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夕刊フジ連載『激動する世界と日本』連載4日目「円元直接取引で日本に金融バッシングも」


夕刊フジ連載『激動する世界と日本』連載4日目「円元直接取引で日本に金融バッシングも」

8月13日から開始の夕刊フジ新連載【激動する世界と日本】の4日目記事が掲載されました。



又、17日には、NET版ZAKZAKでも公開されました。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120817/ecn1208170743005-n1.htm



【激動する世界と日本(4)】円元直接取引で日本に金融バッシングも



秋からスタートする中国・習近平政権の前途は多難だ。
中国経済は今まさに、バブル崩壊の真っただ中であり、富裕層はマネーの海外逃避に忙しい。

中国では1000万元(約160万ドル)以上の資産を持つ富裕層は約100万人いると推定されるが、このうち、すでに16%は海外に移民してしまっており、残りの44%も海外移住を計画中だ
富裕層の85%以上が、彼らの子弟の外国留学を計画している。



 富裕層マネーの海外逃避も手伝ってか、今年4-6月期の中国の国際収支は1998年以来、初めて赤字になった=図参照。



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国際収支とは、1国と外国とのお金のやり取りの最も総合的な収支である
つまり、98年以来、初めて中国に入ってきたお金よりも、中国から出ていったお金の方が多くなったのである。

 移民先として彼ら富裕層が考えているのは、1位が米国、2位がカナダ、3位がシンガポールである。


米国にはEB-5という投資家用永住ビザがある。
これは米国に100万ドル以上を投資する人に年間1万件のビザを供与するもの。
2011年、中国からこのEB-5ビザに申請した件数は2969件あり、これは07年の10倍であった。

 米中新冷戦で中国企業が米国で資金調達をすることが難しくなっている。
このため、彼らが目をつけたのがロンドン市場である。

英国としても中国経済の国際金融部門として、ロンドン市場を発展させたいという思惑がある。
両者の思惑が一致し、英中間では緊密な連携が発展してきた。


 例えば、今年7月、英銀大手HSBCはロンドンで人民元建て債券を発行する旨を公表した。
海外では史上初となる試みである。

また、スタンダードチャータード銀行(SCB)は、中国農業銀行と提携し、中国の海外ネットワーク、特にアフリカでの展開に全面的に協力している。

 こういった英中連携を快く思っていないのが米国だ。
8月6日ニューヨーク州金融当局は、SCBがイランと2500億ドル相当の金融取引を過去7年間に渡って行ってきたとし、同市における銀行免許を剥奪する可能性があると発表した。

 また、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正問題でも、米当局は英国金融界の責任を追及する構えだ。
英中金融連携に対する米国金融界の強烈な反撃である。
米中新冷戦が、米対英中金融戦争に発展しているのだ。

 6月1日から始まった円元直接取引は、中国側からすれば、ドル覇権を切り崩す方策の1つである。
日本はこういった戦略的意図に全く無知である。
日本の金融界も米国のバッシングを受けるかもしれない。


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