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アフガン戦争とユーロ危機―2012年12月、水面下で起きている国際情勢の大変化

投稿日:2010,12,20

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日本人が知らないところで、国際情勢は大規模に、かつ構造的に変化を続けている。

 今回は軍事と経済の重要なトピックを1つずつ取り上げてみた。



YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=7b31cg0odH0 
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm13071900 


 第一は、アフガン戦争の行方である。
アメリカの戦争目標は、多大の軍事資源を投入しているにも関わらず、順調に達成されつつあるとは言い難い。
アフガニスタンからタリバンやアルカイーダ勢力を駆逐するのは至難の業である。

 アフガニスタンにおいて戦況が好転しない大きな理由の1つは、反政府武装勢力がパキスタンのバルチスタンに聖域を有しているからである。
パキスタン政府はこの地域を攻撃できないし、アメリカがこの地域を越境攻撃する事も許可していない。
バルチスタンで訓練を受け、十分な装備を整えた武装勢力が越境してアフガニスタンで反米闘争を継続しているのである。
 このパキスタンの聖域に大きなダメージを与えることなしには、アメリカがアフガン戦争で勝利する事は有り得ない。
パキスタンにまで戦争を拡大するかどうかという大きな岐路にアメリカは立たされている。

 前回までの映像コラムでも指摘してきたように、アメリカは現在、ロシアとインドを戦略的提携国とし、シナ及びパキスタンと対立局面に突入した。
パキスタンの聖域にまで米軍の攻撃を拡大する可能性はある。

 ただし、その場合、パキスタン政府自身が瓦解し、パキスタン自身が国家として崩壊する可能性も考慮しなければならない。


 オバマ政権がどうかじを切るかが重大な焦点になってくる。

 経済面から国際情勢を見ると、アイルランド、そしてスペインと続くであろうユーロを巡る経済危機が更に深く進行している。
12月17日、ムーディーズはアイルランド国債の格付けを一挙に5段階格下げした。
アイルランド危機への対処はEU首脳部のEUやIMFの首脳部では既に危機管理プランが合意されていると思われるが、それに続き、スペインがディフォールトに向かった場合は、必要とされる資金量も桁違いに大量となり、スペイン危機への対応は十分に準備されているとは言い難い。

 12月17日、EU首脳会談でも、ヨーロッパ版IMFの2013年における創設は決まったものの、具体策については全く白紙状態のままである。年明け早々から更なるユーロの下落と金融危機がヨーロッパを襲う事は、確実である。

 寧ろ、2011年こそ、ヨーロッパ金融危機の本番の年であると言っても良いだろう。


 アメリカでは、奇妙な経済現象が起きている。
一部の大企業は順調に利益を上げ、株価も高い水準を維持している。
ウォールストリートは、2010年には史上2番目の巨額の利益を稼ぎ出す事が確実でる。
しかし、好調な企業業績が雇用の拡大や、賃金の上昇に驚く程、結びついていない。

 それがオバマ政権への大きな絶望感となって現れている。

(オバマ大統領が財政再建に向けて、勇気ある増税を行なった、などというデマを流しているトンデモ・エコノミストがいるが、現実は全く逆である。下院で共和党に多数を取られた為、オバマ大統領は妥協して前ブッシュ政権が実現した富裕層を含む大規模減税を更に2年間、延長せざるを得なかった。財政再建を先送りにし、景気回復を優先させた訳である。)

 全体として見ると、2011年の国際情勢の展望は、あまり明るいものではない。
アフガニスタンの情勢が一挙に好転する事はないだろうし、経済的にはアメリカはまぁまぁ、発展途上国の一部は好況だろうが、ヨーロッパ発の激震が世界経済を大きく揺さぶる事になるだろう。

 日本にとって有難いのは、米中の対立関係が明確になって来た事である。
尖閣問題を抱える日本としては、アメリカとシッカリした軍事面での連携を行ないながら、対中包囲網を築いていく環境は整っている。

但し、現民主党政権では、このチャンスを生かすような外交政策は不可能ではあろうが...。




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