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西尾幹二先生「路の会」― 仲小路彰について:日本が独立国であった時代の知識人

投稿日:2010,05,31

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 本日、午前と午後は、煩瑣な事務手続きに忙殺されました。

夜は午後6時から西尾幹二先生主催の月例勉強会「路の会」に参加。
今月のテーマは、西尾先生が現在、研究中の歴史哲学者・仲小路彰(なかしょうじ・あきら:1901-1984) についてでした。

 現在では殆ど無名の大学者ですが、私はこの人の「未来学原論」を読んだ事があります。
西尾先生の努力で、仲小路氏の「太平洋侵略史」全6巻が国書刊行会から上梓されます。
全6巻・30240円。

 仲小路彰は、不世出の哲人とも言われていますが、殆ど世に知られる事のない、謎に満ちた人物でした。

 昭和13年から世界の戦争の歴史を総括するシリーズ「世界興廃大戦史」全121巻、を著作刊行し始め、昭和18年までに、43巻を刊行しました。
 戦後は、資本主義も共産主義も克服する地球主義(グローバリズム)を提唱し、私が読んだ未来学原論は、昭和43年に刊行しています。

「未来学原論」では、その立場は、グローバリズム(地球主義)から更に、コスミカリズム(宇宙主義)に発展しました。
著作の他に、音楽を愛し、自らピアノを弾き、1000曲に及ぶ楽曲を残し、山中湖畔にある6000坪を有する邸宅で1984年に死去しています。

 著作のかなりの部分は、草稿のままで刊行されていないようです。

彼の死は、当時、週刊新潮で小さな記事で報じられましたが、世間的には無名の内に世を去った事になります。

旧制5校で、友人であった佐藤栄作とは、生涯親交がありました。

沖縄返還に関しては、大所高所からの仲小路のアドバイスを佐藤栄作首相は、尊重していたと伝えられています。


 稀代の思想家であり、哲学者であった仲小路の著作が、西尾幹二先生という最適の紹介者を得て、世の注目を集める事は、誠に喜ばしい事です。

私も是非、この全6巻を時間を作って、読破したいものと思っています。 

 仲小路に限りませんが、戦前の日本には、このようなスケールの大きい思想家・哲学者・歴史学者などが、複数存在していました。

彼らのパースペクティブは広く、著しく百科全書派であり、学問の一部に拘泥するのではなく、日本史や世界史の全体像を把握するという方向に彼らの才能を十分に発揮しました。

戦後の専門家の進んだ学問の世界では、考えられない事です。

それは単に学問の専門化が進んだからという訳ではありません。

こういったゼネラリストとしての大学者を支えていたのは、日本が独立した文明圏であり、政治経済的にも独立した一大帝国であったという事実です。

戦前・戦中の学者たちは、西洋文明全体と相対峙し、これと拮抗する、あるいはこれを超越する学問の体系を構想していました。

明治以来の追いつき、追い越せの近代化がようやく一息ついた、大正から昭和にかけて、西洋の大思想家や哲学者にも匹敵するような人材が日本に何人も現れてきました。

物理学の世界の湯川秀樹や朝永振一郎、数学者の岡潔、などは、客観的に評価が出来る世界でその独創的な学問実績を残しました。

思想や歴史学等の文化的学問では、客観評価は難しいのですが、それでも、湯川・朝永・岡に匹敵する知的な巨人が何人も現れてきていました。
哲学の西田幾多郎などもその一人でしょう。

私は年来研究している、歴史学者の白柳秀湖もそういったゼネラリストとしての、世界史的なパースペクティブを持った偉大な歴史学者であったと思います。

彼の日本通史全10巻は、今日、読んでも実に独創的な歴史書です。


私が個人的にその謦咳(けいがい)に接した人物に坂口三郎先生がおられました。

坂口先生の著作の中では、『現代文明の解剖』や『日本人の知恵』が今でも入手可能であろうかと思います。

坂口先生は、科学記者としてキャリアをスタートされ、あの有名なマイケルソン・モーレーの実験(光速度を実測した実験)論文を日本語訳したり、また「ストリーム・ライン」という英語に「流線型」という訳語をつけた方でした。

第二次大戦中は、仲小路彰も所属していた、総力戦研究所の研究員でした。

終戦工作にも積極的に関わりを持たれ、広島に原爆が投下された後、理研の仁科博士を動かし、重臣の牧野伸顕・元枢密顧問官を通じて、天皇陛下に原爆の実態を伝えるという重要な仕事をされています。

坂口先生の学問の基礎は、自然科学であり、西洋の一神教世界の思想を、自然科学の観点から相対化し、しかしその根底は日本的な調和思想であるというような方でした。

「『神ながらの道』とは、即ち、エコロジーの事である」、「釈迦のいう悟りとは、理解と認識であって信仰ではない」「富の本質はエクセルギーである」等の先生の名言が未だに私の心に刻みつけられています。

日本が、独立した帝国であったからこそ、坂口三郎や仲小路彰のような西洋の亜流でない日本的であり、かつ世界的な大学者が輩出したのでしょう。

 こういった独立自尊の学風を大事にしていきたいと、心に念じています。



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