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『厳喜に訊け!』米中関係に変調の兆し、ニュースPickUp等、放映


『厳喜に訊け!』米中関係に変調の兆し、ニュースPickUp等、放映

1.TVコラムについて

 今回の私のTVコラム『厳喜に訊け!』の今回の内容は、主に、小沢一郎・民主党幹事長と東京地検特捜部の闘いについてであった。
 東京地検特捜部の小沢一郎追及には、様々な側面があるが、これを国際的視野から見ると、アメリカvsシナの代理戦争と考える事も出来る、というのが、今回のテーマであった。

【厳喜に訊け!】民主党小沢一郎vs東京地検特捜部は米中の代理戦争である[桜H22/1/15]

藤井厳喜が新しい試みとして取り組むネット講座「藤井厳喜アカデミー」についてご案内するとともに、政界を揺さぶる小沢一郎vs東京地検特捜部の戦いを、国際政治学の視点 から紐解いてみました。

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 日本人は、国内の出来事を、国内だけの因果関係で考えがちだが、大きな日本国内の事件には、国際的な背景がある場合が往々にしてある。

 小沢一郎は、「民主党外交の中核は日中関係」と明言してはばからない。
民主党政権下における日本外交の主軸は、日米関係から今や日中関係に移行しつつある。
小沢一郎が、権力を握り続ける限り、日本外交は益々この方向に動かされてゆく事は確実である。
この事は、小沢の多数の新人議員を連れての訪中や、シナ国家副主席・習近平への特別待遇を見ても明らかである。

 また、外国人地方参政権で恩恵を売る最も大きな外国人グループは、実は、在日韓国・朝鮮人グループではなく、在日シナ人グループである。
さらに、小沢・鳩山の推進する、東アジア共同体は、日本をシナの属国化するものに他ならない。
この事については、ブログで明確に指摘してきた。

 今や、小沢のこの野望に正面から挑戦しているのが、東京地検特捜部である。
外国人参政権反対の私としては、今や、東京地検に期待するところが甚だ大きい。
気持ちを同じくする一般国民も多い事であろう。
マスコミが民主党支持で、小沢の暴走を防げない以上、そして、政府要職にない一般国民が出来る政治行動には限りがある以上、日本の愛国者が今や、東京地検特捜部に期待せざるを得ないというのは、好ましいか、好ましくないかはともかくとして、やむを得ない状況となっている。

 ところがこの東京地検特捜部の歴史を見て行くと、これが検察の中でもかなり独立した部署であり、同時にアメリカの影響力が非常に強い部門である事が分かる。
東京地検特捜部は、そもそも、連合軍占領時代に、米軍の指令を受けた闇物資・隠匿物資の摘発部門としてスタートしたという経緯があるという。

また小沢の師匠にあたる、田中角栄と金丸信の二人を徹底追及し、彼らを政治的に葬り去ったのも東京地検特捜部であった。
田中角栄は1976年ロッキード事件に絡んだ外為法違反容疑で特捜部に逮捕された。
これが「今太閤」とまで、もて囃された田中の権力の没落を決定的にしたのであった。

外為法違反は、謂わば、別件逮捕だが、日本国内のマスコミが成し得なかった田中の圧倒的な政治力の切り崩しを、特捜部がはじめて成し得たのである。

また、もう一人の小沢の政界の師である金丸信・元自民党副総裁も、1993年、特捜部に所得税法違反(脱税)容疑で逮捕されている。

1992年に佐川急便から5億円の裏献金を受け取っている事が明らかであったが、これが略式起訴で終わっていた。
事は一見落着したと思われたが、特捜部は最終的に金丸逮捕に踏み切ったのである。
金丸は小沢一郎を47歳で自民党幹事長に推挙した小沢にとっては第二の恩人である。
また、田中角栄も若い小沢一郎を、一説によれば夭折した自らの息子の様に可愛がったという。

これが小沢の政界における出世のキッカケであった事は間違いでない。

ところが、田中角栄と金丸信の挫折の原因は、アメリカとの衝突にあったのではないかと思われる。

角栄の場合は、事は比較的明確である。
彼は、特に、資源外交の分野で、アメリカは勿論、石油メジャー(世界の大手石油会社)からの自立を目指した。
資源派財界人と呼ばれる人たちが、彼を支援した。
そして、エネルギー資源の自主調達の為には、ソ連のチュメニ油田やシナの大慶油田などにも積極的に手を伸ばしたのが田中角栄であった。

角栄はおそらく、資源調達のみならず、あらゆる点で、対米従属からの日本の脱出を構想していたに違いない。

その彼は、ソ連とも独自外交を繰り広げたが、何よりも大きく入れ込んだのが、対シナ外交であった。
アメリカより早く、シナとの国交関係を正常化し、シナと連携しつつ、アメリカからの自立を図ろうとした。
恐らくはその点において、角栄がアメリカという虎の尾を踏んだのは確かな事である。

表向きは、当時のニクソン・アメリカ大統領や、キッシンジャー補佐官なども、日本の対中外交関係樹立には反対はしていないが、非公式の場面では、キッシンジャーは、田中への嫌悪を剥き出しにした事がある。
ニクソン・キッシンジャーの描いていた大きな外交の構想は、米中関係を良好なものにし、これを以ってソ連をけん制し、かつその枠組みの中で、ベトナムの泥沼から米軍を引き上げるというものであった。
日本は当然、この枠組みの中でコントロールされるべきものと考えられていたのである。

キッシンジャー等は、田中角栄に恐らく将来の核武装の可能性すら見ていたであろう。
シナと連携した対米自立外交を目指した角栄が、ロッキード事件というアメリカからの情報リークにより失脚したというのは、今にして思えば当然の結末であった。

金丸信には、それほど大きな外交構想などは無かった。
彼は極めてドメスティックな政治家であった。
しかし、金丸は北朝鮮と親しく有り過ぎた。
金丸邸に北朝鮮から貰ったと言われる金の延べ棒があったのは、この間の事情を何より雄弁に物語っている。

アメリカは如何なる形であれ、日本がテロ支援国家・北朝鮮と国交を樹立する事は、全く望まなかったのである。
これもまた、国際政治の力学からすれば当然の事であろう。

小沢は、田中角栄と金丸信の挫折を最もよく研究し、検察と衝突しないような権力形成の道筋を歩んできたと言われている。
しかし、ここにおいて小沢は明らかに反米親中の外交政策を実現にかかってきた。
沖縄の米軍基地再編を拒否し、一方で、シナとの癒着は一方的にこれを強化してきた。
であるとすれば、アメリカが、小沢路線を受け入れる事は出来ず、そのような国際的政治力学の中で、東京地検特捜部が小沢への追及を本格化した事は、寧ろあまりに分かりやす過ぎる当然の結果である。

 私は2007年に、『米中代理戦争の時代 (PHP Paperbacks) 』という本を上梓している。
日本は国家としての主体性の確立していない半国家的状況にある。
このように主権の確立していない「日本という地域」の中で、様々な外国の勢力がぶつかり合っている。
かつての米ソ冷戦時代には日本国内には自民党対社会党の対立構造があった。
これは、アメリカの支持する自民党と、ソ連の支持する社会党の対立の構造であった。
日本国内における自民党対社会党の対立の構図、それは「55年体制」とも呼ばれたが、それは国際社会における米ソ対立の構造をそのまま国内に持ち込んだものであった。

今、日本の周辺では、アメリカとシナという二大国の力がぶつかり合っている。

衰退しつつある世界帝国であるアメリカと、そのアメリカに対抗しつつ自らの力を伸ばしてゆこうとしているシナ共産党帝国の対立である。
この対立の構図が日本の政界に大きな圧力となって、のしかかっている事はあまりに当然である。

このように考えると、小沢対特捜部の闘いは、シナとアメリカの代理戦争とも捉える事が出来るのである。

誤解のないようにもう一度、言っておくと、私は現在の検察の小沢一郎追及に全面的に賛成である。
何としても、小沢逮捕まで検察には頑張って欲しいと思っている。
例え、アメリカの支持のもとに検察が動いていようとも、今はその事は問題にすべきではない。

しかし、何故、以上の様な分析を公にしたのか?
それは、「検察の背後にアメリカがいる」からという理由で、検察を批難する言論が必ず現れてくるからである。
例え、アメリカがその背後にいるとしても、今回の検察の行動は、日本の国益にかなったものであり、アメリカとの関係を理由に全く批難されるべきものではない。

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1月10日に行われた『西村幸祐トークライブ「ああ言えば、こう ゆう!」』の中で、「メディアの正常化」を目指した新たなポータ ルサイト「メディアパトロールジャパン」を起ち上げることが発表 されました。

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台湾では馬政権の下で中国人妻への待遇が「改善」されているという。これにより、台湾 でのコアな中国支持層は100万人を越えたとも言われる。日本でも他人事とは言えない状況について警鐘を鳴らすとともに、移民の歴史が深いフランスの対応についてお伝えし ます。


2. 米中関係に変化の兆し

米中両大国は、対立する時もあれば、協調する時もある。
これはかつての米ソ関係と同様である。
米ソがデタント(緊張緩和)と言われた時期でも、水面下で対立している部分は残っていた。
また、米ソ冷戦が強調される時も、水面下では手を握り合っている部分も存在した。

ようは対立が7割で、協調が3割の時を「冷戦」と呼び、対立が3割で協調が7割の時を「デタント」と呼んでいたのである。

同様の事は米中関係にも言える。

米中関係は基本的には大国同士として対立しているが、協調の側面が表に出れば、「米中共同統治」となり、対立側面が表面化すれば、「米中対決」となる。

ブッシュ政権の末期から、オバマ政権の誕生を経て現在に至るまで、大雑把にいえば米中共同統治の側面が非常に濃厚であった。
この事は、ブログ上でも度々指摘してきたところである。

ところが、2010年1月になって、にわかに米中間の対立を感じさせる状況が急速に浮上してきた。
小沢一郎対東京地検特捜部の対立も、米中対決を感じさせる要因の一つである。

それに加えて、米グーグル社が、シナにおける検閲を嫌い、敢えてシナ市場を離脱する動きを見せている事も、米中対立の動きを感じる事が出来る。

1月13日アメリカ下院軍事委員会で、ウィラード米太平洋軍司令官は、シナ海軍が2012年ごろに空母を実戦配備するとの予測を公にした。
繰り返し予測されてきた事ではあるが、いよいよシナの海軍力の脅威が現実のものとなってきている。

米中対決の様相が表に出てきているとすれば、その大きな原因の一つは、米中の経済関係であろう。

オバマ政権がシナに頭が上がらなかった理由は、シナが大量のアメリカ国債を保有し、これを購入し続けているからである。
ところが、2010年後半に私の予測通り、シナ経済が急激にバブルの崩壊から悪化するとすれば、シナは最早、米国債を新規に購入する事は出来ないのみならず、既に所有している米国債をも国際市場で売却しなければならなくなるであろう。
もし、そのような事になれば、アメリカ経済とドルの信用はガタ落ちになる。
しかし、もしそのような事実が起きてしまえば、アメリカとしては、シナに頭を下げる理由は何もなくなるわけである。

シナ経済が弱体化すれば、最早、アメリカはシナとの関係を尊重しなくても済むようになる。
このような見通しが成立するとすれば、この際、アメリカはシナに揺さぶりをかけ、共産党一党支配体制を一挙に突き崩し、シナの民主化を図るという戦略も考えられる。

かつてソ連邦を崩壊させたような事が可能になるかもしれない。

オバマ政権は、民主党左派の政権ではあるが、「左派的見地からの自由と人権の尊重」は、やはりオバマ政権の掲げる看板の一つである。
であるとすれば、オバマ政権と言えども、シナ共産党独裁体制解体の方向に外交政策の舵を切らない理由は無い事になる。

アメリカの政権が民主党政権であれ、共和党政権であれ、日本が一方的にシナの属国となり、日本の経済力・技術力がシナの傘下に入ってしまう事は、アメリカは全く望んでいない。
そのようなリアリズムからも、アメリカが現行の民主党外交の方向転換を裏表様々な術策を使って実行しようとしているのが確かである。

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