藤井厳喜WEBサイト 公式ブログ プロフィールは、こちらトップに戻る 藤井厳喜WEBサイト | Fujii's Focus For Future 公式ブログ

不幸な事に的中しつつある『2008年日本沈没』の予測

投稿日:2009,09,10

2007年6月に、『2008年日本沈没―誰も語りたがらないシナリオ 』というタイトルの本をビジネス社から上梓した。
最近、ある経済の勉強会で、現在との比較にこの本を参考資料に取り上げ、講演したところ、大変好評でこの話題で盛り上がり、その後、勉強会参加者から、是非、この本についてブログ等でも取り上げてください、というような要望が数件あった。
そこで今日のブログは、これをテーマにしてみたい。

私も、改めてこの本を読んでみたが、日本にとっては、誠に不幸な事に、この本で展開した日本にとっての悪しき予測は的中しつつある。


 この本で、予測したのは、2008年を中心に起こるいくつかの国際的な事件が、日本にとって、最悪の未来を2009年以降、造り出してゆくのではないか?という予測であった。
日本にとっての悪しき未来を予兆させる国際的な出来事とは以下のような事柄であった。

1. 日本の財政危機の深化
2. 韓国大統領選挙(選挙自体は07年12月)
3. 08年3月、台湾における親中派・馬英九政権の誕生
4. 08年8月、北京オリンピックの成功
5. 08年11月、アメリカ大統領選挙における民主党政権の誕生
6. 09年1月以降、米軍のイラクよりの撤退

 2007年6月に出版したこの本の中で、この時点では明記していなかった大事件は、
第1に08年9月のリーマン・ショックに始まる国際金融危機、
第2に09年9月の日本における民主党政権の誕生である。

しかし、これらの2つの事件が起きた後でも、上記の07年6月現在に提出した私の予測の大筋は変える必要がないと思われる。

2008nippontinbotu1.jpg


 何故なら、国際金融経済の破たんは想定内の出来事であったし、日本における政権交代も全体のシナリオを大きく変更するものではないからである。
日本における『民主党政権誕生』事態が、2008年におきた出来事を原因として生起した結果だからであり、これも予測の想定枠内の出来事であると言ってよい。

 韓国大統領選では、予測通り、保守派が政権を奪還したものの、朝鮮半島に真の意味での親日政権の誕生はあり得ない。
北朝鮮は、核兵器開発に成功し、半島情勢の主導権を握っている。
拙著では、北朝鮮優位のうちに朝鮮半島の統一が行われる事を予測している。
米軍が2010年に国連軍の指揮権を韓国軍に渡し、事実上、朝鮮半島から後退してゆく事は既に既定の方針である。
この時、北優位の状況は決定的となるだろう。

また、拙著では、3.と5.の予測の結果、米中協調時代が到来し、台湾が併呑される危険性が高まると予測している。
この文脈において、アメリカが朝鮮半島の北優位の統一を黙認する事が当然、予測できる。
4.の北京五輪の成功の後に、私はシナ経済のバブルの崩壊を予測した。
これは、まだバブルが拡大中ではあるが、やがて株式相場の暴落を中心に、シナ経済全体が大きな危機に陥るという形で実現するだろう。


にも関わらず、基本的に親中反日の民主党大統領は、シナとの友好路線を取るであろう、と考えたのが私の予測であった。

現在のオバマ政権を見ていると、まだそこまでは明確に路線を決定していないようであるが、やがて米中協調路線を取ってゆくであろう。
日本における民主党政権の誕生は、基本的に反米的な外交路線を実現し、アメリカをシナの方向に追いやる、アメリカとシナを接近させる結果を生むだろう。

09年1月からの米軍のイラクよりの撤退も、既に現実のプロセスとなっている。
イラク情勢は、今後、米軍の支えなしに益々混乱してゆくであろう。
オバマ政権はイラクよりも、焦眉の急を告げるアフガニスタンへの介入を増大させているが、アフガニスタン情勢の安定化はとても実現できるとは思われない。
イラクとアフガニスタンという、二兎を追って二兎を得ずという結果に逢着するであろう。

一方、北朝鮮と並行して、イランの核開発も着々と進んでいる。

ようは、2008年に予測される米台の大統領選挙を中心に起きてくる情勢が、日本にとって非常に不利な国際情勢を生みだすという結果になっている。
現在、読み直してみると、この本の中で書いた『2008年・悪夢のシナリオ』は、益々現実に近づきつつあるようだ。

詳しくは、『2008年日本沈没―誰も語りたがらないシナリオ 』の本を参考にしていただきたい。