッパでは、欧州版QE2を実施しているので、金融機関の連鎖倒産は回避できますが、政府には厳しい財政規律が要求されるので、景気は著しく落ち込むことでしょう。
2012年には世界各国で、重要な選挙が予定されています。
1月は台湾の総統選挙があります。野党・民進党が勝てば、台湾は独立を維持してゆく事になります。
与党の馬英九大統領が再選されると、チャイナによる台湾併合の危険性が増大します。
11月のアメリカ大統領選挙では、オバマ大統領の再選の可能性はかなり低いと思われます。
過去の経験則からいうと、7%以上の失業率では、現役大統領は再選に失敗しています。(2011年11月の失業率=8.6%)
日本では、消費税増税を強行しようとする野田内閣は行き詰まり、解散総選挙に追い込まれるでしょう。
政界再編が本格的に起こる年となりそうです。
産業界で注目すべきは、所謂「ビッグデータ」の本格的登場です。
2012年は、ビッグデータ元年として、人々の記憶に残る事になるでしょう。
為替では、ユーロ安、ドル安、円高が更に進行するでしょう。
特に、ヨーロッパでは、欧州版QE2で、ユーロを大量に市場に供給しているので、年初から急激なユーロ安円高が、進むことでしょう。
1ユーロは、前年末に100円を切って、90円台に突入しましたが、ユーロ安円高は更に続きそうです。
1ドルは、2012年内に「1ドル=60円台」を記録する事になるでしょう。金は、1オンス=2000ドル以上になるでしょう。
「1オンス=2000ドル」の時に、1ドルが70円ならば、日本市場では「金1グラム=約4700円弱」になります。
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【年末特番】天皇陛下のお言葉と東日本大震災(1)藤井厳喜・梅原克彦AJER
YouTube : http://youtu.be/rOw65lQNFGo
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16571285
3月11日に、東日本を大地震が襲い、またこれによって原発事故も誘発され、日本は大きな損害を被りました。
人々は、この大災害によって、衝撃を受け、周章狼狽していましたが、天皇陛下の国民に対する励ましのお言葉をいただいて、再建に向けて、雄々しく立ち上がってゆきました。
日本国の本来のあるべき国の形は、天皇陛下のもとに国民が団結する事です。
大きな国難に直面して、多くの日本人がこの日本のあるべき姿に覚醒したのではないでしょうか。
【年末特番】米中対決時代の到来(2)藤井厳喜・梅原克彦AJER
YouTube : http://youtu.be/WfAG5-XzqwY
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16571427
2011年、平成23年における国際政治上の大きな変化は、米中対決時代の到来でした。
アメリカは、イラクから撤退し、アフガニスタンからも引き上げようとしています。
中東の泥沼から足を引き抜くことができたアメリカは、自国を脅かす真の脅威は国際テロリズムではなく、チャイナの脅威であることに、ようやく覚醒したと言えるでしょう。
この転回点となったのは、2011年5月1日の米軍によるビン・ラーディン暗殺でした。
この事件によってアメリカとパキスタンの対立は決定的となりました。
元々パキスタンは、チャイナの同盟国でしたが、これによってパキスタン・チャイナ同盟とアメリカとの対決軸がハッキリと見えてきました。
アメリカは、チャイナ・パキスタン同盟と正面から相対峙する事になりました。
このアメリカの動きを見て、東南アジア諸国もインドも、大きく反中親米の方向に外交を方向転換しました。
その中でも、最も劇的な国家の進路の変更を行なったのは、ミャンマーでした。
ミャンマーは、軍事政権のもと、チャイナの属国化する道を歩んでいましたが、その危険に気が付き、自国の外交を一挙に「反米親中」から「反中親米」の方向に180度、方向転換しました。
ミャンマーの指導者たちは、国際情勢の構造変化に鋭敏に反応したのです。
彼らは日本の民主党政権の政治家たちよりは、よほどよく国際政治を理解しています。
【年末特番】米中新冷戦の中で:アジア情勢(3)藤井厳喜・梅原克彦AJER
YouTube : http://youtu.be/d6CDwogobf0
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16572480
ミャンマーのみならず、他の東南アジア諸国、つまりASEAN10か国も、概ね親米反中の方向に外交の舵を大きく切りなおしました。
米中対決は、サイバー戦争の領域では、既に開始されています。
地政学的に、米中対決の主戦場となるのは、南シナ海です。
チャイナは、南シナ海を自国の領海化しようとしています。
つまり、大中華帝国の内海化しようとしているのです。
これが成功してしまえば、東南アジア諸国は悉く大中華経済圏に編入され、東南アジア全体が、チャイナ帝国主義の支配するところとなってしまいます。
これが成功すれば、アメリカは「グローバル・パワー」ではなく、「リージョナル・パワー」に格下げされてしまいます。
ですから、南シナ海を公海として、自由主義国家のシーレーンとして防衛することは、スーパー・パワーであるアメリカにとっての生命線となります。
日本も、こういったシビアな国際情勢をよく理解した上で、国の進路を決定していなければなりません。
【年末特番】北朝鮮はどう動くか(4)藤井厳喜・梅原克彦AJER
YouTube : http://youtu.be/-7YWGCrqZpE
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16572590
北朝鮮が、指導者の交代によって、柔軟化したり、あるいは崩壊したりするような兆しは全く見えていません。
益々、先軍政治は強化され、軍中心の独裁体制が固まってゆくことでしょう。
若く未熟な政治家である金正恩は、金正日以上に、軍を優先して政治を進めざるを得ません。
核兵器は絶対に放棄しようとしないでしょう。
中東のカダフィーや、フセインに何が起きたかを知っていれば、なおさらのことです。
又、チャイナは、自らの衛星国家とも言うべき、ミャンマーを失ってしまったので、もう1つの衛星国家である北朝鮮は、より強力に引き付けておかねばなりません。
又、朝鮮半島が不安定な軍事状況になると、アメリカは台湾や南シナ海では動きにくくなります。
一度に2つの大きな軍事作戦を追行する事は、アメリカと言えども、極めて難しいからです。
その点でも、北朝鮮情勢と南シナ海情勢を連動したものとして、考えてゆくことが必要です。
中長期的に見ると、北朝鮮が、崩壊する可能性は十分にあります。
この場合、最も注意しなければならないのは、大量の難民が日本国を襲い、日本が経済的かつ社会的、大被害を受ける危険性です。
これに対して今から十分な危機対策を練っておかなければなりません。
北朝鮮の影響に関する詳しい解説は、昨夜、自前チャンネルの方で公開しました「金正日以後の北朝鮮情勢」 http://youtu.be/E6wGK2-sjN4
や、『超大恐慌の時代』P144以下をご覧ください。
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今週もまた、ヨーロッパ金融危機の続報を解説しました。
今回の番組は、内容が一部、連動している為、先週の私のAJER経済説動画「ユーロ危機をどう解決するか」「ユーロ危機と北朝鮮の崩壊」と合わせて御覧ください。
ヨーロッパ型QE(量的緩和)始まる(1)【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/3u7ElgZS4d8
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16558465
ECB(ヨーロッパ中央銀行)は、本格的な量的緩和を12月8日、9日のEU首脳会談の後に、開始しました。

現在、把握できているだけで、既に5000億ユーロ以上、つまり50兆円以上のキャッシュが民間銀行に供給されています。
ユーロ圏の民間銀行は、2012年に予定されている債務返済の約3分の2を12月中に、ECBから資金供給される事になりました。
この大胆な「ヨーロッパ版QE(量的緩和)」によって、2012年にEU内の銀行が、連鎖倒産する危機は完全に回避する事ができました。
ECBは、各国政府に対しては、「最後の貸し手」になることを否定していますが、民間銀行に対しては「最後の貸し手」になることを承認したと言えます。
この「QE」は、上限額は無制限ですが、期間は3年と限られています。
3年間に、民間銀行は経営を建て直さなければならないことになります。
12月28日の、イタリアの短期国債の入札は、成功裏に終わりました。

11月末よりは、約3%も低い金利で、イタリア政府は107億ユーロの調達に成功しました。
しかし、来年の春には、中長期債を900億ユーロも調達しなければならず、まだまだ正念場は続きます。
ECBの「欧州型QE」を利用して、民間銀行が自国政府の国債を買うことも可能になりました。
低金利でECBから資金供給を受けたイタリアの民間銀行は、イタリア政府の国債の購入をはじめているようです。

国債の金利の方が高いので、民間銀行は金利差を利用して、利益を上げることが出来ます。
イタリア政府は、イタリアの民間銀行の発行する債券の保証をしており、この債権をECBが買い取って、現金を民間銀行に供給しています。
ECBの金が、民間銀行を経由して、イタリア国債の購入に充てられているわけで、これは一種の「迂回融資」と言えます。
事実上、ECBがイタリア政府の国債を購入しているのと同じことです。
こういった「裏ワザ」を使って、重債務国の国債消化を助けていこうというのが、「欧州版QE」に隠された意図であると言えるでしょう。
民間銀行は、ECBから金利の低い資金を調達し、金利の高い政府国債を購入する。
これによって利益を上げる。
これは一般に、「キャリートレード」と言われるものですが、今回に限って言えば、「迂回融資」という言葉を使った方が、ぴったりきます。
何故、こんな手の込んだ事をやるのでしょうか?
それは、ECBが各国国債を必要なだけ購入すると言ってしまえば、重債務国の財政規律を打ち立てることが不可能になるからです。
重債務国の国民に、財政規律を納得させる為に、表向きは、ECBは各国国債の直接引き受けを拒絶しています。
経済的苦境にあえぐ重債務国の国民に、出血を強いる為の「政治的な芝居」と言えるでしょう。
重債務国の国民は、怨嗟の声を上げながらも、この政治的圧力に屈して、財政再建を受け入れざるを得ません。
一方で、民間銀行をつぶさないようにECBは期間3年で、無制限の資金供給を約束し、更にこの資金で民間銀行が自国の国債を買い支える事も許容しています。
謂わば「裏ワザ」「抜け道」を作った上で、表向きは厳しい財政再建の道を歩むという、2重路線です。
如何にも、ヨーロッパ的な狡猾な行き方とも言えるでしょう。
金融ワンワールド主義の挫折(2)【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/T73Z1Of_X2o
ニコニコ : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16558987
過去30年間ほどの間、進められてきた金融を中心とするワンワールド主義が挫折したのが2008年9月のリーマンショックでした。
今、世界の資本主義は、次の時代のルール作りに向かって、苦しんでいる最中です。

過去30年間、先進国の経済は、製造業中心からサービス産業中心に、大きく変質してきました。
サービス産業の中でも特に、爆発的な発展を遂げたのが、金融サービス業でした。
金融サービス業は、IT技術の発達、それと不可分の金融工学の発展、様々な金融デリバティブと呼ばれる派生商品の発生、等々の要素に支えられて、革命的な成長を遂げました。
金融サービス業にとっては、各国の金融規制を取り除いたグローバル・ワン・マーケットこそが理想です。
金融サービス業が中心となり、世界経済を「グローバル・ワンマーケット」「ワンワールド・マーケット」の方向に押し進めてきたのが、過去30年の最も大きなトレンドでした。
一方、製造業は、軽工業から始まり、低賃金や安い税金を求めて、発展途上国に再配備されてゆくことになりました。
先進国は、金融業に特化し、製造業は発展途上国に移転するというのが、これまた過去30年間の世界的なトレンドであったと言えます。
先進国と発展途上国が、相互補完的に、つまり車の両輪のように上手く経済発展をすればよかったのですが、現実はそうはなりませんでした。
ワンワールド主義は次のような構造的な問題点を生み出してゆきました。
1)先進国における中産階級の崩壊
製造業を中心とした良質の雇用が発展途上国に流出した為に、先進国の中産階級の数はドンドン現象してゆきました。
2)発展途上国における貧困層の最貧層へのシワ寄せ
低開発国は全体としては成長しましたが、社会の最貧困層の人々がこの経済成長に取り残され、経済難民化する傾向がありました。
3)先進国が低開発国を金融支配するようになってきました。
このシステムの中では、巨大な多国籍企業のみが利益を上げる事になります。
又、先進国マネーが、規模の小さな発展途上国経済に流入した場合、急激なバブルが発生します。
バブル崩壊の時には、流入していたマネーが「貸しはがし」され、先進国に急速に引き上げてゆきます。
この為、急激なバブル崩壊によって、低開発国は非常に大きなダメージを受けてきました。
こういった金融サービス業の行き過ぎによるワンワールド主義の最終的な結末が、リーマンショックであり、ヨーロッパ金融危機であったわけです。
行き過ぎた自由放任型金融グローバリズムをここで一度、しっかりと修正し、新しいルールを作ることによって、資本主義経済の新たな発展を目指すべき時にきています。
12月28日付のファイナンシャル・タイムズは、社説で、この新しいルール作りについて、3つの方向性を打ち出しました。
1) 大きくなり過ぎた金融経済を適当な大きさに戻す為に、金融サービス業への新たな規制が必要とされている。
2) 株主の利益を軽視し、経営者の利益のみを重視するような経営が行なわれてきたので、これを改め、企業統治を改善する必要がある。
3) あまりに偏った大企業・富裕層にのみ有利な税制が行なわれてきたので、税制をより公正かつ公平なものに是正する必要がある。
私は、これら3つの主張は、誠に正鵠を得たものであると思います。
2)の点については、株主を重視するのみならず、企業の従業員をも重視する方向で企業統治を改善する必要があります。
FT紙の社説は、過度に膨張しすぎた金融経済について警告を発しました。
これが最も重要な点でしょう。
リーマンショック直前の世界の流動性の状況を、表した図があります。

これは、私の『永久国債の研究』で引用したものですが、再びこれを、示しておきました。
流動性とは、お金と呼ばれているもの、金融資産と呼ばれているもの、と言い換えることが出来ます。
この「金融資産」と思われているもの(流動性)の中で、現金が占める割合は、僅か2%に過ぎません。
つまり、このパワーマネーと呼ばれる現金を、50倍に膨らませてしまったのが、世界の金融産業が創りだしたバブル経済だったのです。
この50倍のレバレッジ率をもう少し妥当なレベルにまで引き下げなければ、世界経済は再び、同じような金融恐慌に襲われる事でしょう。
明らかに行き過ぎて、暴走してしまった金融サービス業を原動力とするワンワールド主義を我々は、今こそ、見直すべき時です。
それは、決して社会主義の肯定や市場経済の否定ではありません。
資本主義経済、市場経済が、21世紀に健全に発展してゆくために必要な準備作業です。
英語で行った反TPPのスピーチを11月24日、UPしたところ大変好評で海外の多くの方から賛同の声を頂いています。より多くの人々に拡散したいので、皆様の御協力を宜しくお願い致します。
※ 藤井厳喜の英語でのTPP反対のスピーチの拡散に協力頂き、有難うございます。
引き続き、英語圏への拡散を宜しくお願い致します。。(特に英語圏、特にアメリカ)
Let's Get Rid of TPP !!Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
http://youtu.be/q2U2S7RWfNk
★ 又、こちらの反TPP署名ページの拡散、署名協力もお願いします↓↓

【STOP TPPA negotiations and take care of his own people instead of pampering greedy bankers and tyrant corporate America.】
ネット署名サイト⇒ http://bit.ly/tTu9nq (締切12月26日)
2万5千集まれば、ホワイトハウスから回答が貰えるそうです。 アメリカ人も日本人も署名参加中。
(署名の方法についての日本語・解説動画は⇒ http://youtu.be/5myXZFxYF4w 参照)

日米両方のTPP反対派の共闘が極めて効果的だということは、拙著『日本人が知らないアメリカの本音』でも強調し、書いてきたとおりです。
伝えれば反応率がいいにも関わらず、今、大きな問題は、「伝わり方が足りない事」です。(本当にネコ族の手を大いに借りたい状況です…!) 英語で発信される「日本の国益を考えて慎重派という声」が圧倒的に足りません。
そこで、日米のTPP反対派の共闘を呼び掛けたいと考え、自前のYouTubeチャンネルで、発信させて頂きました。
この動画を全力で 継続的に拡散したいと思っていますので、どうか皆様、御力添えをお願い致します。
これをご覧になった貴方のブログ、Facebook、Twitter等での拡散は勿論、特に英語圏のお知り合い、メディア、ブロガーさん等に、このメッセージのURL「 http://youtu.be/q2U2S7RWfNk 」 を御紹介ください。
海外での反対派の方々との連携、インタビュー、あるいはディベートなども大歓迎です!!
英語での公開討論なども、いつでもお受けするつもりです。(アポイントだけは取ってください。藤井厳喜メルアド⇒【 gemki.fujii7@gmail.com 】 )
ですので、もしこれをご覧になられた方のお知り合いで、私との討論(NET上等での公開討論等もOK)、情報共有、取材を希望したいという海外の方がいらっしゃいましたら、私のe-mailアドレス【 gemki.fujii7@gmail.com 】 を御紹介ください。
世界の「TPP反対活動家」と柔軟でオープンに、連携をしてゆきたいと考えております。
このようなスタンスでおりますので、是非、拡散への御力添えを何卒、宜しくお願い申し上げます。
Let's Get Rid of TPP !!
Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=q2U2S7RWfNk
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16262112
デイリーモーション: http://www.dailymotion.com/video/xmk8mg_let-s-get-rid-of-tpp-trans-pacific-partnership-destroys-national-economies_news
このメッセージは、TPPの問題点、内容、現在の状況等について、英語でNEWS解説を行ったものです。
趣旨は、日米両方の反対派に共闘を呼び掛けるものです。
現在のアメリカでの反対派の状況、オバマ大統領が、大統領選挙初期のころには、自分の選挙区の雇用や安全を脅かすから「NAFTA」さえも見直したいと、アピールしていたのに、スッカリ意見をCHANGEしてしまったということ等々、語りました。
特にアメリカ人に一人でも多く、この内容を知ってもらいたいです。
そして共闘して、TPPにストップをかけたいのです!
是非、海外の英語圏の御友達がいらっしゃる方は特に、フェイスブックやTwitterや、メルマガ等、あらゆる形で、このメッセージをひろめることに、どうか御力を貸して下さい。
TPPに対する、日本のごく普通の生活者の立場、反対派の声は、特に英語圏では殆ど報じられていません。
この声を大きくしたいという思いで、英語のスピーチを行いました。
是非宜しくお願い致します。
= 藤井厳喜 =
追記; お願い。私のYouTubeのこのページを立ち上げ、感想を書く欄に、「評価」のボタンがあります。 感想ボタンや評価のボタンにも協力頂けますと、とても助かります。
ちゃんと「荒らし」ではなく、冷静に呼び掛ける内容だと、検索エンジンに対してもアピールできるからです。宜しくお願い致します。
Let's Get Rid of TPP !!
: Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
《 Please carry this message to as many as possible! 》
Many Japanese are against T.P.P or Trans Pacific Partnarship.
However, Japanese mass media are promoting T.P.P.
The Japanese Association of Medical Doctors, The Japanese Agricultural Cooperatives and other organizations of trade are opposing T.P.P.
With T.P.P. only Multi- National Corporations (MNCs) gains profits at the cost of ordinery woking people.
That is the reality of T.P.P.
On behalf of the Japanese people opposing T.P.P. I'm addressing this message to people of both right and left of nations concerned.
Let's get united and get rid of T.P.P.
Please Sign Here♪ ⇒ 【STOP TPPA negotiations and take care of his own people instead of pampering greedy bankers and tyrant corporate America.】
https://wwws.whitehouse.gov/petitions/%21/petition/stop-tppa-negotiations-and-take-care-his-own-people-instead-pampering-greedy-bankers-and-tyrant/kMRyq2Xn?utm_source=wh.gov&utm_medium=shorturl&utm_campaign=shorturl
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より、アメリカ大統領選ウォッチングについて、連載を開始する事になり、最新号『月刊 日本 2011年 12月号 [雑誌]
』のTPP反対特集号では、ISD条項の危険性について詳細に解説しました。是非、ご参考ください。(私のパブリシティ・ページで寄稿記事の一部が読めます)
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■再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846 ← 2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講まで全講座をまとめました。
■再生リスト2 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
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《英語でTPPの危険性を発信しました。是非、英語圏の方々(特にアメリカの一般国民)にこの声が届くよう…、拡散に御力添えください♪》
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』(日本文芸社・1680円 6/24発売)好評発売中。
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← こちらもUPの都度、随時更新してゆきます。是非、合わせてご活用ください。
共和党大統領候補の支持率に関する、アイオワ州の最新の世論調査で、ロン・ポール候補がTOPに立ちました。(詳しくは、下の動画参照)

これは驚くべき結果です!! (*´∀`)ノノ
アイオワ州は1月上旬に最も早く、共和党予備選挙(党員集会:コーカス)が開かれる州です。
リバタリアンであり、共和党の中では、泡沫候補視されてきたロン・ポール下院議員が、他の候補を抑え、TOPに立ったことは、多くのアメリカ人にとって、全くのサプライズでした。
早くからロン・ポール候補に注目してきた私としては、大変嬉しい結果です!! ☆(∩´∀`)∩
ロン・ポール候補が2012年の大統領選挙の台風の目であることは間違いありません。
今回のAJERチャンネルでは、「ヨーロッパ危機を解決するには、本来、どうすべきか?」について論じました。
現在のEUの危機対策は、2本立てになっています。
各国政府に対しては、財政規律至上主義で厳しく望んでいますが、民間銀行にはECBから3年間の特別融資枠が無制限に設けられています。
民間の銀行は、3年の猶予期限付きで潰さないように支援するが、政府の財政赤字はドラスティックに切り詰めるというものです。
この程度の政策では、例えユーロは守れても、ヨーロッパが深刻な、かつ長期的な不況に陥ることは間違いありません。
それを、どうしたら回避できるかを具体的に提案してみました。
以下、2つの動画をご覧ください。
ユーロ危機をどう解決するか(1)【藤井厳喜】AJER
YouTube: http://youtu.be/PxZ8E_3fg8I
ニコニコ: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16493583
12月21日、日本の株式市場は、取引が非常に低調でした。
これは、この日がユダヤ教の祝祭日である「ハヌカ」であった為です。
ハヌカは、キリスト教のクリスマスのようなものです。
又、この時期、クリスマス休暇の為に、欧米人投資家の活動は低調です。
この為に、日本の株式市場における売買高が小さくなるのは、当然の現象と言えます。
これを、あたかも「外国人投資家が日本を見捨てた証拠」であるように言い触らす無責任な人々がいますが、全く経済の実態を知らない妄言と言ってよいでしょう。
あるいは、「為にする」情報操作です。
現在、日本の株式市場の取引の70%は、外国人投資家によるもので、株式の保有の30%も外国人投資家のものです。
この為、キリスト教やユダヤ教の祝祭日などが、取引高に大きく関係してくるようになっています。
さて、ユーロ危機を解決する本来の解決案は、どのような事が考えられるでしょうか?

第1は、欧州中央銀行が、最後の貸し手としての役割をしっかり果たすと世界に向けて公言する事です。
最も、此の為には、EUの法律を変える必要があります。
しかし、この大きな方針転換がなされれば、市場を安心させることは、容易です。
2番目に、「最後の貸し手」として機能するという事は、新発債であれ、既発債であれ、必要な国債は、ECBが全て進んで、購入するという事です。
これを明確にすれば、それだけで金融危機は解決すると言っても過言ではありません。
第3に、この上記の前提のもとで、各国の財政再建を進めることです。
しかし、財政規律に関しては、現在よりも少し、緩い基準を考えるべきでしょう。
もう1つの方法である「ユーロ共同債」については、続きの項目で述べます。合わせて御覧ください。
ユーロ危機と北朝鮮の崩壊(2)【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/tqUD33so7rA
ニコニコ: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16493791

ユーロ危機解決の為に、重要な4番目の政策は、ユーロ共同債の発行です。
ユーロ圏諸国全体で、債券を発行し、これを必要に応じて分配するというものです。
これを導入すれば、信用格付けの低い重債務国でも、安い金利で資金を調達する事が出来るようになります。
イタリアのモンティ首相もこのユーロ共同債の早期実現を望んでいます。
ECBは、以上のような大胆な救済策は取りませんでしたが、銀行をつぶさない為の大胆な金融緩和策を開始しました。
それは、ECBが、民間銀行に向けて、3年間に限ってですが、資金を無制限に供給するという政策です。
ECBは、民間銀行が持っている資産を、無制限に買い取り、現金をほしいだけ供給します。
更に、驚くべき事に、この資産の中に、銀行自身が発行する債券を含むことが明らかになりました。
つまり、民間銀行は、自らの借金証書を書けば、それによっていくらでもECBから、資金を供給してもらえるのです。
個人に例えて言えば、借金の証文を書けば、それをカタに、ECBがいくらでもお金を貸してくれるという事です。
これならほぼ無制限に、ほしいだけのお金を3年に限ってではありますが、借りることが出来ます。
このヨーロッパ型量的緩和によって、欧州の銀行が、連鎖倒産する危機は完全に回避する事ができました。
欧州の現在の政策は、財政規律を各国政府に厳しく求めますが、一方では、ECBから民間銀行への資金の流れは、大胆に増大させるというものです。
これによって、民間銀行の倒産は、避けられますが、実体経済の景気の悪化は必然的に起きてきます。
財政規律の確立とは、政府支出の削減と、増税です。
つまり、政府の財政出動による、景気刺激は全く不可能になります。
そればかりではなく、実体経済を冷やす方向になります。
この為、ヨーロッパの景気は、益々悪くならざるを得ないでしょう。
EUは、財政は極端にタイトに、金融は極端にルーズに、というポリシー・ミックスを取っています。

北朝鮮情勢について簡単に述べておきます。
北朝鮮が短期間に変化する予兆は全くありません。
ただし長期的に見れば、北朝鮮が崩壊する可能性は十分にあります。
この時に、大量の難民が日本に押し寄せてくる可能性があります。
日本が無為無策であれば、この大量難民の流入によって、日本経済は大きなダメージを被ることになるでしょう。
今からその為の危機管理策を準備しておく必要があります。
この事については『超大恐慌の時代』P144以下で、詳しく予測していましたので、是非、合わせて御一読ください。
なお、当チャンネルは経済解説をテーマにしている為、より詳しい国際情勢・軍事外交の分析については、私の自前チャンネルで、続きを解説しました。
【藤井厳喜】金正日以後の北朝鮮情勢[H23/12/30]
http://youtu.be/E6wGK2-sjN4
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北朝鮮の金正日総書記が死亡しました。
北朝鮮は、19日午前、ミサイルを少なくとも2発、日本海に向けて発射していますが、取敢えず、北朝鮮暴発の可能性は低いとみています。
この事件に関して、多くの問い合わせをいただいたので、取敢えず、現時点での分析とコメントを以下に発表させて頂きます。
なお、本日の夕刊フジに私のコメントが掲載される予定です。
1)後継体制は取り敢えず、安定か
北朝鮮の発表によれば、17日の午前8時半、金正日は死亡しており、19日の昼までこれが伏せられていた。
「2日間、情報漏えいがなかったこと」及び、
「金正日の葬儀を行なう国家葬儀委員のTOPが後継者である金正恩であること」
の2つの事実から考えて、取敢えず、後継体制は安定したものであろう。
短期間に、突発的な事件が起きる可能性は低いと言える。
金正日死亡に関しては、全く事前の情報漏えいが起きなかった。
韓国が知らなかったことは確実であり、少しでも緊急事態が予測できれば、李明博(イ・ミョンパク)大統領の訪日はキャンセルされていたはずである。
韓国の対北朝鮮インテリジェンス能力の劣化が問われてしかるべきであろう。
中共(シナ)経由でも、ロシア経由でも、北朝鮮に大使館をもつヨーロッパ諸国経由でも、アメリカ経由でも、金正日死亡の情報は全く事前に聞こえてこなかった。
現北朝鮮指導部が、危機感を深め、慎重に団結を固めている故であろう。
2) 警戒を強化すべき自衛隊と警察
短期的には取敢えず、後継体制は安定しているとみるが、北朝鮮が追い詰められているのは確実であり、北朝鮮体制内には、いくつかの対立軸が存在する。
長期的に見れば、権力争いが北朝鮮の崩壊に向かう可能性はある。
常識的に考えて、北朝鮮のような、ファミリー独裁による国家体制が、21世紀の今日、長期的に安定するとは考え難い。
問題は、国内の分裂を回避する為に、対外侵略ないしは、武力紛争を挑発しようとする可能性である。
独裁国家が窮地に陥った時、国内の団結を図る為に、対外侵略に乗り出すのは、常套手段である。
この為に、日本は、自衛隊・警察とも、相当に警戒感を高めなければならない。
現・野田政権は、全く危機感を欠いた対応しか出来ていないが、自衛隊や警察のプロは、既に「コンティンジェンシー・プラン(緊急対策・危機管理対策)」を持っているはずであり、それに従って行動しているものと期待している。
愚かな民主党の政治家が、これを妨害することが心配である。
第二次朝鮮戦争的な大型危機が訪れれば、日本は当然、兵站基地として機能する事になる。
この場合、北朝鮮の日本国内へのテロの可能性が出てくる。
鉄道・電力・水道・原子力発電所などへのテロ攻撃により、日本列島の機能がマヒすれば、日本を兵站基地とするアメリカ軍の手かせ足かせとなる。
こういった事態を防ぐ為に、自衛隊・警察のみならず、国民全体が緊張感をもって事態に対処する必要がある。
3) お粗末だった野田内閣の対応
19日、午前11時には、朝鮮中央通信が重大発表をするとの報道があったにも関わらず、野田首相は新橋駅前の街頭演説に出かけていた。
全く緊張感を欠いた対応である。
朝鮮中央通信の発表があった時点で、緊急事態を予測し、安全保障会議を招集していなければならなかったはずだ。
相変わらず「慎重に事態を見守る」等としか発言できない首相の無能力と危機感の欠如が問われている。
4) 殆ど無反応だったマーケット
国際的な政治危機が起きた場合、「有事のドル買い」という言葉があるように、ドル価格が上昇する傾向がある。
また、ゴールド価格も敏感に上昇するのが常である。
危機の悪影響を受けそうな周辺国(今回の場合でいえば、韓国・シナ・日本)の株価は下がるというのが、条件反射的なマーケットの反応である。
今回、ごく僅か円安ドル高となったが、金価格などは全く反応しなかった。
日経平均は、105円60銭下がり、米ダウ工業平均も100ドル超下落した。
日経平均下落の方は、北朝鮮情勢の地政学的リスクが大きな要素であろうが、ダウ工業平均の方は、それよりもヨーロッパ各国ならびに銀行の格下げドミノの影響の方が大きかったのではないか。
マーケットの動きだけを見れば、今のところ大きな騒乱を予測しているとは言い難い。
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デイリーモーション: http://www.dailymotion.com/video/xmk8mg_let-s-get-rid-of-tpp-trans-pacific-partnership-destroys-national-economies_news
このメッセージは、TPPの問題点、内容、現在の状況等について、英語でNEWS解説を行ったものです。
趣旨は、日米両方の反対派に共闘を呼び掛けるものです。
現在のアメリカでの反対派の状況、オバマ大統領が、大統領選挙初期のころには、自分の選挙区の雇用や安全を脅かすから「NAFTA」さえも見直したいと、アピールしていたのに、スッカリ意見をCHANGEしてしまったということ等々、語りました。
特にアメリカ人に一人でも多く、この内容を知ってもらいたいです。
そして共闘して、TPPにストップをかけたいのです!
是非、海外の英語圏の御友達がいらっしゃる方は特に、フェイスブックやTwitterや、メルマガ等、あらゆる形で、このメッセージをひろめることに、どうか御力を貸して下さい。
TPPに対する、日本のごく普通の生活者の立場、反対派の声は、特に英語圏では殆ど報じられていません。
この声を大きくしたいという思いで、英語のスピーチを行いました。
是非宜しくお願い致します。
= 藤井厳喜 =
追記; お願い。私のYouTubeのこのページを立ち上げ、感想を書く欄に、「評価」のボタンがあります。 感想ボタンや評価のボタンにも協力頂けますと、とても助かります。
ちゃんと「荒らし」ではなく、冷静に呼び掛ける内容だと、検索エンジンに対してもアピールできるからです。宜しくお願い致します。
Let's Get Rid of TPP !!
: Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
《 Please carry this message to as many as possible! 》
Many Japanese are against T.P.P or Trans Pacific Partnarship.
However, Japanese mass media are promoting T.P.P.
The Japanese Association of Medical Doctors, The Japanese Agricultural Cooperatives and other organizations of trade are opposing T.P.P.
With T.P.P. only Multi- National Corporations (MNCs) gains profits at the cost of ordinery woking people.
That is the reality of T.P.P.
On behalf of the Japanese people opposing T.P.P. I'm addressing this message to people of both right and left of nations concerned.
Let's get united and get rid of T.P.P.
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より、アメリカ大統領選ウォッチングについて、連載を開始する事になり、最新号『月刊 日本 2011年 12月号 [雑誌]
』のTPP反対特集号では、ISD条項の危険性について詳細に解説しました。是非、ご参考ください。(私のパブリシティ・ページで寄稿記事の一部が読めます)
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《英語でTPPの危険性を発信しました。是非、英語圏の方々(特にアメリカの一般国民)にこの声が届くよう…、拡散に御力添えください♪》
※ 藤井厳喜・新作『日本人が知らないアメリカの本音』(PHP研究所・1470円 8/6発売)、『超大恐慌の時代
』(日本文芸社・1680円 6/24発売)好評発売中。
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ユーロ崩壊か世界大恐慌か(1)決定しなかった大胆な救済策【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/FM9nsYVTWrA
ニコ動 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16432755
12月8日、9日、ベルギーのブリュッセルで、EU首脳会談が開かれました。世界は固唾をのんで、この首脳会談を見つめていました。
しかし、欧州金融危機を救済する大胆な方策は、何一つ決定されませんでした。
この不毛の首脳会談によって、2012年にはヨーロッパ発の大不況が世界経済を襲う事はほぼ確実になったといえるでしょう。もちろん、日本も大きな衝撃を受ける事になります。
2008年9月のリーマンショックに始まるアメリカの金融危機は、その後、世界経済に大きな景気後退をもたらしました。
その3年後、2011年に勃発したヨーロッパ金融危機が、今度は再び世界を大不況の波に飲み込んでゆくことになるでしょう。
市場関係者を含む多くの人々が期待していたのは、以下のような大胆な欧州金融危機対策でした。
1) 欧州中央銀行ECBによる重債務国の国債の無制限の買い上げ
2) EFSFやESMを銀行化し、ここにECBからの資金を必要なだけ投入する事。
3) ユーロ共同債の発行
これらの3大救済策は、ことごとく拒否されました。

拒絶した中心は、ドイツのメルケル首相です。
ドイツを中心とする財政規律至上主義がEU首脳会談を完全に圧倒しました。
この為、実効性と緊急性のある対策は何一つ決定されなかったのです。
まさに、ドイツ主導による「財政規律ナチズム」とでも評したくなるような原理主義が現在のEUを支配しています。
ナチス・ドイツの「ドイツ第三帝国」は崩壊しましたが、今や、経済面における「ドイツ第四帝国」がヨーロッパ大陸を支配していると言っても過言ではないでしょう。
ナチス・ドイツを宥和しようとして失敗したのが1938年9月の「ミュンヘン宥和」でした。
今回のブリュッセルにおけるEU首脳会談では、ドイツの財政規律原理主義を押しとどめる事が出来ず、ヨーロッパ各国はこれを容認してしまいました。
この事件は、ヨーロッパ経済を破壊した「ブリュッセル宥和」として長く歴史に残る事になるのではないでしょうか?
今回もまた、この第四帝国に屈しなかったのは、イギリスだけでした。
イギリスは賢明な判断をしたと言えるでしょう。
ユーロ崩壊か世界大恐慌か(2)不十分な欧州金融危機対策【藤井厳喜】AJER
YouTube : http://youtu.be/Tsl6INEI0kg
ニコ動 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16433075
12月8日、9日のEU首脳会談で決まった金融危機対策は、たった2つしかありませんでした。

それはIMFへの2000億ユーロの出資と、本来2013年に稼働させる予定であったESMを前倒しで2012年7月に発足させる、という対策でした。
第1の対策は、IMFに欧州各国が1500億ユーロを出資し、他国から500億ユーロを集めて、特別なファンドとし、これをもってヨーロッパ各国を救済するというものです。
しかし、アメリカは早くもこの出資には応じない事をバーナンキ米FRB議長は示唆しています。
又、IMFからの融資を受けるには、出資額で85%の国々が賛成しなければなりません。
アメリカは一国で16%弱の出資額を保有していますので、アメリカ一国が反対すれば、拒否権を行使できることになりそうです。
第2のESMの早期発足は、望ましい事には違いありませんが、総体としてどれだけの金融危機対策資金が集められるのかを考えると、先行きは極めて暗いと言わざるを得ません。

IMFに新規に新規に集める基金が200億ユーロ、EFSFには4400億ユーロ、ESMには5000億ユーロの基金を集める事になっています。
これら3者を合わせたところで、1兆1400億ユーロにしかなりません。
イタリア政府の債務残高だけで、1兆8428億ユーロあり、PIIGS諸国全体の債務残高は、3兆1195億ユーロもあります。1兆1400億ユーロは、とても十分な数字とは言えないのです。
主要格付け会社が、ヨーロッパ各国の格付けを下げる事を恐れたEUは、格付け会社に政治的圧力をかけています。既に、S&Pやムーディーズは、欧州各国の格付け引き下げる方向で検討中です。

12月8日、9日のEU首脳会談の直前、12月6日、欧州証券市場監督局(本部パリ)は、格付け会社の立ち入り調査を開始しました。
格付け会社に対する露骨な政治的圧力です。
ヨーロッパでは、今、このような凄まじいパワーポリティックスが行われているのです。
英語で行った反TPPのスピーチを11月24日、UPしたところ大変好評で海外の多くの方から賛同の声を頂いています。より多くの人々に拡散したいので、皆様の御協力を宜しくお願い致します。
※ 藤井厳喜の英語でのTPP反対のスピーチの拡散に協力頂き、有難うございます。
引き続き、英語圏への拡散を宜しくお願い致します。。(特に英語圏、特にアメリカ)
Let's Get Rid of TPP !!Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
http://youtu.be/q2U2S7RWfNk
★ 又、こちらの反TPP署名ページの拡散、署名協力もお願いします↓↓

【STOP TPPA negotiations and take care of his own people instead of pampering greedy bankers and tyrant corporate America.】
ネット署名サイト⇒ http://bit.ly/tTu9nq (締切12月26日)
2万5千集まれば、ホワイトハウスから回答が貰えるそうです。 アメリカ人も日本人も署名参加中。
(署名の方法についての日本語・解説動画は⇒ http://youtu.be/5myXZFxYF4w 参照)

日米両方のTPP反対派の共闘が極めて効果的だということは、拙著『日本人が知らないアメリカの本音』でも強調し、書いてきたとおりです。
伝えれば反応率がいいにも関わらず、今、大きな問題は、「伝わり方が足りない事」です。(本当にネコ族の手を大いに借りたい状況です…!) 英語で発信される「日本の国益を考えて慎重派という声」が圧倒的に足りません。
そこで、日米のTPP反対派の共闘を呼び掛けたいと考え、自前のYouTubeチャンネルで、発信させて頂きました。
この動画を全力で 継続的に拡散したいと思っていますので、どうか皆様、御力添えをお願い致します。
これをご覧になった貴方のブログ、Facebook、Twitter等での拡散は勿論、特に英語圏のお知り合い、メディア、ブロガーさん等に、このメッセージのURL「 http://youtu.be/q2U2S7RWfNk 」 を御紹介ください。
海外での反対派の方々との連携、インタビュー、あるいはディベートなども大歓迎です!!
英語での公開討論なども、いつでもお受けするつもりです。(アポイントだけは取ってください。藤井厳喜メルアド⇒【 gemki.fujii7@gmail.com 】 )
ですので、もしこれをご覧になられた方のお知り合いで、私との討論(NET上等での公開討論等もOK)、情報共有、取材を希望したいという海外の方がいらっしゃいましたら、私のe-mailアドレス【 gemki.fujii7@gmail.com 】 を御紹介ください。
世界の「TPP反対活動家」と柔軟でオープンに、連携をしてゆきたいと考えております。
このようなスタンスでおりますので、是非、拡散への御力添えを何卒、宜しくお願い申し上げます。
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メキシコは反TPPの友好国になるか!?【藤井厳喜】AJER(1)
《メキシコは反TPPの友好国になるか!?》
藤井厳喜(国際政治学者) 2011年12月8日出演1
YouTube: http://youtu.be/_9wKTC45Y6s
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16374543
反TPPの活動をしている多くの日本人から、メキシコにおける反TPP運動について、質問をよく受けます。
「メキシコでは、NAFTA(北米自由協定)の悪影響で、自殺や離農に追い込まれた貧農が多いといわれている。NAFTAをさらに拡大したものがTPPであるから、メキシ?コからは相当激しい反TPPの動きが生まれてきてもよいのではないか」
と考えている日本人も多いようです。
しかし、残念ながら、メキシコでは反TPPの運動は盛り上がってはいません。
何故なら、一部の貧農層にダメージを与えたものの、NAFTAはメキシコ経済の成長を促進させたからです。
国民経済全体として見た場合、メキシコはNAFTAから得るものの方が失ったものよりもはるかに多かったのです。
それ故に、NAFTAは、メキシコにおいて、いくつかのマイナス面はあるものの、総体としては成功であったと考えられています。
では、メキシコではTPPを推進しようという議論が盛んであるかといえば、そうではありません。
経済界も含めて、国民は総じて、TPPに関しては無関心です。
アメリカ合衆?国は、メキシコにとっては輸出でも輸入でも最大の貿易相手国です。そのアメリカという大国をNAFTAを結んでしまったメキシコとしては、他の自由貿易協定は、付随的なも?ののように思われており、TPPに関しては、政府は推進派ですが、国論全体としては極めて無関心であるというのが実情です。
確かにISD条項など、メキシコが不利益を被っている問題もあるのですが、NAFTAは既にメキシコに定着しています。
経済界は、NAFTAの延長線上のものとしてTPP?を冷静に評価しているようです。
こうしたTPPに関係する視点を中心にメキシコの政治経済について解説をしました。

Facebookはヴァーチャル・ローマ帝国を目指す【藤井厳喜】AJER(2)
《フェイスブックは「ヴァーチャル・ローマ帝国」を目指す》
藤井厳喜(国際政治学者) 2011年12月8日出演(2)
YouTube : http://youtu.be/Asql1k-GpHo
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16374765
フェイスブックが目指しているのは、ヴァーチャル・リアリティー上の現在のローマ帝国に違いありません。
SNSとローマ帝国が、何故、結びつくのでしょうか?
その謎解きをしてみましょう。
フェイスブックのザッカーバーグCEOが高校時代に最も興味があった分野はITとヨーロッパ古典学でした。

ヨーロッパ古典学とは、ラテン語と古代ギリシャ語で学ぶヨーロッ?パの古典に関する学問です。
ヨーロッパ古典の中でも、ザッカーバーグ少年は、ラテン文学の叙事詩である「アエネーイス」という物語を特に好んでいました。
アエネーイスとは、どのような物語なのでしょうか。
それは、トロイ戦争に敗北した主人公のアエネーアスが、地中海を西へ西へと航海し、ついにローマに辿り着き、建国をする話です。

アエネーアスは、自らの率いた一族と、ローマの原住民の融和を成し遂げ、ローマという国の基礎を築いたといわれています。
それ以降、ローマは、一つの法体系のもとに、異なった民族や出自の人々を、統一する普遍的な国家として発展をしてゆくことになります。
今日のヨーロッパの基礎を作ったのも、ローマ帝国です。
ザッカーバーグは、このようなローマ建国の物語に深く魅了されたのでした。
そこから推し量るに、ザッカーバーグが構想しているのは、ネットワーク上に存在する「現代のローマ帝国」としての「フェイスブック帝国」なのではないでしょうか。
このように考えると、彼の考えているヴィジョンがより、的確に理解できるようになるでしょう。
取敢えず、フェイスブックは次の段階においては、金融機関となり、フェイスブック利用者を金融的に統合してゆくことになるでしょう。
フェイスブックは、又、ビッグデータの集積に関しても、最も有用なツールとなっています。
「スマートフォン」など、「スマート」という言葉が付くさまざまな製品もまた、ビックデータ集積の為に積極的に利用されてゆくことになるでしょう。
英語で行った反TPPのスピーチを11月24日、UPしたところ大変好評で海外の多くの方から賛同の声を頂いています。より多くの人々に拡散したいので、皆様の御協力を宜しくお願い致します。
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《英語でTPPの危険性を発信しました。是非、英語圏の方々(特にアメリカの一般国民)にこの声が届くよう…、拡散に御力添えください♪》
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昨夕、AJERチャンネルにて、経済解説の動画を2本収録しました。
本当はもう1本、TPPに関する質問への解答と、合わせて3本行う予定だったのですが、時間が足りず、今回は欧州経済に絞る事になりました。
今回の動画は非常に、歴史的な解説になるかもしれません。
ここのところ、超過密スケジュールで収録にやや遅刻していった為、本当に限られた時間の中、超駆け足で収録。かなり早口になってしまいましたが…、制限時間ギリギリまで目一杯、欧州金融危機の最新状況について「超明瞭」に語らせて頂きました。
是非、ご覧下さい。
ユーロ崩壊か?!(1)ECBはなぜ最後の貸し手になれないのか【藤井厳喜】AJER
《いよいよユーロ崩壊か?!(1)ヨーロッパ中央銀行はなぜ最後の貸し手になれないのか》
藤井厳喜(政治学者) 2011年11月24日出演(1)
YouTube : http://youtu.be/OrZJ0MRjgbk
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16260109

11月23日、ドイツ国債が「札割れ」を起こした。
60億ユーロの国債を募集したところ、39億ユーロしか応札しなかったのである。
ドイツ国債の札割れは、よく起きる事であるが、今回は欧州経済危機が激化していた中での35%もの大幅な入札割れであったので、この事件は金融関係者に大きなショックを与えた。
ヨーロッパの金融危機を根本的に解決する為には、ヨーロッパ中央銀行(ECB)が「最後の貸し手」としての役割を果たさなければならない。

ところが、ECBがこの決断を出来ないでいる。
理由の第一は、形式的なもので、EU法がそれを禁じているからである。
しかしこれはEU法を改正すれば済む問題である。
ECBは、2010年から非常手段として各国の国債の購入を行ってきた。
但し、これは、ヨーロッパ金融安定化基金(EFSF)がスタートすれば、中止する事になっている。
第二のより大きな理由は、ドイツが断固としてECBが「最後の貸し手」になる事を認めないからである。
ドラギECB新総裁は、イタリア人だが、この点においては、ドイツ政府と全く同じ考え方を持っている。
ドラギ総裁によれば「ECBの使命は、ユーロという通貨を安定させる事、即ち、インフレを起こさない事であり、各国の債務を支える事ではない」との事である。
いよいよユーロ崩壊か?!(2) ドイツの国債も札割れ【藤井厳喜】AJER
《 いよいよユーロ崩壊か?!(2)ドイツの国債も札割れ》
藤井厳喜(政治学者) 2011年11月24日出演(2)
YouTube : http://youtu.be/xqVmjhI1ND8
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm16291902
フランスは、ドイツに対して、ECBが最後の貸し手となるように強く働きかけ続けているが、ドイツ側はこの要請をかたくなに拒否している。
この為、今日における独仏関係は第二次大戦後、最も険悪なものとなっている。
ヨーロッパ金融危機はまさに、ドミノ現象を起こしている。

ギリシャで始まり、これがポルトガル・アイルランドにおよび、次いでスペイン・イタリアが危なくなり、遂にフランスまで危険水域に入ってきた。
盤石かに見えるドイツ経済だが、公的債務の対GDP比率はスペインより悪いし、プライマリー・バランスでは、イタリアに後れを取っている。

確かに膨大な経常収支黒字を抱える黒字国ではあるが、ドイツの財政も、一般に思われているよりは、盤石ではないのである。
これが11月23日の国債札割れを起こした潜在的な理由の1つになっている。
ヨーロッパの経済危機がもう一度、大西洋を渡って、アメリカにドミノ現象を引き起こす可能性がある。
それは単に、ヨーロッパがアメリカに抱えている債務だけが問題なのではない。
アメリカのJPモルガンとゴールドマンサックスは、想定元本5兆ドル以上のCDSを販売している。
このうち、PIIGS関係やフランス関係がどの程度の額に上っているかは全く不明である。
もし、ヨーロッパの債務国がディフォルトすれば、これらの販売したCDSの清算をしなければならない。
CDSは債務保険のようなものであるから、債務が不履行になった場合は、CDSを売ったJPモルガンやゴールドマンサックスは膨大な支出を覚悟しなければならない。
これがアメリカに第二の金融危機を引き起こす可能性がある。
英語で行った反TPPのスピーチを11月24日、UPしたところ大変好評で海外の多くの方から賛同の声を頂いています。より多くの人々に拡散したいので、皆様の御協力を宜しくお願い致します。
※ 藤井厳喜の英語でのTPP反対のスピーチの拡散に協力頂き、有難うございます。
引き続き、英語圏への拡散を宜しくお願い致します。。(特に英語圏、特にアメリカ)
Let's Get Rid of TPP !!Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
http://youtu.be/q2U2S7RWfNk
★ 又、こちらの反TPP署名ページの拡散、署名協力もお願いします↓↓

【STOP TPPA negotiations and take care of his own people instead of pampering greedy bankers and tyrant corporate America.】
ネット署名サイト⇒ http://bit.ly/tTu9nq (締切12月26日)
2万5千集まれば、ホワイトハウスから回答が貰えるそうです。 アメリカ人も日本人も署名参加中。
(署名の方法についての日本語・解説動画は⇒ http://youtu.be/5myXZFxYF4w 参照)
2本目の動画で話させて頂きましたが、先日、「TPPの危険性、日本の反対派の立場の声」を英語で発信させて頂きました。

日米両方のTPP反対派の共闘が極めて効果的だということは、拙著『日本人が知らないアメリカの本音』でも強調し、書いてきたとおりです。
伝えれば反応率がいいにも関わらず、今、大きな問題は、「伝わり方が足りない事」です。(本当にネコ族の手を大いに借りたい状況です…!) 英語で発信される「日本の国益を考えて慎重派という声」が圧倒的に足りません。
そこで、日米のTPP反対派の共闘を呼び掛けたいと考え、自前のYouTubeチャンネルで、発信させて頂きました。
この動画を全力で 継続的に拡散したいと思っていますので、どうか皆様、御力添えをお願い致します。
これをご覧になった貴方のブログ、Facebook、Twitter等での拡散は勿論、特に英語圏のお知り合い、メディア、ブロガーさん等に、このメッセージのURL「 http://youtu.be/q2U2S7RWfNk 」 を御紹介ください。
海外での反対派の方々との連携、インタビュー、あるいはディベートなども大歓迎です!!
英語での公開討論なども、いつでもお受けするつもりです。(アポイントだけは取ってください。藤井厳喜メルアド⇒【 gemki.fujii7@gmail.com 】 )
ですので、もしこれをご覧になられた方のお知り合いで、私との討論(NET上等での公開討論等もOK)、情報共有、取材を希望したいという海外の方がいらっしゃいましたら、私のe-mailアドレス【 gemki.fujii7@gmail.com 】 を御紹介ください。
世界の「TPP反対活動家」と柔軟でオープンに、連携をしてゆきたいと考えております。
このようなスタンスでおりますので、是非、拡散への御力添えを何卒、宜しくお願い申し上げます。
Let's Get Rid of TPP !!
Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=q2U2S7RWfNk
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm16262112
デイリーモーション: http://www.dailymotion.com/video/xmk8mg_let-s-get-rid-of-tpp-trans-pacific-partnership-destroys-national-economies_news
このメッセージは、TPPの問題点、内容、現在の状況等について、英語でNEWS解説を行ったものです。
趣旨は、日米両方の反対派に共闘を呼び掛けるものです。
現在のアメリカでの反対派の状況、オバマ大統領が、大統領選挙初期のころには、自分の選挙区の雇用や安全を脅かすから「NAFTA」さえも見直したいと、アピールしていたのに、スッカリ意見をCHANGEしてしまったということ等々、語りました。
特にアメリカ人に一人でも多く、この内容を知ってもらいたいです。
そして共闘して、TPPにストップをかけたいのです!
是非、海外の英語圏の御友達がいらっしゃる方は特に、フェイスブックやTwitterや、メルマガ等、あらゆる形で、このメッセージをひろめることに、どうか御力を貸して下さい。
TPPに対する、日本のごく普通の生活者の立場、反対派の声は、特に英語圏では殆ど報じられていません。
この声を大きくしたいという思いで、英語のスピーチを行いました。
是非宜しくお願い致します。
= 藤井厳喜 =
追記; お願い。私のYouTubeのこのページを立ち上げ、感想を書く欄に、「評価」のボタンがあります。 感想ボタンや評価のボタンにも協力頂けますと、とても助かります。
ちゃんと「荒らし」ではなく、冷静に呼び掛ける内容だと、検索エンジンに対してもアピールできるからです。宜しくお願い致します。
Let's Get Rid of TPP !!
: Trans-Pacific Partnership Destroys National Economies
《 Please carry this message to as many as possible! 》
Many Japanese are against T.P.P or Trans Pacific Partnarship.
However, Japanese mass media are promoting T.P.P.
The Japanese Association of Medical Doctors, The Japanese Agricultural Cooperatives and other organizations of trade are opposing T.P.P.
With T.P.P. only Multi- National Corporations (MNCs) gains profits at the cost of ordinery woking people.
That is the reality of T.P.P.
On behalf of the Japanese people opposing T.P.P. I'm addressing this message to people of both right and left of nations concerned.
Let's get united and get rid of T.P.P.
Please Sign Here♪ ⇒ 【STOP TPPA negotiations and take care of his own people instead of pampering greedy bankers and tyrant corporate America.】
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9月17日以来、継続しているニューヨークのWallStreet(金融街)を占拠しようという運動「Occupy Wall Street」は、何故、生まれてきたのでしょうか。
また、その運動の意味するものと、目指すものは何なのでしょうか?

それを説明したいと思います。
この運動は、一言でいえば、失業が増大し、格差が拡大するアメリカ社会を改革しようとして、左派リベラル派から生まれてきた抗議運動です。
失業増大、格差社会に対する右派から生まれてきた抗議運動の代表が「TeaParty運動」です。
TeaParty運動とウォールストリート占拠運動は、右派と左派の違いこそありますが、その共通点は、「草の根の人々が、大企業優遇の格差社会に対して立ち上がった抗議運動である」という点です。
デモクラシーの社会であるべきアメリカが、気がついてみたら大企業優遇の富裕層にのみ有利な社会になっていた。
この事に覚醒したアメリカの勤労者大衆が、自発的に起こしてきた運動が、右派(保守派)では「TeaParty運動」となり、左派(リベラル派)では、 「Occupy Wall Street運動」となったと言えるでしょう。
その点で、この2つの運動は、共にアメリカの原点に戻り、アメリカ国民の手にデモクラシーを取り戻すという、意味を持っています。
これら2つの運動は、革新運動であると同時に、アメリカの原点に戻るという復古運動でもあります。
この点を正確につかんでおく事が必要でしょう。
(この事は『日本人が知らないアメリカの本音
』に詳しく書いております。)
日本人の立場からすると、このウォールストリート占拠運動は、明らかに歓迎すべきものです。
この運動のアジェンダに、反TPPは未だに出てきていませんが、彼らの政治傾向からすれば、大企業優遇のTPPには、明らかに反対のはずです。
(TeaParty派は明確に、反TPPです。)
TPPは、日本の国益を大きく損なうものです。
TPPをつぶそうという立場からいえば、このウォールストリート占拠運動は、明らかに日本の国益にも味方するものです。
日本の一部には、この運動を、日本で起きた「派遣村」と同一視する人がいますが、これは明らかに誤りです。
派遣村の運動を行なった日本の市民派左翼は、明らかに「反日」であり、日本の愛国者ではありませんでした。
アメリカの左翼に「反米主義者」はいません。
ウォールストリート占拠運動も、謂わば「愛国派左派」が起こした運動です。
アメリカン・デモクラシーの原点に戻り、アメリカを取り戻そうというのが、この運動の原点です。
日本の派遣村とは全く異質である事を、日本人はシッカリと認識しておく必要があるでしょう。
この運動は、従来のアメリカ民主党の枠から外れた、全く新しい運動であり、来年2012年のアメリカ大統領選挙に、保守系のTeaParty運動と並んで、非常に大きなインパクトを与えるでしょう。
2012年の米大統領選挙は、従来とは全く異なった形の選挙になるはずです。
こういった視点を踏まえて、以下3本の動画をご覧頂きたいと思います。
《ウォールストリートを占拠せよ(1)アメリカの失業と格差が生み出した抗議運動》
藤井厳喜(政治学者) 2011年10月6日出演(1)
YouTube : http://youtu.be/R8cnISQ8UoY
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15812101
世界の金融の中心地、NYのウォールストリートで、「Occupy Wall Street :ウォールストリートを占拠せよ」という抗議運動が9月17日から開始されました。
これは一体、どのような社会運動なのでしょうか。
カレ・ラースンというカナダ人ジャーナリストの呼びかけで始まったこの運動は、全米各地へ波及し、大きな社会的衝撃を与えています。
「Occupy Wall Street」は、自然発生的な社会抗議運動で、その攻撃対象は、大銀行、大企業そしてアメリカ政府です。
彼らの主張は多岐に及ぶが、主に次の3点に絞られると言ってよいでしょう。
第1は、大量失業を前提に、雇用を増やせ、という要求。
第2は、金融バブルを起こし、崩壊させ、アメリカの勤労者を苦しめている大銀行を規制せよ、という要求。
第3に、貧富の格差が極端に拡大しつつあるアメリカにおいて、貧富の格差を是正せよ、という要求です。
アメリカ時間10月5日現在、ズコッティー公園を中心とする「Occupy Wall Street運動」には、2万人以上が参加しており、更に全米56都市にまで、この運動が波及し、同様の運動が展開されています。
Occupy Wall Streetは、きわめて自然発生的な大衆運動であるが、その発生と拡大を支えているのは、以下のような背景です。
(1) 大量失業時代 : 現在のアメリカの公式失業率は9.1%であるが、不完全雇用(アンダーエンプロイメント:仕事に就いてはいるが、パートタイム等で十全の雇用状態にないもの)を入れると、実質上の失業率は17%にも及ぶ。
更に、失業率の取り方を、旧来の基準で行うと、失業率は20%にも達している、と言われている。
つまり表面の失業率に表れた以上に、アメリカでは失業問題が大きな社会問題となっている。
加えて、インフレ率も旧来の計算法では、9%にも達する、と言われており、アメリカの庶民の生活は、大量の失業とインフレで著しく窮迫している。
(2) オバマ大統領への失望 : オバマ大統領は、民主党でも左派の出身であり、2008年の大統領選挙においては、アメリカ大衆は、彼が大企業の横暴を抑制し、低所得者層を救済するような経済政策を実行する事を期待した。
ところがオバマ政権は、大企業の使徒となってしまい、このアメリカ大衆の期待は完全に裏切られてしまった。
オバマ政権への強い失望感が、「Occupy Wall Street」を引き起こす大きな要素になっている。
(3) 社会格差の拡大 : 共和党政権ばかりではなく、既にクリントン政権の時代から大企業優遇、勤労大衆切り捨ての経済政策が取られてきた。
バブルによって、アメリカ経済が好況を維持していた2008年9月までは、この事は表面化しなかった。
しかし、2008年9月のリーマンショック以降、大企業優遇、勤労大衆切り捨ての政策によって、アメリカ大衆の生活は、極端に貧しくなり、追い込まれている。
一方、アメリカの大企業、特に金融界(ウォールストリート)は、政府の援助によって、リーマンショックを乗り切り、大銀行の重役達は100万ドル単位の退職金やボーナスを手にしている。
好況の時には目立たなかった社会格差の拡大が不況期になり、誰の目にも明らかになってきている。
(4) FacebookなどのSNSの普及と利用。
「Occupy Wall Street」は、Facebook等のSNSを手段として利用して急速に大衆の間に広まっていった。
エジプトやスペインで起きたSNSを利用した大衆運動がこの運動を起こす刺激となっている事は間違いない。
一方、イギリス暴動への反省もOccupy Wall Streetでは活かされている。
最近、起きたイギリス暴動では、大衆の欲求不満が社会にインパクトを与える抗議運動とはならずに、単なる「暴動」として勃発してしまった。(参考:英国暴動については2011年8月11日収録の映像を http://youtu.be/kxP_PIrvTpk )
自発的ではあるが、非暴力的で、より多くの人々の同感を呼ぶような大衆運動をOccupy Wall Streetは目指している。
《ウォールストリートを占拠せよ(2)キーワードは「我々は99%だ」》
藤井厳喜(政治学者) 2011年10月6日出演(2)
YouTube : http://youtu.be/uOrGQ6cIcms
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15812694
Occupy Wall Street運動のキーワードは、「We are the 99%(我々が99%だ)」というものです。
1%の富裕層が富を独占し、99%の国民が苦しんでいるというメッセージです。
実際、所得においては、アメリカ社会の富裕層上位1%の人々が、所得全体の20%超を手にしています。
又、資産においては、上位10%の人々が、アメリカの全資産の90%を保有しています。
更にOECDが今年2011年に行った調査によれば、現在のアメリカにおいては、6人に1人が貧困層です。
貧富の格差は、先進国の中においても、特に顕著なものになっています。
Occupy Wall Streetを単なる底辺の失業者達の運動であると見るのは、明らかに誤りです。
今回の運動は、若年層を中心に行われていますが、4年生大学の卒業者は勿論、MBAや弁護士資格を持った者、更にIT技術者などもこの運動に参加しています。
このようなプロフェッショナル階級にも失業は確実に拡がっており、アメリカではMBAや弁護士資格を持ったホームレスも必ずしも珍しくはありません。

技術を持ち、勤労意欲も旺盛な人々が、雇用にありつけないというのが、現在のアメリカの問題点なのです。
Occupy Wall Streetは、未組織の大衆から生まれた自発的な抗議運動ですが、明らかにアメリカの左派=リベラル派からの現状に対する異議申し立て運動です。
アメリカ社会の貧困化と格差拡大に直面して、右派=保守派からはTeaParty運動が生まれてきました。
アメリカは、自由経済・市場経済のメッカであるように、世界から受け取られ、アメリカ人も度々そのように主張していますが、現実は全くそうではありません。
政府は大企業、大銀行に対して、著しい優遇策を取っています。
リーマンショックに際し、FRBや連邦政府が大量の資本投入で大銀行を助けただけではありません。
様々な補助金や減税措置等により、大企業は著しく優遇されています。
この大企業の特権を「コーポラティズム(大企業主義)」と呼んでいます。
Corporatismに対する保守派からの反撃の最たるものが、TeaParty運動です。
これに対して、オバマ大統領に期待していた左派リベラル派が、彼の大企業よりの姿勢に絶望し、そこからその失望感の反動として生まれてきたのが、このOccupy Wall Street 運動です。
つまり、今日のアメリカにおいては、Corporatism、大企業優遇政策、富裕層優遇政策に対する草の根大衆の反撃が、2つの形で惹起してきている。それは右派のTeaParty運動であり、左派のOccupy Wall Street運動に代表されるのです。
この運動の有名人支持者に、映画監督のマイケル・ムーア氏や、ノーベル賞エコノミストのジョセフ・スティグリッツ教授や、投資家のジョージ・ソロス氏の名前が見えます。
Joseph Stiglitz教授は、この運動の現場に現れ、スピーチを行っています。(http://youtu.be/2TF8L2DWhpw )

警察の規制でメガフォンが使えないので、教授は肉声で演説し、その周辺の者が教授の言葉をオウム返しに繰り返して、より多くの人々にその内容を伝達していた。
スティグリッツ教授は後に、テレビでのインタビューに答えて「アメリカでは、大銀行に対する規制緩和は進んだが、デモクラシーに対する規制は強化されている」と抗議している。
この運動を生み出した最も大きな、そして直接的な原因は、高い失業率、特に25歳未満の若年失業率です。
2011年夏の時点での各国の若年(25歳未満)の失業率をみると、アメリカでは17.7%、ギリシャでは42.9%、スペインでは46.2%となっています。
若年失業率は、2007年には、スペインで18%だったものが、2011年には46.2%と急増しています。
アメリカの若年失業率も2007年には10.5%であったものが、2011年には17.7%と増加しています。
若くて勤労意欲に溢れる、そして多くはプロフェッショナルの技術も持った人たちが働けない、という構造的な社会問題が存在するのです。
これが各国において、様々な抗議運動の形として現れており、Occupy Wall Street もその運動の1つなのです。
《ウォールストリートを占拠せよ(3)クリントン時代、米民主党を乗っ取ったウォールストリート》
藤井厳喜(政治学者) 2011年10月6日出演(3)
YouTube : http://youtu.be/mrZa69_vcy8
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15812855
Occupy Wall Streetのような運動が起きてくる政治的背景としては、アメリカの左派、リベラル、民主党支持者がオバマ政権に絶望したという事が大きな要素になっています。
しかし、責任をオバマ一人に押し付けるのは不当であると思います。
既に、クリントン時代に民主党は、ウォールストリートによって乗っ取られていたのです。
ある意味で、オバマ大統領は、クリントン大統領の路線を踏襲しているだけなのです。
クリントン以前のアメリカ政治においては、保守政党である共和党が、ウォールストリートを優遇するのに対して、リベラル政党である民主党は、ウォールストリートを規制し、勤労大衆の利益を守る立場に立つ傾向にありました。
しかし、クリントン政権においては、ウォールストリート優遇策がその経済政策の中心になってしまったのです。
ウォールストリートを優遇し、ITバブルで株価が上昇すれば、庶民もまたその恩恵に被る事が出来たので、クリントン政権時代は、このウォールストリート優遇策は寧ろ賢明な経済政策として、エコノミストからも国民からも高く評価されていたのです。
このウォールストリートによる民主党乗っ取りを象徴する人物が、1995年から99年まで財務長官を務めたロバート・ルービンです。

ルービンは、ゴールドマンサックスの元会長であり、ここからクリントン政権に参加し、ダウ平均が5000ドルから10000ドル超に倍増するアメリカ株の黄金時代を創り上げました。
ウォールストリートの哲学は、民主党経済政策の哲学とイコールになってしまったのでした。
1980年に米大統領に当選したレーガンは、規制緩和を大胆に推し進めましたが、確かにこの時代には政府の規制によってがんじがらめになっていたビジネス界を規制緩和で活性化する事には大きな意味がありました。
しかし、それが行き過ぎて金融バブルを発生させてしまったのがクリントン時代だったのです。
クリントンの後のブッシュ・ジュニア時代は、ITバブルが崩壊した後に発生した住宅バブルの波に乗り、表面上は好調な経済を維持しました。
しかし、このバブル経済の無理が現実の壁に衝突したのが2008年9月のリーマンショックでした。(詳しくは『ドンと来い!大恐慌』参照:http://youtu.be/Znz1Cg00ji0 )
今後の経済の見通しは、現実的には極めて暗いものです。
2011年10月6日付の日本経済新聞においては、ノーベル賞エコノミストのポール・クルーグマン教授が「世界景気後退の確率は50%以上である」「ギリシャのディフォールトは避けられない」と明言しています。
世界が同時恐慌の時代に入った事は、私の『超大恐慌の時代』でいち早く予測した事です。
Occupy Wall Street運動を日本人の視点から見てみましょう。
この運動は明らかに日本の国益にプラスの作用を果たしています。
この運動の参加者は明言してはいませんが、その反大企業主義の立場からして、彼らがTPPに反対であるのは明らかです。
日本の国益を大きく損なうTPPに反対しているこの運動は、日本の国益にかなっています。
私はかねてからTPPをつぶす為には「アメリカの草の根の人達」と協力するべきである、と訴えてきました。
今や、日本の反TPP運動のパートナーとなる人々が、アメリカの左派から生まれてきた事になります。
アメリカの右派のティーパーティー運動は、もとより明確にTPPに反対していますから、日本の国益派は、アメリカのこの左右の草の根運動と手を携えてゆけば、それは極めて賢い政治戦略となるでしょう。
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http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846 ← 2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講まで全講座をまとめました。
■再生リスト2 【近現代世界の国際秩序の変遷:新しい世界史】
http://www.youtube.com/playlis?t?list=PLE25877D424835D45
こちらは2010年1月20日の藤井厳喜・講演会で「近現代世界の国際秩序の変遷」について語ったものを、リストにまとめてみました。この日、私が伝えたかった事は、歴史的な時系列を振り返り、日本が大局的に言って、国際関係のどのようなポジションにいるかという事です。米ソ冷戦後の世界にの権力構造がどのようなものになるか、という点を大胆な仮説も含めて、語らせてもらいました。
ここで取り上げる動画は限られた時間の講演の中の一部の内容ですが、大学で私の『国際関係論』や『新しい世界史』の授業を受講される方のご参考にもなればと思い、取り上げます。
■再生リスト3【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
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』が第2位になりました。御支援、誠に有難うございます!! 】


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【お知らせ:藤井厳喜・新刊 『超大恐慌の時代
』(日本文芸社・刊)6月24日、いよいよ発売 】

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以前から、「外国語をどう学べばよいか」といった相談をよく受けます。
最近では、急遽、外国に転勤することになった、それも英語圏以外に、といった方からも、相談を持ちかけられます。
中には、旦那さんが転勤するので、それに動向しなければいけない主婦の方などからも、相談を受けることがあります。
英語圏への赴任ならば、然程、問題はないでしょうが、それ以外の言語圏への赴任となると、大きな不安が伴うようです。
実は、「語学の速習法」などというものは、本当はないと思っています。
語学の上達は、だいたい学習に投入される時間とエネルギーに正比例します。
最も、外国語学習にも、数学などと同様、天才という人たちがいますが、この人達は例外ですから、我々の学ぶべき実例にはなりません。
若くはなくて、そこそこいい年になって、全く知らない言語の話される外国に行くことになったら、どうしたらよいか。
私自身だったら、こうするという方法を考えてみます。
例えば、私がインドネシアやタイに、長期赴任することになったら、どんな風にその国の言語を勉強しようとするでしょうか。
先ず、最も基本的な単語を100くらい、徹底的に丸暗記します。
数の数え方も、必要です。
挨拶の文句や買い物に必要な言葉、などを徹底して頭に叩き込みます。
100の言葉を覚えたら、それを200、300、500くらいにまで増やします。
先ず、500くらいの単語を覚えれば、最も基礎的な日常会話は可能になるはずです。
後は、とにかく日常の中で、その言葉を多く使うことです。
周りには、ネイティブ・スピーカーがあふれているわけですから、誤った表現をしてもらった時には、必ず直してもらうようにします。
常時、モバイル機器か手帳のようなものを持ち歩いて、新しく覚えた単語や、修正された表現は、記録しておくようにします。
時間を見て、それらの記録を繰り返し、復習します。
単語の数や、表現法の数を増やしながら、最も重要な文法の基礎だけは押さえておく必要があります。
その言語では、過去や未来をどう表現するのか、とか、「仮定」の表現をどのようにするのか、とかいったことは、非常に大事になってきます。
ある程度、文法の基礎中の基礎と、マスターした単語や表現の数が増えたなら、その時点で、私だったら、テレビやラジオのニュースを徹底的に聞き取る訓練をします。
そして出来れば、それと並行して、政治や経済の新聞記事を読解する努力をします。
これにはおそらく、個人で家庭教師を雇うことが最善の方法だと思います。
量は少なくてもよいから、1つの記事や文章を、徹底的に理解します。
出来たら、暗記するくらいになるとよいでしょう。
一点の疑問もないように、完全に理解しなければいけません。
少しでもわからない所や、曖昧なところがないように、完全に1つの文章や記事を理解することが大事です。
こういったことを続けてゆくと、多分、丸2年もその国にいれば、語学学習者としては中級レベルには到達することができると思います。
多分、大事なのは、外国語学習を、苦難とは考えずに、アミューズメントと考えることですね。
つまり、自分の母国語と異なる外国語の学習を、面白いと感じることができれば、苦労ではなくなります。
時間はかかりますが、楽しみになります。
そう思えるかどうかが、実は、語学に上達できるかどうかの大きな分かれ道なのだと思います。
また別の言い方をすれば、外国人なのですから、どんなに努力をしても、所詮、ネイティブ・スピーカーのように、完璧にその言語を操れるようにはなりません。
所詮、「外国語は外国語である」と初めから、大きな諦めをもっていることも大事です。
そうでないと、どんなに勉強しても、挫折感だけに悩まされることになります。
言語によって、難しいポイントは異なってきます。
それは母国語と外国語との距離とも関係します。
イタリア人が、スペイン語を学習することは、酷く簡単なはずです。
また、ドイツ人がデンマーク語を習得することも、然程、難しくはないでしょう。
しかし、日本人がドイツ語やロシア語を学習しようと思えば、単語の記憶以上に、大きな壁として立ちはだかるのが「文法」です。
文法を正確に理解することなしに、ドイツ語やロシア語を読み書きすることは不可能です。
英語の文法は、極めて単純ですので、ドイツ語やフランス語に限りません、他のヨーロッパの言語を勉強しようとした場合、文法の難解さが大きな壁になります。
しかし、そこで怯むことはありません。
かつて、私がアメリカでロシア語を勉強していた時に、幼少時にロシア革命でアメリカに亡命してきたロシア人の老教授が私にこう言ってくれたことがあります。
「ロシア語の文法は非常に複雑なように思えますが、全ての変化は、小さな文字で書けば、この紙一枚に収まります。」
そういって、教授は、文法の変化表を、大きな紙一枚に表記したものを見せてくれました。
それは、A3版が2枚くらいの大きさで、非常に小さな字でミッチリ書かれているのですが、確かに、「あぁーこれだけ覚えればいいのだなぁー」という安ど感もあります。
「ロシア語の文法法則は、無限ではないのだ。有限であり、目に見えるこの大きな紙一枚をマスターすればよいのだ。」と思うと、精神的に楽になります。
こういったことは、どの言語にも当てはまるはずです。
英語と並んで、支那語には殆ど、文法らしい文法がありません。
支那語の達人に聞くと、とにかく、様々な表現法や単語・熟語の数を増やしてゆくというのが、学習法のようです。
文法の学習ではなく、ここの表現法に習熟してゆくということが、文法が簡素な言語の学習法の王道のようです。
ドイツ語やロシア語のような文法的に難解な(少なくとも我々にはそう思える)外国語を勉強する場合には、一つの救いがあります。
私の一般的な印象では、文法的に複雑な言語ほど、日曜用語に必須とされる単語の数が少ないことです。
例えば、これは以前読んだ本なので正確ではないかもしれませんが、
新聞や雑誌に出てくる言葉の90%をカバーするのに、単語をいくつくらいマスターしなければならないか?という基準があります。
フランス語やドイツ語では、5000語マスターすれば、90%のラインを超える事が出来ます。
これに対して、文法が単純な英語では、このラインが確か、8000語くらいのはずです。
つまり、言語というものもバランスがとれていて、文法的に比較的単純な言語においては、単語の数を多く習得しなければならない。
文法的に複雑な言語においては、逆に、習得すべき単語の数はそれほど大きくなくてよい。
何か、そんな法則があるように思います。
これは言語学者に聞いてみないと分かりませんが…。
最近は、外国語学習においても、音声や映像の教材が豊富に手に入りますので、これは非常に強い味方です。
いつでも、どこでも、やる気さえあれば、勉強が可能です。
現地に赴任する前から、挨拶の言葉くらいは、マスターする事が、どんな忙しい人にも出来るでしょう。
外国駐在が楽しくなるかは、私の見たところ、語学能力というよりは、寧ろ「パーソナリティーの問題」なのではないでしょうか?
個性豊かで、異文化に対する許容性があり、異文化との差異を楽しむような心境になれば、それは語学能力以上の、「現地への適応力」への源泉となります。
行きたくもない国に、突然、会社の都合で行け、と言われた方には、大いに同情しますが、
どうせ赴任するなら、それを「負担」とのみ考えるよりは、人生の新しい地平線を切り拓くチャンスと考えることができれば、貴方は既に、勝ち組の一人になったといえるでしょう。
最近は、相談を頂いた方に、こんなお答えをするようにしています。
人それぞれ、状況色々ですので、お役にたつかどうかは分かりませんが・・・・・・・。
最後に一言!
日本語を勉強している欧米人が、どんなに苦労しているかを知れば、我々も非常に気が楽になります。
全く異なる文法と、2種類の表音文字の体系と、最低3000くらいの表意文字(漢字)をマスターしないことには、日本語の読み書きは不可能です。
モンゴル人やトルコ人は、同じウラル・アルタイ語系の言語なので、日本語のマスターは比較的容易だそうです。
ただし彼らにとっては「漢字」が大きな障害となっています。
逆に、シナ人は、文法は全くことなりますが、漢字という共通項があるので、これまた別の意味で、日本語の習得が比較的早いようです。
我々の側からすれば、以前、トルコ語の先生に聞いたのですが、日本人がトルコ語を学習することは、比較的容易だそうです。
語順にしても、「私は大阪に行く」という日本語と全く同じ語順で話せばよいのだそうです。
ですから、日本語に近い言語(これはあまり多くはないのですが)を勉強するのなら、日本人も語学が得意ということになるでしょう。
↑ 6月24日・いよいよ新刊発売決定!!
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《お知らせ:藤井厳喜・新刊 6月24日、いよいよ発売 》

『超大恐慌の時代
』 藤井厳喜・著 (日本文芸社)
著者もビックリの凄いタイトルですw(><) (表紙もインパクト…)
一時、候補になっていたタイトルに『世界大破産』というのもありました。(←これを見た時、流石にふきだしましたwww)
世界経済を冷静に観察すると、日米欧中、みな揃って、景気が下降していることが分かります。特に日本においては、日本銀行と民主党政権がデタラメな経済政策を実行しているので、このままでは二番底に陥ることは確実です。
3・11の東日本大震災と、福島原発事故は、事態を更に悪化させてしまいました。
リアルに世界経済の現状を分析した本ですが、勿論、日本が最後のババを引かない為にどうしたらよいのかの対応策についても論じています。分かりやすく、図表もたくさん入れてありますので、経済が苦手という方も是非、手にとって、読んでみて下さい。
2011年に入ってからの中東騒乱も含む、最新情勢までカバーしてあります。
↑ 6月24日・いよいよ新刊発売決定!!
↑↑ 東北の文化・風土史そして災害史がよくまとめられてあります。東北の事を考える上で、貴重な資料だと思います。
↑ 私も寄稿しております!是非、御一読を!
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★ 地震・大津波で被害に遭われた方々に、心よりのおくやみを申し上げます。
又、原発事故により、避難や屋内退避を余儀なくされた多くの方々にも、お見舞い申し上げます。
※ 以下は、私が発行している弊社CFGレポート4月号に発表した文章からの一部引用である。
本ブログ上でも、このレポートを紹介してほしいとの希望があり、公開させて頂きます。
(ここのところ多数、寄せられる質問メールや、より詳細レポートの公表を希望する声に答えるものとします。)
要旨:
● 福島原発事故(3・11事件)によって、残念ながら、我が国は原子力発電という覇権的テクノロジーの優位性を失った。
これは、大東亜戦争の敗戦、さらに金融敗戦に続く、第三次敗戦と言ってもよい。
● 石油時代にとって変わる「原発ルネッサンス」への動きは、これによって決定的なダメージを受けた。
● アメリカは、原子力発電部門における技術的覇権をもう一度、日本から取り戻そうとしている。
1. 原子力ルネッサンスの幻想
1979年にアメリカでスリーマイル・アイランド原発事故が起き、1986年にソ連でチェルノブイリ原発事故が起き、これらの2つの大きな事故により、原子力発電は世界的に大きな挫折を体験した。
しかし、近年、「地球温暖化防止の為のCO2削減」を大義名分に、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を排除し、原子力発電を再評価する動きが急浮上してきた。
これを「原発ルネッサンス」ないしは「原子力ルネッサンス」と呼ばれて来た。
▲現在世界では442基の原子炉が稼働している。
現在、アジアを中心に155基以上の原子炉建設計画があり、既に65基が建設途中である。
1979年のスリーマイル・アイランド事件より、原発の新規建設を行なってこなかったアメリカも、既存の104基の原子炉に加えて、21基の新原子炉の建設を計画中である。
▲我が国の電力供給の電源別割合は、1980年には原子力17%、石油46%、石炭5%、天然ガス15%、水力17%であった。
これが2009年には、原子力29%、石油7%、石炭25%、天然ガス29%、水力9%となっている。
石油による火力発電の割合が極端に低下し、原子力発電が急速に伸張した事が明らかである。
これは、国家の電力政策の方針の反映であった。
つまり「脱石油・原発増設」こそが、日本の電力政策であったのである。
2. 覇権的テクノロジーとしての原発
アメリカの原子力発電所の新規建設が30年以上に渡って中止されている間に、わが国は、いつの間にか、原子炉の最先端国家となっていた。
現在の世界の原発建設事業は、事実上、日本、フランス、ロシア、3カ国の独占となっている。
▲我が国の原発技術は、アメリカから導入されたものであるが、アメリカの原子炉建設が停滞する中、わが国の東芝・日立・三菱重工の3社は、最新の原子炉建設技術を発展させるに至った。
東芝は、米ウェスティングハウスを買収し、日立は従来からGEと提携し、三菱重工はフランスの原子力産業アレバと提携している。
ロシアを除けば、最新の原発を建設出来るメーカーは、東芝、日立、三菱重工と、フランスのアレバの4社しか存在しないという状況となった。
アメリカとすれば、自らが開発した技術を日本に技術移転したのだが、いつの間にか、日本の方が優れた技術を開発してしまい、庇を貸して母屋を取られたような状況となっていた。
▲日本勢3社は、その傘下企業も含め、「地球温暖化論」の応援を受けた原発ルネッサンスの流れに乗り、原子炉輸出で世界に大きく飛躍しようとしていた。
その矢先に3・11事件は勃発したのである。
時、あたかも北アフリカから中東では、一連の反体制運動が連続して起こり、世界最大の産油地帯が極めて社会的に不安定な状態に陥っていた。
大産油地帯の混乱から、原子力ルネッサンスが更に加速化するかに見えた、まさにその時に、3・11事件は起こったのである。
▲原子力発電は、エネルギー供給における覇権的なテクノロジーである。
一国が優位性を持てば、他国は原子炉開発において技術を持つ国の風下に立たなければならなくなる。
エネルギーを握られるとは、国の生殺与奪の権を握られるに等しい。
その意味で、覇権的なテクノロジーなのである。
加えて、原発は、核武装と表裏一体の関係にある。
世界で「核の平和利用」という言葉が通じるのは日本だけである。
原子力発電は、核武装と表裏一体であるというのが世界の認識であり、原子力発電の推進とは、潜在的にその国が核武装を目指しているという意思表示でもある。
それ故に、アメリカはイランの原発推進を必死で阻止しようとしているのである。
ちなみに日本には既に40トン近くのプルトニウムが存在する。
それ故に、世界は日本の真意が核武装にあるのではないかとの疑いから常に目を光らせて来た。
また、日本では、欧米諸国が技術的理由から撤退した高速増殖炉計画やプルサーマル計画が生きており、これらが実現されれば、事実上の永久エネルギーを日本が手にする可能性すらある。
エネルギー自立とは、日本が欧米の桎梏から完全に自由な存在となり、また、石油その他の化石燃料の海外からの供給に制約される事なく、完全な主権国家として自立する事を意味している。
核武装をし、エネルギー自立を成し遂げた日本が、周辺諸国にとって大きな脅威と認識される事は当然の事であった。
日本人の大部分は、そんな事には気が付きもしなかったが、日本は原発開発を通じて、いつの間にか自立的な覇権確立への道を歩んでいたのである。
少なくとも、周辺諸国はそのように日本を見なしていた。
まさにそのような時に、3・11原発事故は惹起したのであった。
3. 対米依存に戻らざるを得ない日本
福島第一原発の第1号機から第4号機まで相次いで爆発・出火が起きた3月16日、東京電力は日本政府を経由せず、アメリカ国防総省に直接支援を要請したと伝えられる。
翌3月17日には、米軍の原子力災害対策チームの派遣が決まり、空母ロナルド・レーガン等、第七艦隊が福島県沖を中心に周辺海域に配備された。
菅直人首相は、米軍への全面依存に抵抗し、フランス政府と仏アレバへの支援要請に傾き、アメリカとの間に更に大きな軋轢を生じさせてしまった。
しかし、事故対策のノウハウを持たない日本側は、結局、米軍に頼らざるを得ず、今や福島第一原発内には、米軍が常時駐留する体制となっている。
▲米オバマ政権は、国内での原発建設を進める方針は変えてはいない。
福島原発事故を奇貨として、アメリカは日本の原発テクノロジーを再び、その支配下におこうとしているように見受けられる。
米原子力規制委員会の(NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長が福島事故に関する非常に厳しい評価を発表しているのはこの為であろう。
ヤツコ委員長は、元米民主党のハリー・レイド上院議員の科学顧問を務めており、2005年にNRCの委員に就任しているが、5人の委員の内、民主党系はヤツコ委員長1人である。
福島原発事故の危険性を強調するヤツコ委員長の発言内容を元来、原発推進派であるオバマ大統領が尊重しているのは奇妙な事に思えるかもしれないが、実はそうではない。
アメリカがこの際、再び原発技術を自らの覇権の内に収めようとしていると考えれば、オバマ=ヤツコ・ラインの福島原発事故に対する厳しい態度は十分に頷ける。
福島原発事故にも関わらず、米国内では目立った反原発の動きは起きていない。
▲東芝・日立・三菱重工の株価時価総額は世界的比較においては小さい方であり、アメリカ資本からすれば、その企業買収(M&A)すら可能である。
QE2で十二分の資金力を持つ米金融機関・企業からすれば、垂涎の的のテクノロジーを数多く持つこれら日本のハイテク企業は、現在、トンデモナイ「バーゲン・セール」にあると言ってもよい。
日本人が自信を喪失し、株価が低迷している現在、日本に奪われた覇権的テクノロジーを奪回し、自らの傘下に置く絶好のチャンスである。
▲原発を考える時、筆者が常に強調して来た1つの重要な視点は、「原子力エネルギー業界」対「石油・化石燃料業界」の対立という視点である。
1950年代にアメリカで原子力産業が生まれ、一時、急速に伸張しはしたものの、やがて頭打ちとなった。
この2つの業界の力関係を比べると、売上高は、二桁程も違うのである。
例えば、米GEの2010年の売上高は1502億ドルだが、原子力関連事業の売上高は10億ドル程度であり、全体の150分の1である。
GEのエネルギー部門の売上高は、約310億ドルであるが、この内、ガスタービンと風力タービンの売上が約40%を占めている。
またアメリカにおいては、日本の九電体制と異なり、電力会社の規模は小さく、その数も多い。
電力事業の自由化が進んだ事もあり、原発の運営企業である電力業界の政治力は、日本とは比較にならない程、弱い。
アメリカには日本で確立してしまったような原発翼賛体制は存在しないのである。
▲確かに原発は、日本のエネルギー自立に何がしかは貢献するものではあるが、そもそも日本にはウラン鉱石は殆ど存在せず、また日本国内にウラン鉱石からウラン燃料をつくる一貫した商業濃縮施設を持つ事は出来ていない。
持てば、日本は核武装を疑われる事になる。
また、放射性廃棄物については、その最終処理場すら決まっておらず、謂わば、原発は、水のない水洗トイレのような存在である。
つまり、燃料を自己調達できず、廃棄物処理も出来ないのであれば、原子力技術だけ優れたものをもっていても、そのエネルギー自立の度合いは極めて限られる事になる。
原発が日本の真のエネルギー自立を保証するものでない事も認めなければならない。
▲「原発vs石油」というエネルギー覇権を巡る世界的対立軸の中で、日本はいつの間にか原発輸出という目先の利益を求めてわが身を忘れて浮足立っていたと言えるのではないだろうか。
例えそれが地球温暖化プロパガンダに乗せられた非自覚的なものであったにしても、日本はトンデモナイ地雷原に我知らず足を踏み入れていた事になる。
原子力テクノロジーは、その本質からして、極めて危険な存在である。
敢えて言うならば、核兵器を開発し、制御できる国家のみが、原発をもコントロールできるのである。
「憲法9条」によって真っ当な国家体制を剥奪され、危機管理が出来ないような政府が、この最も危険なテクノロジーを使いこなそうとする事には無理があったと言わなければならない。
▲福島原発事故によって、アメリカはともかく、ドイツでは、脱原発の動きが加速化している。
ドイツのレットゲン環境相とブリューデレ経済相がまとめた草案によれば、同国は原発から再生可能エネルギーへの移行を加速する方針である。
メルケル首相は、福島原発直後、旧い原子炉7基の運転を停止した。
また、稼働中の原子炉17基の一部の運転を延長する計画を凍結した。
ドイツでは、原子炉は発電量の23%を担っている。
更に、ドイツの代表的重電会社ジーメンスは、福島事件直後にその原発部門を仏アレバに売却する事を決定している。
※ お知らせ
私の最新の「核武装論」については、4月28日発売の撃論 富国強兵号 vol.1「いまだ放射能で滅んだ国は無し、原発よりも危険な中国に備えよ!」
に、詳しい論文を掲載しております。是非、ご一読下さい。
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
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↑ 「無制限戦争(超限戦)」をまとめたこの著作は、情報戦争とアジア情勢の教科書として長く使える形を想定して書いたものです。通常の単行本3冊分のボリュームですが、是非、ご参照ください。
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★ 地震・大津波で被害に遭われた方々に、心よりのおくやみを申し上げます。
又、原発事故により、避難や屋内退避を余儀なくされた多くの方々にも、お見舞い申し上げます。
※ 以下は、私が4月12日に発表した長文のレポートである。
本ブログ上でも、このレポートを全文公開してほしいとの希望があり、公開させて頂きます。
(ここのところ多数、寄せられる質問メールや、より詳細レポートの公表を希望する声に答えるものとします。)
日本は原発を国家管理下に置くべし
(2011年4月12日発表論文)
要旨:
(1) 長期的には日本は脱原発を目指すべきである。
その理由は現行の原発の安全性を含む総合コストが高すぎるからである。
(2) しかし、原発を即時、全面廃棄する事は国の現状から見て不可能である。
それ故に、安全性を最優先して確保する為に、全ての原子力発電所を直接国家管理下に置くべきである。
(3) 直接、国家管理下に置く場合、原発の担当は「防衛省=陸上自衛隊」にすべきである。
(4) 日本の文化と伝統を大事に思う日本国民の方々に考えて頂きたい事がある。
それは、皇居に、そして皇族の方々の頭上に死の灰を降らせるような事があっては絶対にならないという事である。
(5) 福島原発事件に対して、日本政府は、全く有効な危機管理が出来なかった。
これは民主党政権が無能であるからばかりではない。
戦後の日本が主権国家たりえていないという、根本的な欠陥が、この原発事故問題で明らかになったのである。
(6) 国家の原発管理は、日本が主権国家として再生する機縁を与えるものである。
本文:
3月11日以来の福島原発事故で露呈したように、原子力発電所は、災害に見舞われたり、1つ取り扱いを誤まれば、巨大な被害が発生する極めて危険な技術である。
筆者は「核分裂に基礎を置く現行の原子炉は、これを廃絶して、新次元のテクノロジーに移行すべし」という意味での脱原発の主張者である。
この「脱原発論」の内容は、別に論ずるとして、現行の原発を即時全面廃棄できないことは、日本のエネルギー供給状況を見れば、火を見るよりも明らかである。
近年、原発は日本の電力供給の約25-30%を占めてきた。
そこで提案したいのが、国家による原子力発電所の直接管理である。
以下にその理由を詳しく述べたい。
(1) 営利最優先から安全最優先へ
福島第一原発の事故は、IAEAによってチェルノブイリ事故と同じ7段階レベル中の最高の第7レベルものであると4月12日に判定された。
福島原発事故は、スリーマイル・アイランド事故、チェルノブイリ事故と比べても地上先例のない原発事故であり、その最悪の点は、被害が未だ止まる事無く、被害が未だに拡大し続けている事である。
この原発事故の第一次的な責任は勿論、東京電力にある。
同じ地震と津波に襲われながら、事故を起こさなかった東北電力の女川原発と比較した場合、東京電力の責任はより一層、明らかになるであろう。
しかも女川原発は、震源地により近かったのである。福島原発がもたらしているのは、直接の健康被害だけにはとどまらない。
a. 農業被害
b. 漁業被害
c. 停電による経済被害
d. 避難民の経済的被害(地域共同体そのものの放棄も含む)
e. 海洋汚染
f. 大気汚染
以上の様な、被害が既に起きてしまっており、更に拡大中である。
東電が日本の国民経済にもたらした損害は既に兆円の単位を超えているであろう。
そしてこの被害はこれからも拡大しつつある。
また東電は国民経済に被害をもたらしたばかりではなく、海洋と大気の汚染を通じて、人類全体にも被害を及ぼしている。
この責任が厳格に追及されなければならないのはいうまでもない。
現在既に、原発事故のもたらした損害は、東京電力1社が補償する事の出来ないレベルにまで拡大している。
最終的には国家そのものが損害の補償をしなければならないであろう。
改めて思えば、事故を起こした場合、第一に、その事故の解決をする能力が無く、第二にその事故のもたらした損害を補償する能力のない企業が原発を運営していたのである。
これがそもそもの原子力発電に関わる仕組みの間違いであろう。
原発は、先ず企業のビジネス・モデルとして破綻してしまった事を明確に、我々は認識しなければならない。
それ故に今後は、1民間企業の管理を離れて、国家が原発を直接、管理しなければならないのである。
今回の事故が起きた原因の根本のところに、東電の営利第一主義が存在する。
現在の日本には原子力翼賛体制、ないし原子力マフィアとでも呼ぶべき体制が存在し、これが「原発安全神話」という幻想を国民に広めて来た。
電力会社が原発を推進する理由は単純明快であり、それが「儲かるから」である。
つまり営利第一主義である。
原発から生ずる厖大な利益をバラマキ、これによってマスコミは原発安全神話を垂れ流し、多くの学者は研究資金の供与などによって買収されて来た。
政治家も地域振興の目玉商品として、原発誘致に奔走し、原発の振りまく利益は地域経済も潤してきた。
電力会社はそもそも地域独占であり、競争の存在しない企業であるから、マスコミを通じて宣伝する必要は全くない。
にも関わらず、我々が膨大な量の電力会社の宣伝を目にし、耳にするのは何故であろうか。
以前から言われてきた事だが、カラクリは単純であり、いざという時の原発事故をより小さく報道してもらう為である。
この為に電力会社は厖大な掴み金をマスコミ業界全体にバラ撒いているのである。
社会科学系・技術系を問わず、多くの文化人・知識人もこの原発ネットワークに絡め捕られている。
特に、保守派の言論人などは「原発賛成派」ないし「容認派」でなければその活躍の場が著しく狭められてしまうというのが、マスコミと言論界の現実であり続けて来た。
保守派の言論人の間では、現在のマスコミの反日リベラル志向と民主党政権の情報隠蔽体質への批判が一般的傾向であった。
しかし、福島原発事故以来、マスコミと民主党の情報操作に非を鳴らしてきた保守派の言論人が、こぞって手のひらを返したように、原発擁護派となり、原発翼賛体制支持に回ってしまったのは誠に奇怪としか言いようのない出来事であった。
NHKを批判し、マスコミを批判し、民主党政権を批判して来た保守派と自称する人々が、NHKとマスコミと民主党が繰り出す情報操作の津波に浚われてしまったのは悲劇を通り越した喜劇ですらあった。
原発批判の言論、そして事実を指摘する情報は「国民の不安をあおる」の一言のもとに葬り去られてしまった。
マスコミ批判や民主党政権批判を、寧ろ「彼らが不安を煽り過ぎる」といった視点から行なう保守派まで出現し、今や「原発真理教」という新カルトが誕生したかの感さえある。
全ての原発推進派の人々が原子力マフィアに買収されているとは言わない。
中には何やら勘違いをして「愛国者は原発推進者でなければならぬ」と誤解してしまった人もいるだろう。
しかしマスコミに厳として打ち立てられた原発翼賛体制を支えてきたのは、まごうかたなく原発が生み出す厖大な利益である。
この利益をバラ撒く事によって、政界も財界も地域社会もマスコミも、文化人・知識人もいいように買収されてきたのだ。
この買収資金は勿論、原発がもたらす莫大な利益の一部である。
東電は何故、原発を推進して来たのかと言えば、単純に言って、それが儲かるからである。
安全を第二に、営利を第一にしてきたから今日の原発体制が存在するのであり、福島原発事故が起きたのである。
事故が起きた後では、原発の安全管理が盤石でなかった事は誰の目にも明らかである。
安全性対策は、営利主義との関係において決定される。
どの程度の地震が起き、どの程度の津波が襲来するかを決定するのは、最終的には電力会社の経営者である。
マグニチュード8.5の地震を想定するか、マグニチュード9.1の地震を想定するかは、経営者の経営判断に任されている。
過去100年間にマグニチュード8程度の地震しか起きていないとすれば、マグニチュード8.5の想定で十分と考えるのが、経営者の合理性である。
しかし1000年に一度、マグニチュード9クラスの地震が起きる可能性があれば、それに対応できる安全な原発を創るというのが、安全性第一の実践である。
より安全な原発は、より高価な原発である。
即ちより採算性の悪い原発である。
即ち営利の確保を優先させつつ、「このくらいでよいだろう」という思惑で行なってきたのが現在までの原発の安全対策であった。
より安全な原発を求めれば、原発の建設、そして運用コストは当然、上昇する。
つまり安全対策を最優先で強化すれば、原発はビジネスとしては成立しなくなるのである。
そもそも電力会社は、自由競争を除外されている。
それは、電力の安定供給が優先されるからである。
自由競争から除外される代わりに、国民に安定した電力を供給するというのが電力会社の使命である。
別の謂い方をすれば、電力を安定供給するという目的の為に、独占事業体という特権的地位を与えられているのである。
事故の原因に関する追及はともかくとして、結果として東京電力が電力の安定供給を出来なかったのは事実である。
東電は、独占的立場を与えられたにも関わらず、国民への安定供給という公約を守れなかったのであるから、その責任は誠に重大であると言わなければならない。
これに加えて、事故が生み出した様々な被害へのコスト負担も基本的には東京電力が責任を負うべきものである。
今回の地震や津波にも耐えうる原発を作っていれば、更なる費用が必要であったろう。
しかし、その費用は電力消費者に上乗せできるのが、独占事業体としての電力会社の特権である。
にも関わらず、それを行なわなかったというのは、全てこれ東京電力の責任である。
様々な被害をさておいても、電力供給不足がもたらした経済的な第二次被害だけでも、厖大なものがあり、中には倒産を余儀なくさせられる企業も発生している。
更に被害の総コストを考えた場合、日本国民は東京電力を事実上、破産させ、経営陣の責任は徹底的に国民が追求しなければならない。
少なくとも、現在の取締役全員の首の挿げ替えは必要である。
ちなみに現在の取締役の中には原子力発電の専門家は一人もいない。
(2) 原発のコストは国民全体で負担するしかない
原発の安全に関しては様々な議論がされているが、筆者としては以下の2点を強調しておきたい。
先ず第一に、原発事故のもたらす災害の巨大さである。
一旦、原発事故が起きれば、一地域、場合によっては、一国全体を破壊してしまう可能性がある。被害者の数も一挙に100万人単位に及んでしまう。
例えば水力発電所にしろ、火力発電所にしろ、最悪の事故が起きた場合でも、その災害の程度は知れている。
飛行機は偶に墜落するものであるが、旅客機が墜落しても、その被害者は旅客機の乗客と乗員の全員でしかない。
たまさか墜落地点が人口密集地帯であったとしても、墜落事故に巻き込まれる人の数は限定されている。
ところが原発においては全くそうではない。
スリーマイル・アイランド事故の場合、避難民の総数は100万人に及んでいるし、チェルノブイリ事故の場合、被害地域は600キロメートル圏に及び、健康被害者の総数は数十万人と言われている。
つまり大事故の場合の被害の巨大さは、原発の場合、まさにカタストロフィー(破局)という言葉が最も適切である。
今回の福島原発の場合でも、事故が最悪のコースを辿っていれば、首都圏全体が高度の放射能汚染地域となり、東北地方と首都圏は長期に渡って、人間の住む事の出来ない環境となっていたであろう。
福島原発事故は、現在も拡大中ではあるが、この程度で済んでいるからと言って、タカをくくっている事は許されない。
危険なものを扱う場合、常に最悪の事態を想定して我々は行動しなければならない。
原発事故が起きた時に、多くの欧米人が近隣地域は元より、首都圏からも避難した。
遠くは外国へ、あるいは日本国内では、関西地域より西に移動した。
彼らの行動原理は明確である。
第一に、彼らは日本の民主党政権の発表を信用しなかったし、第二に最悪の事態を想定して行動したのである。
日本人の大部分は、最悪の事態を想定して行動したのではなく、事故が大きくならないであろう、という希望的観測に従って、行動したのである。
日本人の弱点である「集団志向」と「付和雷同性」、つまり「空気」によって動かされる国民性からして、もしこの希望的観測が崩れていれば、全ての人間が一挙にパニックに陥っていたであろう。
国民の多くは、科学的知識に裏付けられた確信があるから避難しなかったのではなく、政府とマスコミの情報操作によって「安全だ」と思わされて避難しなかったのである。
空気に流されていただけである。最悪の事態を想定して、自主的に行動していた訳ではない。その証拠に、首都圏のみならず、買い溜め行動が頻発している。
これは自分の周辺の人間が買い溜めに走ったのを見て、自分も同様の行動に従った訳であり、空気に流される日本人の行動様式を最もよくあらわしている。
ともかくも、こういった行動様式は原発のように安全第一でなければならない技術を扱う際には全く適していない。
最悪の事態を想定して行動するという原理を、我々は原発に関しては採用しなければならない。
原発の安全性に関して強調したい第二の点は、日本の地理的特性である。
それは、地震が多く、津波が発生するようなお国柄であるという事である。
世界の地震の2割が日本列島で起こると言われており、この列島に50機以上の原子炉を並べて暮らしている事の問題点である。
地震のないフランスやドイツ、そしてアメリカのテキサスの大平原や東部に原発を作るのと、日本列島に原発を作るのとでは、全くその安全性に関する意味が違ってくる。
原発は、地震や津波のような自然災害がなく、テロのような人災もなく、マニュアル通りに操作されているならば、それが安全である事は確かである。
チェルノブイリとスリーマイル・アイランドは、原発を操作する側の誤りから発生したものである。
その点で、原発事体は安全性を十分に考慮されて設計されている、という設計者の言葉には確かに頷ける。
しかし日本列島では地震は頻発するものであり、日本列島上の如何なる地点でも、いつでも大地震は起きる可能性がある。
テキサスの大平原のような訳にはゆかないのである。
当然、置かれる地理的条件によって原発のもつ安全性の度合いは変わって来る。
残念ながら日本列島は、原発を設置するには適した地理的条件を満たしていない。
筆者は何も、世界中で原発を停止しろと主張しているわけではない。
大地震が頻発するこの国においては、原発は適切な発電方法ではないと主張しているだけである。
それでも、電力供給の1手段として原発が当面必要であるというならば、そのコストは国民全体で負担しなければならないであろう。
国民全体で負担するとは即ち、原発を国家管理下に置くという事である。
原発を国家管理下に置いて初めて、採算性を第一にするのではなく、あくまで最悪の事態を想定した安全性を第一として建設し操業する事が可能となる。
電力会社は公共事業を営むと言いながら、私企業体である。
私企業体である以上、経営のボトムラインは利益追求である。
またそうでなければならないはずである。
それを考慮すれば、原発はそもそも、日本においては私企業体に運営を任せるのには適していない発電方法である。
原発を国家管理とする場合、どの省に担当させるべきであろうか。
一般的には経済産業省が考えられるが、福島原発事故で表れた経産省保安院の体たらくをみれば、国民の誰も経産省に原発運営を任せたいとは思わないであろう。
経済産業省も原発翼賛体制の一部なのであるから、この省に原発の運営を任せる事は出来ない。
危険な施設の管理は危険物取扱いの専門家集団に任せるべきである。
危険物取扱の最も優れた専門家集団は、軍である。
防衛省に原発の運営管理を任せる事が最も適切であろうし、自衛隊の中では、陸上自衛隊が最もこの任務に適しているであろう。
勿論その為には防衛省・陸上自衛隊の中に、専門家を養成する必要がある。
特に、アメリカのエネルギー省・国防総省・軍隊との協力のもとに、専門家を育てる事は不可欠である。
しかし専門家を外部から雇い入れる事も考えれば、陸上自衛隊が、その能力を持つ事は何ら難しい事ではない。
今回の福島原発事故においても、筆者は当初から、事故全体の処理が出来る組織は、米軍しかないと主張してきた。
米軍は、原発事故は勿論、小規模の核戦争の戦場処理も想定しており、それを担当する専門部隊も存在する。
核兵器を保有している以上、自らが核爆発被害の被害者となる事も想定して、米軍はそれに対応する部隊を設置して来た。
原発事故の処理を任せる事が出来るのは、日本国の組織においては、防衛省・自衛隊しか存在しない。
自衛隊にそのような機能を付加し、原発の運営管理に責任を持たせる事が、福島原発事故のような災害を繰り返さない唯一の国家的方策である。
思えば、東京電力は、そして日本の原発メーカーは、自分で起こした事故の解決が出来ないような無責任な存在でしかなかった。
日本政府もまた、原発を必要不可欠な電力供給源と位置付けながら、万が一の事故が起きた場合の事故処理を出来る能力を全く育てて来なかった。
「原発安全神話」の陰に隠れて、万が一の事故が起きた場合の事故処理については、全く無能力かつ無責任であり続けて来た訳である。
これは東京電力や原発メーカーのみを責めてよい問題ではない。
まさにここに第二次大戦後の日本が「国家」ではない、という現実が最も如実に表れている。
筆者のかつての著作のタイトルを用いていうならば『国家なき国ニッポン』の悲劇がここに露呈している。
戦後の占領状態の延長線上にあり、主権国家体制が未整備であるがゆえに、危機管理が出来ないのである。
「国家」とは本来、想定外の危機に対処する為に行動する主体である。
想定内の事態しか起きないのであれば、行政だけで十分である。
政治的決断が求められるのは、常に有事の危機的状況においてである。
そのような国家全体の存亡が危うくされる危機を想定しないというのが、戦後日本の堕落であり、悲劇でもある。危機を想定しない以上、危機管理が出来ないのは、当然の結果である。
現行の日本国憲法の欠点は、何も憲法九条だけではない。
戒厳令のような非常事態条項が無い事も又、この憲法の大きな構造的欠陥の1つである。
このように考えれば、原発事故対策には、戦後国家体制の不備という問題が最も露骨な形で表れているとも言えるのである。
自衛隊に原発管理をさせるとは、即ち、日本が本来の主権国家としてのありようを取り戻すという事でもある。
国家として危機管理の意志と能力を回復しうる時にのみ、日本人は原発という危険な存在をコントロールできる可能性がある。
筆者が、世界の人々に対して恥ずかしく思うのは、日本がハイテク大国だと言われ、これほど原発を作っておきながら、今回の事故には全く有効に対処できなかったという悲しい現実である。
日本は、国家として一人前ではないし、日本人は自らの犯した過ちを自ら正す事が出来ない程に愚かな存在であったのである。
この事は、誰に謂われるよりも先に日本人が覚醒をして猛反省をしなければならない。
世界の国々やIAEAに代表される国際機関の多くは、日本政府(菅政権)の発表を信用していないし、その危機管理の無能のは、世界から軽蔑されてさえいる。日本の信用はガタ落ちなのである。
日本のハイテク製品の信用も大きく傷つけられてしまった。
そもそも原発は危険なものである。
では何故、その危険なものを使わざるを得ないのかと言えば、それは日本国家の電力供給の安定の為に、発電方式を多様化しておくためである。
現在の電力会社は原発が利益を生むからこれを推進して来たのであるが、そもそもこれは国策としては全くの誤りである。
後で説明するように、原発はその高濃度廃棄物も含めれば総合的コストは膨大であり、決して儲かる筋合いのものではない。
子孫にも大きな負担を強いる事になる。
にも関わらず、当面、原発が必要である理由は、電力供給源を分散し、安定化させる為である。
電力に限らずエネルギー問題は、安定供給こそが最も重要であり、コスト面は第二義的重要性しかもたない。
これは経済の国家的運営を考えた場合には当然の結論である。
私企業レベルで見れば、コストの問題が第一であるが、国家的レベルで見れば、安定供給こそが第一の課題である。
つまり、原発というものは原理的に言って、儲かるからやるものではなく、国家的必要から推進すべきものなのである。
特に、これといった自然資源をもたないにも関わらず、製造業を中心として経済大国となった日本としては、エネルギー供給の安定は国家の安定と発展の為の必要不可欠の条件である。
それ故に、様々なマイナス因子をもつにも関わらず、日本は原発の建設を進めたはずである。
そのような国家としての苦渋の選択を一切、国民に忘れさせ、国民を愚者の幻想におぼれさせるものが「原発絶対安全神話」であった。
絶対安全でない事を前提として、まして地震大国日本においては本来危険である事を前提とて、原発を推進しなければならなかったのである。
万が一、事故が起きた場合の危険性を国民に周知徹底させ、近隣住民の避難訓練も最低年に1度くらいは行ない、その上で原発を推進すべきであったはずである。
原発は危険極まりない巨大技術であるが、国家の安定と経済の発展の為に、必要な存在である事を国民の全体が納得した上で、進めなければならなかったはずである。
ところが日本国政府も電力会社もこの点を全く国民の目から誤魔化して原発を推進して来た。勿論、これには左翼リベラル派のヒステリックな反原発運動という、これまた国家的視点を全く否定した運動があった事も事実ではある。
日本の既存の反原発運動は、反体制・反国家の為の感情的な原発否定運動であった。
原発問題を通じて、国家や社会の絆を破壊しようとするのが彼らの運動の本質であった。
この為、原発推進派と原発反対派の不毛の激論が続けられてきた。
原発推進派は原発の本来の危険性を全く隠蔽し、絶対安全神話で国民の耳目を誤魔化し続けて来た。
原発反対派はエネルギー安定供給の事などは全く無視して、本質的問題もさることながら危険性を針小棒大に吹聴し、また小さなアクシデント等の枝葉末節まであげつらって、原発反対を反体制運動に利用して来たのである。
日本国民は最早、こういった不毛の二項対立と教条主義(ドグマティズム)の対決から卒業すべき時である。
国民に定期的な避難訓練を求めるような、危険性を前提としての原発運営が出来ないというならば、日本国民は原発を運営する能力のない国民であると言わなければならない。
危険を前提としたのでは原発の建設も運営も出来ないのであれば、日本人は原発を諦めるしかない。
原発を維持するというのであれば、あくまでも「原発は危険なものではあるが、その危険を承知の上で、総合的な国益の観点から、敢えてそれを運営するのである」という覚悟が必要である。
福島原発事故に対して、菅民主党政権が全く危機管理が出来なかったという事は周知の事実である。
民主党政権の反国家的性格と菅首相個人の無能力の故に、危機への対処が稚拙を極めたという点は確かに存在するが、一方、この問題が日本の戦後国家体制の不備から生じて来たという点も否定する事は出来ない。
敗戦後の被占領状態を克服しえず、一人前の主権国家足り得なかった戦後の政治体制の弱点が、今回の国家的危機によって極めて露骨な形で国民の目に曝されたのである。
戦後の経済至上主義は、この半主権国家状態と硬貨の両面のように一体となってきた。
国家の自立と防衛を第一義とせず、経済価値のみを偏重して来た戦後のイビツな体制こそが、今回の福島原発事故に対する危機管理が不在の、最も根源的な原因である。
戦後体制のこの醜悪なまでのイビツさを批判して来た人々は、今こそ、声をあげて事故の根本的原因となった戦後体制の欠陥と拝金主義を批判しなければならないであろう。
ところが、戦後体制の非を鳴らしてきた人々の一部が、原発翼賛体制というまさに戦後体制の現状維持を主張し、原発事故に露呈された所の戦後体制の欠陥を批判しないのは、如何なる故であろうか。
その真意はともかく、彼らの一貫性の欠如だけは指摘しておかなければならない。
危機管理が不可能であったのは、主権国家体制が不備であったからである。
この点を明確に認識しなければ、何ら前向きの方策を論ずる事は出来ないであろう。
国家の直接管理下に置いたからといって、原発の安全性が自動的に保証される訳では全くない。
チェルノブイリ事故は、ソ連の国家管理下で起きた。
ソ連官僚主義の機能不全が引き起こした巨大事故であった。
防衛省管理下の原発を監視する為に、国家の別機関である原子力規制委員会のような存在が、常に安全性を厳しくチェックしてゆく仕組みが必要である事は言う迄もない。
原発に厳しい目を向ける民間人を中心に構成されてこそ、規制委員会はその本来の役割を果たす事ができる。
情報の公開と透明性を確保する為には、憎まれ役としてのチェック機関が必要なのである。
現在の原発翼賛体制の問題は、関係者が全てファミリーとなってしまい、第三者によるチェック機能が働かない事であった。
日本国の文化と伝統を大事に思う日本国民の皆さんに、深く考えて頂かなければならない事がある。
それは、皇居に、そして皇族の方々の頭上に死の灰を降らせるような事は、絶対あってはならないという事である。
愛国者や保守派を自認するならば、この事だけは肝に銘じておかなければならない。
日本列島は、我々が先祖から受け継ぎ、子孫へと伝えてゆかねばならない、日本民族という生命体の一部である。
大規模な原発事故は、この日本列島を半永久的に汚染してしまう、民族の未来への犯罪である。
原発推進派の心の根底にあるのは、日本列島の自然を単に「モノ」としか見ない唯物論であり、自らの世代の物質的繁栄を至上と考える拝金主義なのではないだろうか。
(3) 原発はエネルギー自立には役立たない:実用化近い新エネルギー開発に力を!
エネルギー、特に電力の安定供給の為に、ある程度、貢献して来た原発ではあるが、根源的に考えた場合、実は原発は日本国家のエネルギー自立には殆ど貢献していない。
先ず、原発の燃料であるウランは日本国内では殆ど採取されない。
日本はウラン燃料を、外国からの輸入に依存しており、その点では石油の外国依存と全く変わりはないのである。
加えて、わが国は、ウラン鉱石を燃料化する為の独自の濃縮施設を保有できないでいる。
日本にも濃縮施設は存在するが、IAEAの厳格な監視下に置かれている。
何故なら濃縮技術は即、核武装に繋がるからである。
日本は、核拡散防止条約に入り、核武装をしないという前提条件で、原子力発電を許されているのである。
日本の原発施設全体は、日本が核武装をしないように、IAEAの厳格な監督下にある。
何故、我々が国家のエネルギー自立に配慮しなければならないのかと言えば、国家の政治的自立(自己決定能力と言い換えてもよいが)を可能にする土台が経済的自立であり、この経済的自立を成り立たせている大きな柱がエネルギー自立だからである。
国家経済が必要とするエネルギーを自主的に調達できない国家は、如何なる思想やイデオロギーを振り回しても、政治的に自立する事は出来ない。
大東亜戦争敗戦に至る日本の悲劇はこの事を最もよく物語っている。
大東亜戦争は石油禁輸にはじまり、石油の枯渇によって敗戦に至ったと言っても過言ではない。
戦後の日本も工業国家として発展しながらも、そのエネルギー供給は原油を始めとして圧倒的な比率で外国からの輸入に依存して来た。
この中で、エネルギー供給源を多様化する必要から、電力生産の選択肢の一つとして原発が育成されたのではあるが、実はその燃料は外国に依存し続けて来たのである。
原発は国内には存在するが、その燃料は外国からの輸入である。
これでは外国から輸入した原油で発電している火力発電所と全く変わりはない。
原発の場合、日本は優れた原子炉製造技術を持っている。
この点の技術的優位が日本のエネルギー自立になにがしかの貢献を成しているのは事実ではあるが、日本はアメリカ・カナダ・オーストラリア等のウラン産出国に依存するのは勿論、潜在的な敵対国であるロシアからすらもウラン燃料を輸入しているのである。
原発もまた、日本のエネルギー自立を支える技術ではないという事を自覚しておかなければならない。
原発が自立的エネルギーとなれない第二の理由は、その高濃度の放射性廃棄物の処理の仕方が決定していない事である。
原子炉が排出する放射性廃棄物は、現在国内では六ヶ所村に貯蔵されているが、この六ヶ所村も最終処分場ではない。
つまり暫定的な処分場に過ぎない。
原子炉の廃棄物である高濃度放射性物質であるプルトニウムを中心とする「核のゴミ」をどのように処分するかについては、その処理方法が全く未定なのである。
実は日本は、初期の原発で生じた核廃棄物をフランス等の外国に貯蔵してもらってきたが、最早それらの廃棄物の貯蔵期限が過ぎて、日本国内に再輸送しなければならない羽目に陥っている。
半減期が一万年単位の放射性物質を長期に安定的に保存する場所は、世界的にも限られている。
今のところ、高濃度放射性廃棄物の最終処分場は、地球上にたった1か所、スウェーデン国内にしか存在しない。
地震列島日本においては、半永久的に安定した地盤は存在せず、国内における最終的な処分場を確定する事は殆ど不可能である。
これには勿論、当該地域住民の政治的反対という社会的な要素も介在するが、原理的に日本にはそのような半永久的な安定地盤が存在しないのである。
存在したところで、高濃度放射能の管理は半永久的でなければならないので、我々の子孫に非常に大きな負担を残す事になる。
我々の世代が安価な電力を使い放題にするそのコストを、子孫たちが負担しなければならない事になる。
これは赤字国債等の発行など問題にならないぐらいの、未来の日本国民に対する負担の強要である。
我々の世代のエゴイズムは許されない。
ウランを燃焼させて発生するプルトニウム自体を更に燃料として利用しようというのが高速増殖炉計画であり、プルサーマル計画であった。
高速増殖炉に関しては、各国とも先進技術として研究はしてきたが、その実用化の見通しは未だ全く立っていない。
日本においては、原子炉「もんじゅ」が事故による長い閉鎖の後、この実験を再開し、再び事故を起こして今や原子炉は停止状態にある。
(停止状態ではあるが危険な状態が続いている。)
福島第一原発第3号炉では、プルサーマル計画が実行されており、ウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料なるものが使用されていたが、今回の事故でそれも挫折してしまった。
こうなると、ウランを燃焼させる事によって一方的に蓄積されてゆくプルトニウムの処理が益々困難になってくる。
最終処分場も定まらないまま、プルトニウムに代表される高濃度廃棄物がドンドン蓄積されて来る状態では、とても原発を安定エネルギー源として発展させてゆく事は出来ない。
また、処分の最終方法と処理場が定まっていないばかりではなく、経済的に考えても半永久的に発生し続けてゆく高濃度廃棄物の処理コストを考えれば、原発は経済的にも決して儲かるものでもペイするものでもない事が分かる。
原発が一見儲かる存在であり続けていたのは、営利性を優先させ、建設と運営において安全性をある程度、犠牲にし、かつ最終処理コストをバランスシートから意図的に除外して来た為である。
更に原発のコストを考える場合、忘れてはならないのがテロという人災がもたらすコストである。
日本に敵対する国家ないしテロリスト集団が、日本の原発を攻撃すれば、チェルノブイリのような、あるいはそれ以上の事故を起こす事は容易である。
特に、日本海沿いにあるいくつもの原発は、北朝鮮の脅威に限定して考えても、極めて脆弱である。
北朝鮮の特殊部隊が、海上の小さな艦船から原発にミサイル攻撃を仕掛ける事も出来るし、特殊部隊が上陸し、原発を短期間占拠して、事故を起こさせる事も可能である。
チャイナやロシアのミサイルが原発に命中すれば、日本への核爆弾投下に等しい効果を生む事になる。
日本の原発建設に関しては、このような外敵が引き起こす危険の問題は、全く考慮されていない。
この為にも、原子炉の運営管理は防衛省が行なわなければならないのである。
一民間会社が経営し、警察が警備しているような現状では、テロリストの侵入や攻撃を防ぐ事は殆ど不可能である。
こういった文脈で考えると、憲法九条という非武装主義と原発推進は最悪の組合わせである。
現行の原発翼賛体制が、新しいエネルギー技術開発を阻止している側面も最後に指摘しておかなければならない。
現在のウランを燃焼させるタイプの原発は、巨大技術ではあるが、決してハイテクノロジーではなく、寧ろローテクノロジーである。
原理はウランを爆発させる広島型の原発を制御棒を使ってユックリ爆発させているだけである。
この爆発の熱源で水を蒸気に変え、蒸気タービンを使って発電しているのであり、熱源が原子炉であるという点を除けば、火力発電所と全く同じ原理で動いているに過ぎない。
現在の原子炉は、主にアメリカで第二次大戦直後に完成された旧いローテクである。
また、日本では、このローテクに磨きをかけはしたものの、本来25年で廃炉にする予定のものを40年以上も使ったりするものだから、余計に事故が起きやすくなっている。
25年使用して、減価償却が済んだ原子炉は、長く使えば使う程、電力会社にとっては、面白い程、利益の上がる仕組みとなるので、危険度が上昇する事を承知しながらも、もう5年、もう10年と使い続けて来たというのが実態である。
原子炉自体の設計に関しても、もっと安全な進んだ技術が開発されており、これらを導入してこなかったのは、第一義的には営利優先の電力会社の責任である。
原子力発電に関する新しい技術という事であれば、筆者は全く次元の異なるトリウム原子炉や常温核融合が大きな可能性を持っていると考えている。
代案なくして、反原発を訴えるのは無責任である。
トリウム原子炉に関して言えば、高濃度の放射性廃棄物が少なく、核兵器の拡散も抑止しながら、より安全に運転できる技術として注目されている。
日本でも一部で先進的な研究が進められてきたが、現行の原子炉体制に安住する電力会社経営陣は、これに一顧だに与えず、全く無視して来た。
核融合原子炉は、現行の核分裂を基礎とする原子炉とは全く次元の異なった真の夢のテクノロジーである。
日本も参加している国際的な核融合研究所はフランスに存在し、現在も研究は進行している。
これは水素原子を燃焼させてヘリウムを作る際に発散するエネルギーを利用するものであり、水素爆弾の原理と同じである。
また、この原理は太陽が燃焼する原理と同じであり、核融合は、地球上において人間が自在にコントロールできる太陽エネルギーを手に入れる事に等しい。
これは又、放射性廃棄物の生じないクリーン・エネルギーでもあるが、核融合のコントロールは極めて難しく、現在の研究の方向性では、実用化の目処は全くたっていない。
太陽の表面温度は6000度であるから、地球上に太陽エネルギーを作り出す核融合原子炉の実用化が如何に危険であり、又、困難であるかは十分に想像できる。
そこで、常温で核融合を起こす事の出来る常温核融合の研究が行なわれている。アメリカの科学者が常温核融合を実験室で実現したと発表し、これは科学界でも一時的に話題にはなったが、その後、この発見は「ゲテモノ」扱いされて、現在の科学の世界では白眼視されてきた。
しかし、筆者の知るところ、日本の民間で常温核融合技術の開発は着々と進められてきており、今や数百億円程度の技術開発費を投ずれば、実験プラントが建設可能なところまで到達している。
この情報の真偽を疑われる方もいる事だろうが、少なくとも日本の民間で、このような技術開発が着実に行なわれているにも関わらず、電力会社はこのような新しい技術の可能性を全く無視ないし敵視してきた。
現行の原発翼賛体制の中で、汚れた利益をむさぼる原発マフィア達からすれば、現在の原子炉よりも、安全で安価な原子炉は、無用なものであり、無用なものである以上に、彼らの利益を脅かす危険なものですらある。
多くの専門家が同意しているように、現在のウランの核分裂に基づく原子力発電は、どう控えめに見ても、過渡的なつまり橋渡し的なテクノロジーでしかなく、究極のエネルギー源としては、核融合が想定されているにも関わらず、原発マフィアはこの事実を全く隠蔽してきた。
本来、原発が生み出す利益は彼ら自身の懐を潤す為や、マスコミと世論対策費に使われるべきものではなく、常温核融合のような真に革新的な技術開発に向けられるべきものである。
これを行なわないのみならず、トリウム原子炉や常温核融合技術を寧ろ、潰そうとしてきた電力会社経営陣の責任は誠に重大であると言わなければならない。
(4) 電力不足、CO2規制、そして配電網の開放自由化はどの程度、行なうべきか
筆者は、全ての原発を全面的にただちに停止しろとは主張しないが、少なくとも中部電力の浜岡原発のような、予測される東海地震の震源地に極めて近い所にある原発や、活断層の上に設置されている事が明白な原発は、計画的に停止すべきものと考える。
新エネルギー源を含む、代替の電力設備が準備されるのに応じて、徐々に日本は脱原発の方向に向かうべきである。
新エネルギー源には勿論、上述のようなトリウム原子炉や常温核融合の可能性も含まれる。
無論、既に実用化されている様々な循環可能な電力源の開発も含まれる。
このような方向に進んだ場合、果たして日本の電力は不足するのだろうか。
現在、火力発電所の発電能力は6割程しか使われておらず、CO2排出の問題さえクリアできれば、火力発電所がフル稼働すれば、日本国の発電能力自体には全く問題はない。
2006年度の日本国の総発電量は1兆1611億kWh(キロワットアワー)であり、その内、原発による発電が約26%を占めていた。(2005年度の日本の第一次エネルギー供給全体の中で、原子力発電の占める比率は11.2%である。)
原発分を差し引くと、約8600億kWhであり、これは1990年の日本の発電量とほぼ同量である。
電力使用の中の民生用(家庭用)は総発電量の約3分の1と言われている。
ところが1990年以来の電力の増加分には、電力会社の売上増加の為に進められてきた電力消費も多い事は明白である。
台所のオール電化や床暖房などは、その一例であり、ガスによる調理を電気に変えれば、台所はクリーンになるかもしれないが、電力消費量は確実に増大する。
電力供給に余裕がある時には、経済産業省が音頭取りをしての都心や観光資源のライトアップも盛んに奨励されてきた。
冷蔵庫やテレビ等の個々の家電製品に関しては、節電化が進んでおり、1990年を基準にして、不必要な電気使用を合理的に節約すれば、さ程の不便は感じないで脱原発化を行なう事は可能である。
最近では、電力の賢い使用の為のテクノロジーであるスマート・グリッドが注目を集めている。
電力供給においては、常にピーク時の発電量と電力使用量が問題になるが、工場の深夜や土日の操業等も考慮にいれ、社会全体として平均的な電力消費を進めれば、IT等を利用したスマート・グリッド(合理的な配電網)の利用と合わせて、社会全体の合理的な節電体制の構築が可能となる。
このような電力の消費サイドの合理化を議論せずに電力不足のみをあげつらうのは、盲目的な原発推進派が弄びたがる虚妄のレトリックである。
火力発電所をフル操業しようとすれば、恐らくそこで最大の問題になってくるのはCO2の排出量である。
筆者は元より、CO2排出量の増大が地球温暖化の原因であるとする理論は、単なる仮説の1つとしてしか認識していない。
しかし残念ながら、現在の世界世論では、CO2原因論が多数派のようであり、日本も一定の対外公約をしてしまっている。
しかし、未曽有の大地震と津波によって引き起こされたレベル7の原発事故については、世界中の人々が知っており、この非常事態における日本への同情も広範に存在している。
日本政府としては、CO2削減の公約を、完全に反故にするとは言わないが、少なくとも棚上げにして、その実施を大幅に遅らせる事は可能である。
いや、そのような例外的措置を可能にする事こそが外交力であり、本来、政治家に与えられた使命でもある。
日本が生産するキーパーツの供給が途絶えてしまった為に、世界的に甚大な経済的被害が生じている。
日本が供給する中枢的な部品なくしては、製品の製造自体が出来ない企業や工場が世界的に多数存在している。
日本のCO2排出への例外措置は、日本への同情からばかりではなく、これら日本企業からキーパーツの供給を受けている多くの外国企業や諸国民の利益そのものともなる。
それ故に、CO2規制の棚上げは、比較的容易であると考えられる。菅民主党政権には難しいかもしれないが、このような国益外交こそ本来、能力のある外交官や政治家が行なうべきものである。
将来の日本国の電力供給体制を考える時、現在の九電力の独占体制を現状のまま維持してゆく事は考えられない。
九電力による独占的な体制が、現在の原発翼賛体制を生んできた一因だからである。
時代は送電網の開放による電力自由化の方向が世界的である事を示唆している。
ところがこれには難しい問題が存在する。
送電網を開放し、電力の売買を自由化すれば、安くて豊富な電力が供給される、という程に物事は単純ではない。
我々はアメリカにおけるエンロン事件という巨大な企業詐欺事件を既に知っている。
送電網の開放と売買電の自由化によって、寡占的な体制を確立したエンロン社は、カリフォルニア州における架空の電力不足を演出するという違法行為により、巨大な不当利益を上げる事が出来た。
やはり電力のようなエネルギーに関しては、基本的には国家がその供給に責任を持つというのが原則でなければならない。
ちなみに電力のみではなく、水道水の供給においても、いたずらな私企業化が発展途上国と言わず、先進国と言わず、多くの国の国民に甚大な被害を与えているという事実も存在する。
電力や水のような公共財の供給に関しては、基本的には国家が管理し、責任を持つという体制が、最良の選択である。
しかし、現行の九電独裁体制は、国家が責任をもつ体制ではなく、また自由競争が効率的に行なわれる体制でもない。
エンロン事件のような不祥事の再来を防ぐ為に、国家が公共の為の監視者として存在しながら、ある程度の電力自由化を進めるというのが最も現実的な選択肢である。
この中から安くて安全な電力供給の新しいテクノロジーも発達し、より効率的なスマート・グリッドも実用化してゆくであろう。
未来において可能性のある1つの究極的なモデルは、水素を燃料とした燃料電池によるコジェネレーションによって、熱と電力の供給を小さな単位で行なうというモデルである。
つまり、1つのビルや1つの工場、あるいは一定の住宅地域が、燃料電池という発電システムを持ち、電力と熱の供給を全て賄うという構想である。
これが実現すれば、巨大な発電所は不要となり、社会の中に多元化した幾つもの小発電所が存在するネットワーク型の電力供給システムが生まれる。
それぞれの地域における電力の過不足はスマート・グリッドによって調整される。
燃料電池の最終的な廃棄物は、H2O(水)であり、CO2も排出しない。
問題は燃料の水素をどのようにして製造するか、であるが、その問題さえクリアされれば、燃料電池は電力供給のみならず、輸送機関や工場の動力源としても使用可能であり、安全でクリーンな水素社会が誕生する事になる。
これがエネルギー問題解決の究極形であるかどうかは未だ分からないが、そのような可能性が存在するのは確かである。
このような様々な柔軟な電力を含むエネルギー供給の形を模索する事を、一切妨げているのが九電独裁体制であり、また原発翼賛体制なのである。
日本がこの体制に拘束され続けていれば、やがて世界の技術の進歩から大きく遅れを取ってしまう事は確実である。
その為にも、国家そのものが最終的な責任を取りながらも、ある程度の範囲内で規制緩和と自由競争を取り入れてゆくような電力供給体制に、我々は移行しなければならない。
その一環が、国家による原発の直接管理なのである。
どうしても、現行の原発を維持したいというのであれば、筆者には1つのアイデアがある。
それは潜水艦の中に原子力発電所を作り、日本列島の周辺の深海に複数の原発潜水艦を配置する事である。
放射線のコントロールに最も有効なのは水であり、深海の水に囲まれた状態であれば、原子炉のコントロールは比較的行ないやすい。
万が一、事故が起きた場合でも、最低限の海洋汚染は避けられないが、大気中への放射性物質の拡散は回避する事が出来る。
海底においては、地震も津波も大きな衝撃を原子炉に与える事は出来ない。
海中で発電した電力をケーブルないし、その他の手段によって地上に供給する事は容易な事である。
こういうと奇矯なアイデアを提示しているように思われるかもしれないが、実は、原発の実用化の過程を振り返れば、これは先祖帰りに過ぎない。
アメリカでGEやウェスティングハウスが開発した原発は、元来、原子力潜水艦の推進装置として開発された原子炉を、地上にあげて発電用としたものである。
アメリカにおいては、米海軍のリッコーバー提督が原子力推進による潜水艦という画期なアイデアの実用化に成功した。
長期に潜水を続ける必要のある潜水艦にとって、最も優れた動力源として原子炉を採用したのである。
乗組員の精神力と体力が許せば、原子力潜水艦は何年でも浮上せずに海中を運行する事が出来る。
第一号の原子力潜水艦にノーチラス号というH・G・ウェルズのSF由来の名前が付けられた事は良く知られている。
リッコーバー提督指揮下の原子力潜水艦開発プロジェクト・チームにいた若手の海軍将校の一人が、後にアメリカ大統領となるジミー・カーターであった。
この原子力潜水艦の成功を見て、その原子炉部分のみを地上に設置し、発電所としたのがアメリカにおける原子力発電所の始まりである。
その点で、「原子力発電所・潜水艦」のアイデアは、原子炉の原点への復帰に過ぎないのである。
テロ対策としても、深海の潜水艦発電所は極めて有効であり、今後考えるべき1つのアイデアではあると思われる。
(5) 日本核武装との関係
筆者は、日本核武装論者である。
日本が真の主権独立国家となる為には、日本の核武装が必要である、というのが筆者の信念である。
原発の防衛省管理は、将来の核武装の為の準備段階としても、極めて有効である。
しかし、筆者としては、日本の核武装に反対する人々にも、原発の国家管理の必要は認めて頂きたいと思っている。
しかし敢えて言わせてもらうならば、核兵器を開発・管理し得る様な成熟した国家であって初めて、原発もまた安全に管理し得るのである。
憲法9条的な空想的平和主義では、原子炉の安全管理さえ不可能なのである。
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【藤井厳喜Twitterサイト】(日夜、Twitterならではの活動のリアルタイム実況中継や裏話等もしています。)
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★ 地震・大津波で被害に遭われた方々に、心よりのおくやみを申し上げます。
又、原発事故により、避難や屋内退避を余儀なくされた多くの方々にも、お見舞い申し上げます。
要旨:
3・11東日本大震災・大津波・原発事故で、荒廃した日本経済を建て直す為に、以下の四大政策を提言する。
1.国家の通貨発行権を活用した、もしくは日銀の国債直接引き受けによる20兆円以上の大規模公共投資
2.円高阻止の協調介入の必要なし:短期の円高を利用し、必要資源を大量に調達せよ
3.東京一極集中から東日本と西日本の均衡ある発展を実現する国土計画
4.新エネルギー開発による段階的脱原発化
本文:
1. 国家の通貨発行権を活用した大規模公共投資
▲震災・津波・原発事故の2つの天災と1つの人災によって、東北地方は巨大な経済損害を受けた。このままに放置すれば、平成23年度のGDPは大きな落ち込みを記録する事になるだろう。
▲日本銀行による復興国債の直接引き受けが検討されているが、白川日銀総裁はこれに反対している。災害復興を目指す国家財政に必要な政策ではあるが、この手法では先行き財政的手詰まり状態に陥る事は明白である。
日銀引き受けではあるが、国家の借金が急膨張する訳であり、早くも与謝野大臣らの財政再建派が、日銀の大量国債引き受けに関して強力な反対の声をあげている。
▲国債の引き受け手が日銀という国家機関であるにしても、国債引き受けは確かに国家財政の帳簿上の赤字を増大させる。これは必ず時間差を経て増税の要求に結び付く。
これでは国家再建の為の大規模公共投資は不可能である。
▲この難問を解決する唯一の決定的な方法は、国家の通貨発行権を活用して、日銀が必要な額の通貨を発行し、この財源を行政府(財務省)に贈与する事である。(丹羽春喜先生の十年来の提案)
国家の通貨発行権を生かした大規模公共投資を行なえば、今年(2011年)後半には、GDPをプラス成長に転換する事が可能である。
▲そもそも通貨発行権は、国家に与えられた特権である。
国家の信用のもとに通貨が発行され、国民は国家を信頼するが故にその通貨を利用して経済活動を行なっている。
現在の国家組織の役割分担の中では、主に中央銀行である日本銀行が、通貨発行の役割を担っている。
しかし、日銀にのみ通貨発行権がある訳ではなく、行政府・財務省にも部分的に通貨発行権はあり、現在の500円玉以下の硬貨は、財務省の責任により発行されている。
元々、国家に与えられた通貨発行権を日銀と財務省が共有しているのである。
大事な事は、通貨発行権は、日銀という一組織にのみ与えられた特権ではなく、本来、主権独立国家が保有している権利であり、組織上、これを主に統括しているのが日本銀行であるという当たり前の事実である。
▲日本銀行は、この国家の通貨発行権を活用し、10兆円単位の財源を創出し、これを行政府(財務省)に与え、これをもって国家経済復興の為の大公共投資を行なえば、財源は無制限に存在する。
恐らく10兆円では不十分であり、数年間、継続して、累積的には数十兆円の国家の通貨発行による公共投資が必要であろう。
▲行政府と日銀は、共に、主権国家を構成する二つの機関に過ぎない。
日銀が通貨を発行し、この財源を行政府に与えるというのは、右手が創ったものを、左手に与えるようなものである。日銀(右手)と行政府(左手)は共に国家(人体)の一部分である。
これを考えれば、震災復興資金を日銀が通貨発行によって賄うというのは極めて自然な、寧ろ当然成すべき政策である。
日銀による国債の直接引き受けでもよい。
▲このように考えれば、行政府が日銀に対して、国債を引き受けてもらい、借金をしているから、これを返済する為に国民に増税をしなければならないというのは、誠にバカげた考え方である。
これは、需要が供給を上回っているような国家においては、増税という形で国民の需要を減少させる為に必要な政策かもしれない。
しかし日本国においては、正に事態は逆であり、供給が需要を上回っているのであるから、通貨の信用を維持する為に、増税をする必要は存在しないのである。
▲極端な通貨発行がハイパーインフレにならない為の保障が日本国には存在する。
それは、公共投資に従って生じる厖大な需要に応えて行なう国民の生産活動である。
日本経済においてはそもそも、供給が需要を上回っており、このデフレ・ギャップ(供給マイナス需要)の為に、長期的な不況が発生していた。
有効な需要さえ創出すれば、日本国民が本来の勤勉さを発揮し、生産活動に従事し、潜在的な供給力を現実の供給力に変える事によって、需給はバランス状態に入る。
つまり、インフレを起こす事無く不況を脱出する事が出来るのである。
インフレが発生するのは、需要に供給が結び付かない場合である。
日本国においてはそもそも供給力が過剰の為に生じた長期不況であったから、震災復興という巨大な需要を政府の公共投資で現実のものとしさえすれば、経済は力強く復活する事が出来る。
▲眼前に甚大な被害を受けた被災地が存在する。
そこには、復興の為の厖大な需要が存在する。
しかし民間の資金にのみ依存するならば、とてもこの復興を速やかに成し遂げる事は出来ない。
国家が大規模な公共投資を発動して初めて、速やかな災害からの復興が可能となる。
可能となるばかりではなく、それが新たな経済成長のエンジンとなり、21世紀後半に向けて、新しい日本の国の形を創る事も出来る。
しかし、もし国家が表面上の財政困難を理由に、大規模公共投資を行なわないならば、地域の復興は不可能とは言えないが極めて緩慢であり、東北諸県の県民の不幸は極めて長期化するであろう。
いくつかの地域においては、復興は不可能となり、そこには永久の荒廃地が誕生するであろう。
▲日銀が、10兆円単位の国債を直接引き受ける場合でも、この国債は、この際「永久国債(超長期債)」として扱うべきである。
限られた期限内に返済を迫られる国債として扱うと、これが必ず増税の必要と結びついて来る。そうすれば、国民の有効需要を奪ってしまう結果となる。
これを防ぎ、順調な経済復興を実現する為には、あくまで「国債」という形にこだわるならば、10兆円単位の国債は、期限を定めて返済する必要のない、「永久国債(超長期債)」として、全く別枠の会計として取り扱うべきである。
このようにすれば、巨額の国債は、国家の通貨発行権の活用と極めて近い形となる。
2.円高阻止の協調介入の必要なし:短期の円高を利用し、復興の為の大量資源調達を行なえ
▲日銀・財務省は、主要先進国の協力を得て、円高阻止の協調介入を行なった。
国益に全く相反するパニック行動としか言いようがない。
▲日本の生産設備が大きく傷つき、GDPが下降せざるを得ない状況にあっては、放っておいても円高は終息し、円安の方向に向かう事は明白である。
日本の輸出力が阻害される一方、災害復興の為に、大量の資源輸入を必要としている。
資源の大部分はドルで調達するのだから、需給関係に任せていれば、自ずと円安ドル高となる事は、火を見るよりも明らかである。
▲一時的な円高は、日本企業が海外にもつ資産を国内に還流させる動き(リパトリエーション)が生じるのではないか、との思惑から起きた。
主に投機資金の為に生じた一時的現象である。
▲日本は災害復興の為に、大量の資源を必要としている。
一時的な円高は「不幸中の幸い」であり、資源を安価に大量に調達する最高のチャンスが現在与えられている。
日本経済の潜在力がもたらした一時的な好条件である。この天与の好条件を十二分に利用し、国家も企業も資源(特に原油を中心とするエネルギー・鉱物資源・食糧)を可能な限り、調達すべきである。
直ぐに日本国に輸送しなくても、先物等も利用して、円が強い内に、可能な限りの資源調達に手を打つべきである。
▲日本経済のダメージの実態が明らかになれば、円が極端な円安方向に動く可能性もある。
「1ドル=120円」程度の円安まで想定しつつ、今後の国家経済の運営を考えなければならない。
加工貿易を行なう日本にとって、そして大規模な経済復興を遂げなければならない日本にとって、安価な資源調達は決定的に重要である。
悪条件の中の唯一の好条件が、円高であると言ってもよい。
「地獄に仏」の円高といっても良いだろう。これをフル活用しなければならない。
▲輸出産業に有利な円安は、放っておいてもやってくる。
この時に資源コストが高くなっていれば、企業の利幅は当然、小さいものとなってしまう。
円高で、調達した資源で製造したものを、円安で売ってこそ、大きな利益を上げる事が出来る。また国内の復興の為にも安価な資源調達は決定的に重要である。
3.東京への一極集中から、東日本・西日本の均衡のとれた国土発展へ
▲日本列島を本州・中央の糸魚川・静岡構造線を境として、東日本と西日本に分けると、現在、日本の経済的中心は、あまりに東日本に傾いている。
これは人口分布に最もよく表れており、東日本の人口が、約8000万人。
これに対して西日本の人口は、約4000万人に過ぎない。東日本の人口が西日本の2倍である。
この主な理由は、東京への一極集中であり、首都圏への過剰な国家機能の集中である。
現在の危機は、この東日本と西日本の極端なアンバランスを改善する好機である。
人口分布で言えば、東日本6000万人、西日本6000万人の東西の均衡のとれた国土に編成し直さなければならない。
▲もし今回のマグニチュード9の地震が首都圏で起きていれば、機能は完全に喪失していただろう。
また、福島原発の事故が更に拡大し、首都圏が放射能汚染されれば、どの様な事になっていたであろうか。
日本国は東京という頭部を失い、国家機関の中枢がマヒ状態に陥っていたであろう。
国会を始め、中央官庁が機能マヒに陥り、日本国そのものが全く機能し得ない状態に陥ってしまったに違いない。
災害が起きた時に、その災害対策を発令すべき国家の神経中枢がマヒしてしまう事になる。
この恐怖を誰もが認識している内に、かねてから議論されてきた首都機能の分散は元より、産業再配備による東日本と西日本の、そして大都市と農村の均衡の取れた日本の国土発展を実現すべきである。
大規模な国土計画の実行は、このような天災が起きた直後にしか行なう事は出来ない。
「災い転じて福となす」の諺にもあるように、この天災を奇貨として、従来、絵にかいた餅に過ぎなかった首都機能の分散と国土の均衡発展を実現すべきである。
好機は現在をおいて他にはない。
▲企業レベルで見ても、東日本の本社機能が万が一、災害により壊滅状態に陥った場合でも、西日本の支社がこれにとって代われるようなリスク分散を今こそ実行すべきチャンスである。
また西日本に一極集中した企業があるとすれば、東日本に適度なリスク分散を成すべきである。
これは、東京への過度の集中を是正し、首都圏に経済空間の余剰が生じた時のみに可能となる。
東から西への約2000万人の異動を伴う、国土再構築は、インフラの整備を含めれば、厖大な有効需要の創出となり、これが災害復旧の公共投資に更に上乗せした形で、日本経済を内需主導型で成長させるエンジンとなる。
▲平安時代までの日本は、西日本中心であった。
東日本はフロンティアであり、新興地域であったに過ぎない。
鎌倉幕府の開幕以来、このバランスに変化が生じ、東日本に徐々に国の重心が移って来た。
明治維新以降は、東京への一極集中が進み、第二次大戦後の高度成長は、寧ろ、東京への一極集中を過度に推進してしまった。
東日本でも、首都圏を除く、北関東・東北地方は、過疎に悩まされて来た。
この歴史を踏まえて、西日本を大復活させる事により、東西の均衡のとれた日本が誕生する事になる。
例え国家の一地域において、決定的な災害が起ころうとも、他の地域が有機的に機能し、その損害を補う事によって、災害地の復興が可能となる。
あらゆる富と生産設備と頭脳が一か所に集中していれば、その一か所が決定的な災害に見舞われた時、国家は、復活する事が出来ない。一地域における災害が、国家そのものの衰退という結果を生む事になる。
▲リスク分散はこの為にどうしても必要である。
リスク分散は同時にコストの増大をもたらす。逆に言えば、東京への一極集中はリスクを無視した短期的な高率至上主義によってもたらされたものである。
今後はコストを十分に踏まえた上でのリスク分散こそが、国家としての真の安全保障であるという原則に、政財界指導者は目覚めなければならない。
それは同時に、過疎過密問題を解決する絶好の新政策ともなる。
例えば国会に関しても、西日本の岡山や広島で年間何日間かを開催できる状況としておけば、首都東京が大災害に見舞われた場合でも、いつでも国家の緊急事態に対応する事が出来る。中央政府の諸官庁も西日本の主要都市に分散して配置しておけば、東京が壊滅した場合でも、いつでも大阪以西に緊急に機能を移動させる事が出来る。
西日本においても、京阪神に一極集中が起きないように、寧ろ、主要中核都市を均衡発展させる政策を取るべきである。
▲又、この際、「地方主権」などという考え方が如何に国益に反し、現実にそぐわないかを再認識すべきである。
もし、「道州制的地域主権」なるものが実現していたらどうなるだろうか。
「東北州」の災害には他の道州は全く有機的にこれを救済する事が出来なくなってしまう。
主権とは即ち、独立国家であり、独立財政であるから、国家としての一体性を原則として否定する事になる。
「東北州」が一主権地域ならば、今回の大災害に対して、単独で災害復旧に立ち向かわなければならない事になる。
如何に、地域主権という考えが、現実にそぐわないかは、この一事例をもってしても即座に了解できるであろう。
▲「日本国は、主権国家として一体であり、地方の自主性を重んじながら、国家機能を分散させ、リスクに備える」という考え方と、「道州制的地域主権」とは似て非なるものであり、実は真っ向から対立する国家観なのである。
日本国民全体が、皇室という尊い存在の下、1つの歴史的な有機体として繋がりを持ち、相互に助け合い、各地方は均衡を持って発展してゆく、というのが真の国家経営のあり方である。
またそれは、日本国の歴史が我々に教える国家発展の基本でもある。
4.新エネルギー開発による段階的脱原発化
新エネルギー開発で、段階的・脱原発化。
▲福島における原発事故は、現在のところ、最悪の事態を免れてはいる。
大震災と大津波は自然災害であるが、原発事故は自然災害が引き金となってはいるが、基本的に人災である。
最悪の事態が起きる前に、日本は現在の核分裂に基づく原子力発電所を段階的に廃棄し、新エネルギーの開発によって、これを代替すべきである。
原発については、様々な考え方があり、私自身もかつては原発容認派であり、寧ろ最近は「原発推進もやむをえず」との立場を取って来た。
しかし、他の国はともかく、いつでもどこでも予測不可能な大震災の起きる可能性のある日本の国土にとっては、現在の原発はあまりに危険すぎる。
▲日本の原子力発電所を各国と対比した場合、相対的に安全であったのは事実であろう。
しかし、マグニチュード8.5の地震には耐えられても、マグニチュード9とそれに付随して起きる大津波には耐えられなかったというのが現実である。
どこにどの程度のマグニチュードの地震が起き、それがどの程度の震度となり、あるいはどの程度の津波被害をもたらすか等を、完全に予測する事は出来ない。
安全基準は常にある程度の常識の範囲内で行なわざるを得ない。歴史的にマグニチュード9の地震が、過去になかったとすれば、それを想定しないのが経済合理性というものである。
しかし、何百年に一度、千年に一度の想定外の大地震はいつでも起きる可能性があり、現実に今日の東北ではそれが起きてしまった訳である。
▲M9の地震や大津波に耐えうる原発を創る事は可能であろう。
しかしそれでも、M9以上の地震や津波には耐えられないであろう。
そうである以上、原子力発電所が日本にとってはあまりに危険であり、不向きな発電方法である事は確かである。
地震や津波の想定とは、所詮、人間の都合で行なう事であり、もっとハッキリ言えば、企業は常にこれを採算性と照らし合わせて行なっている。
安全性最優先ではないのである。
地震の絶対ないテキサスや、フランスやドイツならば原発は作ってもよいかもしれない。
それは各国それぞれが独自の判断で行なえばよい事だろう。
日本に原発が向いていないからと言って、地震も津波も台風も来ない自然条件をもった国が原発を全廃すべきである、とは言えない。
しかし、日本国に関して見れば、まさに想定外の地震災害が起き、それによって原発の安全神話は完全に崩れてしまったのである。
▲今日までのところ、原発事故に起因した被爆による死者ないし患者は、一人も出ていない事になっている。
そうであり続ければ結構な話だが、今後、被ばくによる様々な被害者が続出して来ると思われる。
死者が今のところ発生していないにしろ、かなりの放射線漏れがあり、防災対策員を中心にかなりの被爆者が発生している。
これは明らかに電力会社が公言していた「安全」の約束が破られた事を意味している。
これに対する社会的責任は誠に重大であると言わなければならない。
▲電力供給は、公共性の高い事業であり、電力会社は、自由競争を免除されて、独占的な立場を享受している。
それは事業の安全と電力の安定供給の為に与えられた特権的な立場である。
その特権的な立場にも関わらず、今回、東京電力は、電力の安定供給が出来ず、安全性を保つ事が出来なかった。
その社会的責任は実に甚大である。
また、原発災害の対策の為に、国家機関がどれほどの費用を負担しなければならなかったのか。
この費用負担に対しても東京電力は全面的に責任がある。
企業のあり方そのものの変革が必要である。
▲そもそも原発に関しては、「絶対安全」が謳われ、「安全神話」が造られてきた。
何故なら、万が一、本格的な原発事故が起きた場合、その被害があまりに膨大な為である。
今回の福島原発の事故でも、本格的なメルトダウンが発生していれば、首都東京も含む、東日本のかなりの部分が危険地域となり、数百万人の被害者が発生していた可能性がある。
また事故が巨大となれば、日本国民そのものの生存が危うくなる可能性もあった。
更に事故が巨大になれば、日本国一国の問題ではなく、放射能汚染が地球のかなりの地域にまで拡がり、被害を拡大した可能性もある。
それ故に、原発に関しては絶対安全神話が人為的に作られて来たのである。
▲今回、我々は、日本の、もしかすると人類の「最後の日」を垣間見た訳である。
この恐怖感に我々は素直に反応すべきであると思う。
そもそも、絶対安全でなければならない技術は使ってはならないというのが原則である。
何故なら、人間の作るものに絶対安全は有り得ないからだ。
人間の作るものに絶対安全はない。
事故が起き、技術が破綻した場合でも、その被害が限られているから、我々は絶対安全でない技術を使い続けているのである。
例えば旅客機は、「絶対安全」ではない。
しばしば墜落事故を起こす事を我々は知っている。
しかし、旅客機が墜落した場合の最大の被害は、乗客と乗員の全員死亡である。(それが原発の上に落ちない限りは…。)
火力発電所が事故を起こしても、その最悪の結果は想定内である。
環境の破壊もあるが、それも限られたものである。しかし、現行の原発の事故に関しては、最悪の事態は、地球環境事体の汚染であり、日本人そのものの生存すら危うくなる可能性がある。
このような(絶対安全を前提としなければならないような)技術は、使ってはならないというのが、本来の技術哲学である。
▲人類は、スリーマイルアイランドの事故とチェルノブイリの事故と福島第一原発の事故を経験した。
各国の判断は、各国国民に任せるとしても、少なくともこの地震列島に住む我々が、これ以上、原発に電力供給を依存し続けていく事は許されないだろう。
それは又、我々の子孫に対する責任であると同時に、他の国々に対する責任でもある。
国土を核汚染して取り返しのつかないような災害をもたらす事を、日本国を愛する全ての人々は許してはならない。
▲日本に全く地震が無く、津波も台風も無く、ウラン鉱石が豊富であるならば、日本が原発に依存する事にも、ある程度の合理性は存在する。
しかし日本の地理的条件は全くそうではない。
また、原発に対する代案がなければ原発廃絶を訴える事は、あまりに無責任な主張であろう。
しかし現在、バイオマス、常温核融合、その他の再生可能な自然エネルギー、又、従来の火力発電や水力発電の効率化や節電などの新テクノロジーが既に目白押しであり、国内の発電量の約3割から4割(原発の発電量)をこれらの新しい電力源で代替させる事は、十分に可能である。
それどころか、国家の通貨発行権を元にした新エネルギーの実用化は、日本が世界に輸出する新テクノロジーとして、有望な成長産業である。
原発推進者自身が認めるように現在の核分裂型の原子炉は、本格的なクリーンで安全なエネルギー源が誕生するまでの過渡期の発電形態に過ぎない。
▲現在、最も革新的なものとしては常温核融合の可能性も大きく拡がっており、それ以外にも、様々なコスト的にも成立可能な代替エネルギーが開発されている。
これらの普及を阻んでいるのは、寧ろ、現在既に存在しているエネルギー利権である。
例えば、植物から取れる安価なアルコール燃料が普及すれば、ガソリンの売上が減少するので、石油会社はこれを阻もうとする。
原子力発電にとって代わる安全で安価な常温核融合発電がもし可能であったとしても、既存の電力会社の利益構造がそのような新テクノロジーの発展を阻む事になる。
要は、如何に合理的で、市場性のある新エネルギーでも、既存の利権構造に阻まれれば、社会に普及する事が出来ないという問題である。
今や、このような社会の安全と進歩を阻む旧利権体制を一掃して、国民に安全で安価なエネルギーを供給する体制を打ち立てなければならない。
▲しかし、これには大きな困難が伴う。
独占的な9電力体制によって守られている電力会社は、巨大な利権機構であり、官僚組織である。
まして原子力発電は、「めちゃめちゃに儲かる」商売なのである。
彼らは政治家と学者とマスコミに対して、巨大な支配力を行使している。
独占事業をやっている電力会社が本来、マスコミでPRをする必要は全くない筈だが、彼らはPRに厖大な費用を費やしている。
原発を中心に電力会社に対する批判を封じ込める為である。
今回の福島原発の事故に際しても、テレビ等の解説に登場した学者のほとんど全ては、原発擁護・推進派であり、電力会社の息のかかった御用学者である。
▲更に、この悲劇を増幅しているもう1つの事実がある。
それは、反原発を唱える人々の主力が、リベラル左派の反体制派であった事である。
日本の国益を重視し、日本の文化伝統を愛する立場からの反原発論者は極めて少数派であった。
その結果、マスコミの中で展開される図式としては、「体制派=原発推進派」VS「反体制派=原発反対派」という不毛の対立図式しか存在しなかった。
そこで一般に、国益や伝統を重視する人々の間では、原発に対する批判がタブー視されてきた傾向がある。
一言論人として、そのような無言のプレッシャーは私自身も常に感じて来たところである。
▲ハッキリ言えば、保守的な言論人であって、脱原発の立場を明確に打ち出すのは、極めて難しい状況にあった。
多くの雑誌やマスコミが、電力会社の広告料に依存している以上、ましてこの不況下で、マスコミの広告料が減少傾向にある中、電力会社の主張に相反するような言論を展開する事は、特に保守派の言論人にとっては、致命傷になる可能性がある。
多くの言論人はこの事を無言の内、了解しており、このタブーにだけは触れないように、巧みに振舞ってきたと言えるだろう。
このような国家と民族の未来を破壊する旧利権構造は最早、完全に過去のものとしなければならない。
私自身の反省を込めて、そう訴える。
▲話がやや、個人的なレベルに逸脱してしまった感があるが、国家の通貨発行権を軸とした新公共投資の大きな柱として、新エネルギー開発を大胆に推し進めるべき時である。
日本国民は、智恵と工夫の民族であり、一端、新しい課題が与えられれば、これを技術的に克服する事は決して難しくはない。
日本人本来の創造性を信じて、新たな一歩を前に踏み出すべき時である。
私自身は勿論、技術者ではないが、原発にとってかわる様々な新テクノロジーについては、常に関心をもって、これを見守っている。
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日本のマスコミが絶対報道しない中東動乱の深層について、シリーズでお伝えします。
1/5【取材ガイダンス】チュニジア、エジプトから始まるカオスの時代
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=3OznXBvqF_c
ニコニコ動画: http://nico.ms/sm13697107
一部では、今回の一連の事件を単純に「民主化運動」と捉えている人々もいるようですが、全くの日本的「お花畑」の中での勘違いでしかありません。
また、アメリカが様々な謀略を仕掛けているのも確かでしょうが、それも全体のストーリーのごく一部にしか過ぎません。
欧米の情報機関も全く予想できない方向に事態は急展開しています。
一言でいえば非常に大きな「無秩序(カオス)」が中東から発生し、全世界を呑みこみそうな勢いです。
我々への直接の影響で言えば、原油は確実に高騰します。
ゴールド価格は原油に輪をかけて急上昇するでしょう。
これが元々不景気で二番底に落ち込みつつある日本経済を、更に加速度的に劣化させるのではないかと憂慮しています。
イギリスのキャメロン首相は急遽、中東を訪問しました。自国の権益を守る為に、必死の外交です。
こういう時にはイギリス人も、恥も外聞も無く、素早く行動します。
エジプトは、この混乱を逆手にとって、先進国に対して、債務放棄(借金の棒引き)を要求してきました。
世界はどの国の外交もしたたかです。
したたかでないのは日本外交だけです。
この後、イギリス在住で国際情勢の裏側に詳しい、友人でマダガスカル大統領顧問をなさっている小松啓一郎さんとの対談を紹介致します。(4本の動画)
日本のマスコミが伝えていない情報ばかりです。
是非、注意深くご覧ください。
【小松啓一郎&藤井厳喜・中東問題取材対談1】中東動乱の裏側:インテリジェンスから見たチュニジアとエジプト (収録は2011年2月23日)
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=mNTXkeKkaNI
ニコニコ動画: http://nico.ms/sm13697412
対談者の小松啓一郎さん(Komatsu Research & Advisory 代表、マダガスカル大統領顧問)は、昨年12月上旬、チュニジアとカイロを訪問されました。
Komatsu Research & Advisory
http://www.komatsuresearch.com/
騒乱の起きるほんの数日前ですら、町は首都チュニスもエジプトのカイロも全く平安でした。
チュニジアは旧フランスの植民地で、チュニジアの治安情勢に最も精通しているのはフランスだと言われていますが、フランス政府も今回の暴動については全く予知していませんでした。
暴動はまさに、突然起きたのです。
この暴動の背後にいて、最も重要な役割を果たしているのが、恐らく「AQIM」です。
アルカイーダ・イン・イスラミック・マグレブという、マグレブ地方におけるアルカイーダの別働隊です。
AQIMはフランス政府に対して、宣戦布告をしており、フランスをバックに独裁権力をふるっていたベン・アリ大統領にも攻撃の矢を向けていました。
★小松啓一郎先生のHPは此方。
Komatsu Research & Advisory
www.komatsuresearch.com
【小松啓一郎&藤井厳喜・中東問題取材対談2】中東動乱の裏側:インテリジェンスから見たチュニジアとエジプト
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=_-UsJ3gOoRI
ニコニコ動画: http://nico.ms/sm13697799
エジプトにおいては、やはりムスリム同胞団の動きが反ムバラク運動において重要な役割を果たしていました。
恐らくムスリム同胞団が仕掛けた運動ではないでしょうが、彼らが反ムバラクの運動の中核の一つであったのは確かです。
ムスリム同胞団はいくつもの分派の横に繋がったネットワーク的な組織です。
言いかえれば、いくつもの顔を持った多面体的な組織です。
西側のマスコミには比較的穏健なグループが対応するので、西側マスコミではムスリム同胞団は穏健な組織であり、原理主義的な過激な集団ではないとの評価も有りますが、これは明らかに間違っています。
かつてサダト・エジプト大統領を暗殺したのもムスリム同胞団の仕業でした。
また、アルカイーダのNO2のザワヒリはムスリム同胞団の出身です。
ヨーロッパ先進国は、多くのイスラム系外国人を受容してきましたが、これが国内で大きな問題を生んでいます。
先進国が標榜していた多文化主義は全くの幻想にすぎませんでした。
低開発国からの移民を多文化主義的に受け入れるという政策は完全に失敗したのです。
少なくとも英独仏をはじめとする、ヨーロッパの人々は、そのように認識しています。
実験は行なわれ、失敗に終わりました。
日本人は、今からもう、実験をする必要はありません。
ヨーロッパの失敗した実験結果から教訓を学ぶべきです。
【小松啓一郎&藤井厳喜・中東問題取材対談3】中東動乱の裏側:インテリジェンスから見たチュニジアとエジプト
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=KizVJkqJsX4
ニコニコ動画: http://nico.ms/sm13698056
イスラム世界では宗教と政治を分離に成功したと言われるトルコですら、イスラム原理主義が力を得ています。
イスラム教では政治と宗教が一致する事が理想ですから、我々が当然と考える「政治と宗教の分離」は不可能であり、我々の近代的価値観をイスラムの人達が共有する事は難しいでしょう。
世界的な無秩序化の流れは、ヨーロッパ内にも起きています。
アイスランドは国民投票で対外債務の踏み倒しを決議しました。
ギリシャやアイルランドでも、IMFの押しつける厳格な緊縮財政に反発する声が強烈に起きています。
中東程ではありませんが、金融危機を媒介として、ヨーロッパ内にも既存の秩序を崩壊させる動きが起き始めました。
更に、その手段となっているのが、携帯電話やインターネットという手段です。
携帯電話は低開発国でも驚異的な普及を見せています。
電機のないアフリカの奥地にまで携帯電話は普及しています。
携帯端末によって、貧富の実態を目の当たりにした貧困層の人々は、「富裕層」に対して、暴力的な抗議活動をするようになりやすくなります。
グローバル化時代のEUにおける高齢化政策と移民問題の関係についての実態についても、レポートして頂きました。
【小松啓一郎&藤井厳喜・中東問題取材対談4】中東動乱の裏側:インテリジェンスから見たチュニジアとエジプト
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=tPhlgjMcKjc
ニコニコ動画 : http://nico.ms/sm13698270
アメリカのノーベル経済学者のスティグリッツは次のように警告しています。
「国債の格付けが高く、経済成長率が順調でも、その国の安定を保証する事は出来ない。社会的にある程度、公平な分配が行なわれており、国民が公平さを実感できなければ、エジプトで起きたような騒乱は起きうるものである」
今や、縄文時代のような生活をしているアフリカの僻地の住民も、最新の携帯電話の画面で、先進国の最も豊かな人達の生活を垣間見る事が出来ます。
これが彼らの非差別観と、怒りに火をつけるのです。
現状を単純なアメリカ謀略論のみで片付けるのは明らかに誤りです。
ムバラク政権に関して言えば、暴動がコントロールを超えた段階で、オバマ政権はムバラク政権を意図的に見捨てたのでしょう。
ムバラク政権を最後まで支持する事によって、ポスト・ムバラクの政権が反米的になる事を恐れたからです。
ムバラク追放運動の中には、明らかにアメリカとコンタクトを持ち、アメリカが育てたと言ってよい勢力も有りました。
「4月6日青年運動」などがその好例です。
アメリカはセルビア、ウクライナ、グルジア等での反独裁民主化運動を公然と応援し、そのノウハウを輸出して来た事も敢えて公開しています。
謀略外交ではなく、寧ろ、「公開外交(オープン・ディプロマシー)」世界中にその成果を誇っています。
しかし、そのアメリカにしても、また中東に深いインテリジェンスを貼りめぐらしているイギリスやイスラエルにしても、今回の様な爆発的な政治騒乱が起きるとは、全く予測できなかったようです。
その意味で今、欧米の情報機関は、深い反省の時期にあるようです。
《藤井厳喜・イベントのお知らせ》
公開時局 講演会 :
第四の国難、我らは何をなすべきか?
『情報戦争』 で亡国に向う日本!
日 時:平成 23年 3月 26日 14:00から16:30(13:30 開 場)
講師: 藤井厳喜
会 場:柏市中央公民館 5階講堂(柏市役所隣り)
柏駅より徒歩 約15 分
柏市柏 -8-12
TEL 047-164-1811
参加費: 500円
主 催:教育を正す東葛市民の会
連絡先:04-7173-9882(小野)
▼尖閣侵略、NHK捏造事件、外国人参政権、歴史教科書問題、靖国問題、「南京事件」 …全ての問題の本質は、 『情報戦争』 で日本が敗北しつつあることにある。
▼現代では「武器を使う戦争」以上に、宣伝により大衆を洗脳する 『情報戦争』 が大きな力を持っている。
▼中国共産党は、日教組と日本のマスコミをその影響下に置き、日本人を洗脳し、着々と日本の
属国化を進めている。
▼日本人は、今こそ 『情報戦争』 の全体像に目覚めなければならない。
▼TPPや、ウィキリークス問題も、 『情報戦争』 の一環である。
▼中東情勢で変わり、益々混迷する世界と日本の今後等々、
メディアが伝えない最新の世界情勢について、情報戦争最前線について、大いに語ります。
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【藤井厳喜・解説動画UP】エジプト革命、アメリカの陰謀はあったのか?ー日本のマスコミが報道しない、中東情勢NEWSの見方 (解説動画付)
YouTube版 : http://www.youtube.com/watch?v=d-Ky4Zf9J4Q
ニコニコ動画版: http://www.nicovideo.jp/watch/sm13647493
(※ 是非、動画を拡散ください。)
エジプト革命、アメリカの陰謀はあったのか?
要点1)
チュニジアとエジプトで最後の国家の秩序を保ったのは国軍であった。
軍が独裁者を見離して、銃を国民に向けず国家の秩序を保ったのである。
その点で国軍は国家国民の為に立派な働きをしたと言える。
要点2)
エジプトでは、アメリカはしぶしぶながら最後はムバラクを見捨てて、ムバラク後に影響力を保持しようとした。
反ムバラク運動の中には、アメリカの支援を受けて活動しているグループもある。
イスラム同胞団などのイスラム原理主義者と対抗し、新しく出来る政権を親米化する為に、これらの勢力は今後も活動してゆくだろう。
アメリカは独裁政権を打倒する民主化革命の輸出を公然と行なっており、これは陰謀でもなんでもない。
セルビア、ウクライナ、グルジアにおける所謂「民主化革命」においては、アメリカの影響力がハッキリ見てとれる。
アメリカ政府はこれを寧ろ、誇りとし、これをアメリカ外交の成果として、極めてオープンに宣伝している。
こうした日本のマスコミが報道しない、中東情勢NEWSの見方について、今後も伝えてゆくつもりだ。(来週、また更新予定です)
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↑ 口蹄疫問題について、私もコラムを寄稿させて頂きました。
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私は有料制の会員制情報誌を1982年以来、発行し続けている。
以下に紹介する記事は、昨年、有料情報誌ケンブリッジ・フォーキャスト・レポートに発表した論文からのものである。
現在、最も注目されているエコノミストであるヌリエル・ルービニ教授のバック・グラウンドを紹介したものである。
ルービニ教授は今後、益々、注目されてゆくエコノミストである。

しかし彼の発言の真意を読み説くには、彼のバックグラウンドを理解する事が不可欠であろう。
既に発表から半年の時間が経過したので、有料情報誌の論文から一部を敢えて公開する事も、購読者に対する背信行為にならないであろうと信じて、そうさせて頂く。
(別の観点から、拙著『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』末章でも解説したので、そちらも参考にして頂きたい。)
ルービニ教授は未だに日本では、一般的な有名人とは言い難い。
しかし彼の発言は世界的に大きな影響力を持っている。
イラン生まれのユダヤ系であるルービニ教授は自らが称するように、「グローバル・ノーマッド(地球的遊牧民)」である。
ルービニ教授の特異性は、そのバックグラウンドを知って始めて理解できるものである。
以下を参考にして頂ければ幸いである。
注目される経済学者、ヌリエル・ルービニ教授のバック・グラウンド
要旨: ルービニ教授は「グローバル・ノーマッド(地球的遊牧民)」としてのユダヤ人である。
彼のアイデンティティーの基本はここにある。
● 彼のTwitterのアドレス; Nouriel Roubini http://twitter.com/Nouriel
1) リーマン・ショックを2年前に予測した人物
最近、ヌリエル・ルービニNY大学教授が、アメリカを中心に世界的に注目されている。
ルービニ教授が有名になったのは、2006年9月にアメリカの住宅価格下落を引き金とする大規模な金融危機が到来する事をIMFに対して警告し、この予測がズバリ的中したからである。
アメリカの住宅市場がバブル化しており、それが崩壊するという予測は、既に2005年に表していた。
2008年9月のリーマン・ショック以降、「世界的金融危機をいち早く予測したエコノミスト」として、同教授は多くの注目を集めるようになった。
今や、欧米のメディアでは、ルービニ教授は経済予測の第一人者と見なされており、今日、同教授は世界で最も影響力のあるエコノミストである、と言っても決して過言ではないであろう。
アメリカの外交政策専門誌『フォーリン・ポリシー』は、ルービニ教授を世界で最も影響力のある100