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ゾンビ銀行を潰せ!

投稿日:2009,03,03

 3月2日付ファイナンシャル・タイムス紙に、ジェームス・ベーカー氏が寄稿している。
ベーカー氏は、レーガン政権の財務長官、ブッシュ父政権の国務長官等を歴任した米政界の重鎮である。
 彼は、「アメリカのゾンビ銀行(生きているように見えるが実は死んでいる銀行)は、はやく潰してしまえ!」と主張している。

生き残る見込みの無い銀行は潰し、どうにかなる見込みのある銀行には公的資金を注ぎ込み、救済する。
ただし預金は、政府が全額保証する。(現在の補償額は25万ドルまで)

国有化という言葉こそ、使っていないものの、事実上の国有化のススメである。
ピンチを脱したら、一度国有化した銀行を、再度、民営化すればよい、との考えである。

ベーカー氏は、大事な点を指摘している。
それは、銀行危機の本質は、支払い能力(Solvency)の問題であって、流動性(Liquidity)の問題ではないということだ。
市場に資金を供給して流動性をいかに十分に与えても、債務超過で支払い能力のない銀行は、救う事が出来ない
こういった銀行に、公的資金を逐次的に投入していっても、税金の無駄遣いになるし、経済の回復を遅らせるだけだ。
ベーカー氏は、こう主張している。

3月3日付、日本経済新聞の、国際面に、このベーカー氏の寄稿文についての囲み記事が出ていたが、 肝心な内容を紹介していなかったのが残念だ。